業態には寿命があります。
業態寿命とは「成長カーブ」のことです。
よくいう、導入期、成長期、成熟期、衰退期の4つのことです。
今回は業態寿命のリスクヘッジとして、あまり知られていないフランチャイズ加盟のメリットについて述べていきます。
成長カーブ
ビジネスを行なううえで成長カーブは大事です。
成長カーブとは時間の経過と、物事の成長・発展との関係を表すカーブのことです。
成長カーブは、図のように「S」字型の曲線を描きますので、別名「Sカーブ」とも呼ばれ、ウサギやアメーバなどもこのカーブを描くことが知られています。
つまり成長カーブはビジネスだけではなく人の一生についても、国の繁栄についても、さらに生物の増殖過程についても一貫した「自然の法則」なのです。
成長カーブは、導入期、成長期、成熟期、衰退期に分けています。
初期段階である導入期は、立ち上がり時期なのでそれほど成長度は高くありません。
それが真ん中の成長期になりますと一気に伸び、成長・発展していきます。
そして、ひと通り成長したあとは静かに成熟期に入り衰退期を迎えます。
これは商品や事業のライフサイクルも同じような成長カーブを描きます。
したがって、その商品や事業がいつから伸びるのか、伸びなくなるのかを高い精度で予測することもできます。
業態は年々短命になっている
現代は業態寿命が年々短くなっています。
とくに飲食業界は短命です。
平均わずか2年という業態寿命の飲食業界では、新規出店に莫大な初期投資費を投入し、回収を行うことが出来ず、結果お店を撤退しなければならないという事態も少なくありません。
だからこそ現代は1つのビジネスに対する業態寿命が短いので、1つの事業に特化するのではなく、保険的な意味でも複数の事業ポートフォリオを持つべきだという声が多いです。
事業ポートフォリオとは、企業が多角化戦略を取った際のさまざまな事業群の組み合わせのことを言います。
私の意見は多角化戦略を考えるときフランチャイズ加盟は有効な手段だと思います。
世間ではフランチャイズ(加盟店)はあまり儲からないと思われていますが、じつはいろいろな利点があるのです。
マルチブランドフランチャイジー
マルチブランド・フランチャイジーという言葉は聞いたことがありますか。
マルチブランドというのは、「マルチ=複数」の「ブランド=フランチャイズ・パッケージ」に加盟している「フランチャイジー=フランチャイズ加盟店」のことです。
私が役員をしていた会社は、まさにこのマルチブランドフランチャイジーという業種で、フランチャイズを中心に28ブランドで5業態(飲食、教育、美容、介護、宅配)のサービス店舗を65店舗運営していました。
この中でもフランチャイズ以外に自社のオリジナルブランドを5つ持っていて7店舗あります。
私はこの業界に22年いましたのでフランチャイズ業態とオリジナル業態のそれぞれのメリット&デメリットをよくわかっています。
それらの点を踏まえて、弊社はマルチブランドフランチャイジーとしてフランチャイズ店を多く持っているのです。
その一番の理由は、業態には寿命があるという考え方からです。
新規事業はどのタイミングで参入すればいいのか
新規事業を始めるとき、成長カーブのどのタイミングで参入するのがいいのでしょうか?
