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【多店舗展開とは?】多店舗化で得られる効果

多店舗展開とは

店舗ビジネスを取り巻く環境は、人材難、原材料の仕入れや物品仕入れ・調達コストの高騰、競合店の参入、店舗立地や物件、商圏の奪い合いなどにより、厳しい状況が続いています。

それでも繁盛している会社は地域内での認知度を高めながら、各店舗の利益率も同時に高め、次々に新店舗出店を続けて、ますます繁盛を続けています。

繁盛の秘訣は、創業オーナー社長や店長が頑張ることだけではありません。

多店舗展開の戦略を誤らず、競合対策を適切にとりながら集客力・地域内での認知度を高め、内部では法則に基づいた仕組みづくり、優秀な人材育成、店舗オペレーションの標準化、きめ細かいマネジメントを浸透させて、銀行などが喜んで融資してくれるだけの採算を実現し、経営者としての信用=実績を築いているからこそです。

どうすれば、そんな多店舗展開ができるのでしょうか。

ここではまず、弊社がコンサルタントとして関わった約400社に及ぶ成功事例や失敗事例をベースに、多店舗化のメリットと、多店舗化の方法、特定商圏内で競合に勝つ仕組み、そして成功の最大の秘訣についてまとめます。

多店舗展開の目的は経営のリスクヘッジをはかるため

例えば飲食店、美容室、理容店、治療院、小売店など、店舗でサービスや商品を提供する仕事を「店舗ビジネス」といいます。

一般的に、店舗ビジネスを創業する方は最初に求めやすい立地の店舗物件を探し、1つの店舗を出して、経営者が持ち前のノウハウやスキル、経験、実績・業績、人脈を生かして、得意分野の事業でみずから多くの店舗オペレーションを行なう形で創業されます。

それは素晴らしいことですが、昨今の経営環境の中では、1店舗だけのビジネスの先行きが見えにくくなっていることが、店舗ビジネスコンサルタントとしての私には心配でなりません。

というのも、1店舗や2店舗の店舗経営は、資金ショートからの倒産リスクがかつてよりもずっと高まっているからです。

原材料の仕入れ、物品・備品の仕入れ・調達コストはアベノミクス以来高騰を続けていますし、消費税率も上がります。

また慢性的な人材不足は改善の見込みが立ちません。この状況は今後数年の間に好転することは見込めません。小規模な店舗展開の会社では、たとえ集客に成功して繁盛しているように見えても、同じ売上を上げるために、かつてより多くのコストをかけなければならなくなり、利益率はどんどん悪化しています。

金融機関の融資審査もオーナーの資産状況を重視する傾向が強まり、新たな出店のための資金調達ができないどころか、運転資金調達にも苦労するようになりました。

ここで歯を食いしばって現状維持を図ることも一種の美学かもしれませんが、これらの悪材料を一気に消し去り、店舗ビジネスを安全・健全に発展させ、リスクを最小限に抑える戦略が、ただ1つだけあります。それが「多店舗展開」です。

リスクヘッジと成長のカギは、複数店舗のシナジー効果

多店舗展開とは、複数の直営店、あるいはフランチャイズ店を展開していくビジネスモデルのことを言います。

多店舗展開によりビジネスの規模が大きくなると、まず大量仕入れ・調達が可能になり、原材料コストが低減できます。

さらに複数店舗で一括求人することで求人広告費用なども安くできます。

従業員の教育・育成プロセスが複数店舗で共通化・標準化(マニュアル化)できますから、そのコストも下がります。

また、比較的狭い範囲の立地で複数店舗を開店することにより、一定エリアを自社の複数店舗の商圏内に収めることができ、競合の出店を阻むこともできますし、エリア内でのブランディングを高めて「地域で一番」の企業という認知を広げることも可能になります。

認知向上と集客効果はつながっており、認知が広がれば広がるほど、集客もやりやすくなっていきます。地域内での認知向上により、求職者にも名前が知られて、求人への応募数増加にも直結します。ゆくゆくは金融機関からも一目置かれ、資金調達もやりやすくなるでしょう。