ふつうは成長期と答える人が多いと思いますが、一部の方は衰退期がいいという人もいます。
この理由は成長期だと競争が激しく利益がほとんど出ないため、競争の少ない成熟期や衰退期がいいというものです。
このような意見があるのは事実ですが、それでも私の意見は参入するのならやはり成長期のほうがいいと思います。
というのは、成長期にはその事業で得られる収益全体の80〜85%が得られるからです。
成長期に参入しないほうがいいという声を正確にいい直すとしたら、成長期の後半は競争が激しいから儲からないということです。
しかし成長期の前半に参入するならば、まだライバル会社も少なく価格もさほど崩れていないので、大きなビジネスチャンスをつかむことができます。
フランチャイズ加盟は成長期の前半を狙え
もし仮にフランチャイズ加盟を考えるのならば、成長期の前半を見極めて加盟することをオススメします。
商売の成否はタイミングを抜きに語れません。
極端な例ですが、もし仮に松下幸之助が21世紀に生まれ変わってきてエアコンをつくっても、絶対に大富豪にはなれません。
どんな天才経営者をもってしても、今の日本では、エアコンでは大富豪にはならないのです。
つまりビジネスの成功と、経営者の優秀性は必ずしも一致しないのです。
その点を踏まえて、新規事業や起業を成功させるために必要なことはタイミングです。
つまり、いつ市場に参入するかが鍵なのです。
参入タイミングさえ間違えなければ、順調に新規事業が立ち上げります。
一度立ち上がってしまえば、あとはエスカレーターに乗せられたように、自動的に売上があがっていきます。
だからこそフランチャイズ加盟は、そのブランドの成長期の前半を見極めて加盟すれば、楽に成長することができるのです。
ある程度の知識と情報があり、さらに人口動態統計と政府政策がわかれば、これから伸びていく業種は予測できます。
その中でもっとも優秀なフランチャイズ本部に加盟すればよいのです。
創立5年の会社の生存率
新規業態を考えるときに、参考になるのが「会社の生存率」という数字です。
創立5年後の生存率ですが、独立店は15%でフランチャイズ店が70%という数字を知っていますか?
これは税務署調べの統計を「ベンチャー通信」という雑誌が記事として発表したもので、まぎれもない現実です。
この違いを成長カーブで説明しますと、独立店は導入期からスタートするのに対して、フランチャイズ店は成長期からスタートしています。
つまりフランチャイズ本部としてFC展開を考えている企業は、自社のブランドがすでに成功(成長期の前半に入っている)している前提からフランチャイズ化していますので、加盟店がやっても生存率は高いのです。
この点を考えると、フランチャイズとは成功したビジネスモデルを「お金」で買うことなのです。
さらに業態開発という生みの苦しみである「導入期」をワープして、「成長期」からビジネスをはじめることができます。
だから業態の選択を誤らなければ、時流という波に乗り一気に駆け上ることができます。
ちなみにこれから伸びていく業態は、放課後デイサービス、調剤薬局、リユース業界、家事代行業などです。
高度成長期のときは、日本経済自体が成長カーブに乗っていたから誰でも簡単に成功することができましたが、今はそうはいかないです。
だからこそ個々の事業をそれぞれ成長カーブに乗せていくという考え方が必要なのです。
業態には必ず衰退期がある
現在、日本の多くの産業が成熟期から衰退期に入っています。
小売業ならば百貨店、GMS(総合スーパー)、SC(地方のショッピングセンター)、外食ならば居酒屋、その他、本屋やガソリンスタンドやデジタルカメラなどがそうです。
もしも自社開発の業態で衰退期に突入したら、新たな業態に舵を切り替えようとしても、コストの面からなかなか身動きが取れません。
さらにフランチャイズ本部として展開してしまったら、加盟店が1社でもあれば、なかなか撤退することができません。
その点、フランチャイジー(加盟店)側ならば、撤退に対するリスクは本部よりも圧倒的に少ないのです。
まとめ
前職で28ブランド5業態のマルチブランドで運営していたのは業態には成長カーブがあるからです。
だからこそ、それぞれ成長期から成熟期にかけてのブランドを集めて事業運営していました。
そして衰退期に入った業態はタイミングをみてスクラップしていたのです。
しかしスクラップしてもリストラはしません。
貴重な人材と物件は残りますので、そこに新たな成長ブランドを探し出してビルドしていきます。
つまり「スクラップ&ビルド」という戦略のもと会社を成長させていったのです。
現在は業態の寿命は、年々短命になっています。
だからこそフランチャイズジー(加盟店側)は利点が多いのです!
この点も含めて事業ポートフォリオとして、フランチャイズ加盟というのも有効な手段になるのです。
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加納 聖士