また多くの店舗を展開していく過程で、店舗の立地条件や店舗用物件の優劣、オペレーションの効率性を考慮した設備配置、集客しやすい店がまえなど、繁盛店を生む各種の要件が明らかになってきます。

それが、次の店舗を展開するときに失敗しない大切なノウハウになり、成功確率がどんどん上がります。

創業時よりも、多店舗を展開した後のほうが、確実にノウハウが洗練され、仕入れ・調達も上手くなれば、人材育成、特に店長の育成・教育にも長けてきて、しかも業務が標準化されることで効率化し、経費増加を抑えながら売上を上げ、利益を十分に得ることができるようになります。

経営者として成長ができるのですね。

自分の経営能力を高めることこそ、繁盛するチェーンを作る秘訣です。

そのほかにも、複数店舗では数々のシナジー効果(相乗効果)が生じるため、コスト削減と売上向上の両面で多くのメリットが生じるのです。

その結果、多店舗展開した会社は、1店舗経営のときとは比較にならないほどの利益率向上が実現可能になります。ビジネス環境悪化の中で1店舗あたりの売上の伸びがかつてほどでなくなっても、会社全体としての利益を上げていけるのが多店舗展開の素晴らしい効用です。

それを十分理解し、多店舗化戦略を見極めることが、安定経営をしながら事業を拡大していく秘訣です。

ただし、「1店舗で黒字決算を続けているから、同じやり方で店舗を増やせば売上と利益が店舗数との掛け算で増えるはず」という目論見での多店舗展開は、多くの場合失敗します。

なぜなら、1店舗のオーナー、あるいは店長の仕事が完璧にできるからといって、そのノウハウやスキル、管理能力をそのまま複数店舗に展開することは、およそ3店舗以上に店舗を展開した時点でほとんど不可能になってしまうからです。

3店舗から5店舗、10店舗、さらにそれ以上と店舗数を増やすためには、その規模に応じた業務管理の仕組みや人材管理・育成の仕組みを確立させなければなりません。1店舗や2店舗の経営との大きな違いは、繁盛するための仕組みづくりが極めて重要になるところです。

加えて、店舗で絶え間なく発生する課題への対応や、ビジネス環境の変化を読んで将来を考えることができる「自立自走型」の店長、管理職、現場従業員を、できるだけ多く育てていくことも、同じように重要です。

なぜ多店舗展開をするのか「軸」を明確にする

多店舗展開には、大きく分ければ「直営店展開」と「フランチャイズ展開」の2つの手法があります。フランチャイズ展開には、社外向けフランチャイズ、社内向けフランチャイズ(のれん分け制度による独立支援)、業務委託によるサブリース、M&A(買収)などのさまざまなやり方があります。

どのようなやり方で多店舗を展開するかは、資金の調達力(融資審査が通る社長、オーナーの信用力)、社内体制および制度整備の度合い、スピード感などによって決めることになりますが、どのようなやり方をとるにせよ、大切なことは「なぜ多店舗展開をするのか」を明確にすることです。

多店舗展開の目的が明確になれば、多店舗展開を推進するための「軸」を揺るがさずに、さまざまな対策がとれます。まずは次の問いに明確な答えを用意してください。

    あなたの店舗が増えることで、社会のどんな問題が解決するのでしょうか?

    あなたの店舗が増えることで、社会がどれだけ便利になるのでしょうか?

まずはあり方を明確にしてから、それに合わせた事業拡大のやり方を整理していくのが、多店舗展開の正しい手順です。

多店舗化の2つのやり方「チェーンストラ経営」と「支店経営」

直営店による多店舗展開は、レギュラーチェーン展開と呼ばれることもあります。これには「チェーンストア経営」と「支店経営」の2つのやり方があります。

「支店経営」は、コンセプト、メニュー、店舗規模、客単価が異なる複数の店を展開、運営することを指します。

「チェーンストア経営」は、ブランド、メニュー、店舗規模、オペレーション、マネジメントを、すべて共通させた複数店舗を展開、運営することを指します。

このうち、私がお薦めするのはまずは「チェーンストア経営」での多店舗化を成功させることです。なぜなら「支店経営」よりもはるかに多数、大規模な店舗展開がリスク少なく実現できる可能性が高いからです。「支店経営」は、一般的に15店舗までの拡大が限界だというのが、チェーンストア理論の原則なのです。

もちろんダイヤモンドダイニング(東証一部上場の飲食チェーン)のような例外はあります。同社を創業した松村厚久社長は「飲食店の業態開発日本一を目指す。当面の目標は100店舗100業態」と力強く語り、その言葉どおり1店舗ずつ異なったコンセプトの店づくりで現在ではさまざまな業態の飲食業店舗を430以上も展開しておられます。ただ、その快挙の背景には原材料や什器仕入れ・調達方法や人材育成の制度や評価方法など、目に見えない業務の裏側では非常に標準化された高効率の仕組みが動いていることは間違いないでしょう。その標準化、仕組み化の方法は、飲食業界にとどまらず、どのような業態にも通じるものだと思います。もちろん「チェーンストア経営」に通じるところがおおいにあります。

「フランチャイズ展開」における多店舗化

直営店の展開ではなく、フランチャイズ加盟者を募集し、フランチャイズ加盟店を増やしていく「フランチャイズ展開」という多店舗化の方法もあります。こちらは、自社がフランチャイズ本部(フランチャイザー:主宰者)になり、フランチャイジー(加盟者/加盟店)を募集して、フランチャイジーの資本(資金・人材・労働力)を活用して店舗数を増やしていくやり方です。

直営店の展開でもフランチャイズ展開でも、スケールメリットを享受しながら本部の収益を上げ、利益率を改善・向上させることができることが大きな魅力です。フランチャイズ展開では、本部側から見れば使用総資産が少なくできるため、短期間に店舗数を2倍〜10倍にしていくことも夢ではありません。現に店舗ビジネスの業界リーダーたちのほぼすべてが、フランチャイズ展開により大規模な店舗展開を実現しています。

ただしデメリットもあります。フランチャイザーはフランチャイジーへの指示・命令権がなく、一部フランチャイジーの失策や怠慢などが、フランチャイズ・チェーン全体のイメージや活力の低下につながることがあるのです。そんなことがないように、フランチャイザー側が常時加盟店指導(アドバイスと要望)を行い、ノウハウ開発を継続して行う必要があります。不振店への支援のための対応や、協調関係の維持、ノウハウ流失のリスク対策など、コストと労力がかかる部分も少なくはありません。

多店舗展開に限らず、すべてのことにはメリットがあればデメリットもあります。両方を見極める視野の広さが、成功のための秘訣の1つです。

目的を定め、自社に適した正しい多店舗展開のやり方をみつける

大事なのは、まず「なぜ多店舗展開をしたいのか」を明確化することです。これが成功のための最大の秘訣です。直営店展開か、フランチャイズ展開かを決め、さらにどのような展開方法をとるのかはその後です。どのような方向で多店舗化を進めるのかにより、オーナーがとるべき戦略はさまざまです。

弊社が主催している多店舗化セミナーや多店舗化養成塾、ビジネス数字力養成塾、フランチャイズ3.0構築セミナーなどでは、直営店による多店舗化やフランチャイズ展開の両面にわたり、多店舗展開のノウハウを実例を含めて詳しく解説しています。創業の際の理念やコンセプト確立に始まり、現場で生じる課題への対応法、集客の手法、原価の低減法、販路の拡大法、店舗物件の探し方・選び方、各店舗を黒字化させて多店舗展開を軌道に乗せる道筋、人材の集め方、人材育成の方法、あるいは撤退を含めた出口戦略まで、ありとあらゆるノウハウを提供しています。個別のコンサルティングもお引き受けしていますので、これから独立、起業をお考えの方にもお役に立てます。まずはセミナーなどへのご参加を、ぜひご検討ください。