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いまさら聞けない、教えて!フランチャイズってどんな仕組み?

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私はフランチャイズ店を中心に80店舗ほどのサービス業店舗を展開する企業で約20年間、フランチャイズの加盟店側で働いてきました。

だからこそ私はフランチャイズ業界の裏の裏まで知っています。

そこで今回は、いまさら聞けないフランチャイズ・ビジネスについて、それの誕生の歴史から仕組みまで簡単に紹介していきたいと思います。

フランチャイズ・ビジネスって何?

 「フランチャイズ、フランチャイズ」と巷でよく聞きますが、そもそもフランチャイズ・ビジネスってどういう仕組みでしょうか?

身近な例で説明するとしたら『セブン・イレブン』です。
セブン・イレブンは2015年4月現在で日本国内に17,636店あります。
そのうち直営店(本部)はわずか5%で、残りの95%がフランチャイズ店(加盟店)です。

つまり小学校一学級(40人)のクラスに例えると、2人しか直営店の生徒がいないということです。

圧倒的にフランチャイズ店が多いのがわかりますね。

本部であるセブン・アイ・ホールディングスは、皆さんもよく知っているセブン・イレブンの他に、イトーヨーカ堂、デニーズ、そごう・西武、セブン銀行などを傘下に持つ大手の持株会社なのです。

ではフランチャイズとはどういうシステムでしょうか?
フランチャイズ・システムとは本部が業態開発した“セブン・イレブン”という商号・商標などを使用する権利や、本部の開発した商品(サービスも含む)、営業上のノウハウなどの儲かる仕組みを提供するかわりに、加盟店はこれに対して対価(ロイヤリティ)を支払い、その看板で商売させてもらう仕組みです。

セブンイレブン

ここでは仕組みを提供する側をフランチャイザー(本部)と呼び、受ける側をフランチャイジー(加盟者・加盟店)と呼んでいます。

ちなみに本部に支払うロイヤリティはセブン・イレブンの場合では、売上総利益(売上から売上原価を引いたもの)に対して43%(オーナー自らが土地建物を用意した場合)、飲食店の場合は売上に対して5%ほどが平均です。
ちなみに美容室や介護・学習塾の場合は売上に対して8~10%ほどです。

これを高いと見るか安いと見るかは、意見が別れるところでしょう。

フランチャイズは1,300チェーン、23万店、売上は約20兆円になる

最近では全国各地に、フランチャイズ・チェーンが増えてきました。
その業種も多岐にわたります。

たとえば飲食店やお弁当、ファストフードなどの外食産業、ベーカリーショップなどの小売業、不動産販売、カー用品や自動車の整備、小型のフィットネスクラブ、学習塾やデイサービス、CDレンタルといったサービス業に至るまで、その店舗数の合計は約23万店を数え、売上高は約20兆円となっています。

そしてチェーン数は今や1,300チェーン以上とも言われています。
さらにメジャーなブランドのみならず、ホームページ制作など、新しいビジネスでのフランチャイズも増えて来ています。

最近では、「カジノ」のフランチャイズもあるくらいです。

昨今は、国全体で独立・起業を促進する動きが活発化していますので、補助金・助成金も増加傾向にあります。
この点において収支計画の立てやすいフランチャイズ・ビジネスに、起業家の注目が集まっているのです。

いずれにせよ、外食市場だけで約4兆円といわれているので、その5倍もあるフランチャイズ市場がいかに大きいかがわかると思います。

世界初のフランチャイズ・ビジネスは?

世界初のフランチャイズはあのケンタッキー・フライドチキン(KFC)です。
今から55年前の1960年にカーネル・サンダーズがフランチャイズ化しました。

カーネル・サンダーズ

カーネル・サンダーズがケンタッキー・フライドチキンをFCにしたまでの歴史を振り返ります。

彼は、今から85年ほど前の1930年にKFCの前身となる「サンダーズカフェ」という小さなカフェを開業しました。
このカフェは素材へのこだわりとサービスの良さで、地元で行列ができるお店となりましたが、その後、店舗の火災や、新しいハイウェイができたことにより、車の流れが変わり、ついには倒産に追い込まれてしまいました。

65歳になったカーネル・サンダーズに残ったのは、おいしいフライドチキンのレシピだけです。
彼は一文無しだったこともあり、自らこのレシピを使用して事業を行なうのではなく、このレシピを他社に販売するかわりに、売上の一部をロイヤリティとしてもらうことで会社運営できないかを考えました。

それからレシピを売り歩きました。
しかし、はじめは売り込んでもどこからもまったく相手にされず苦悶の日々を過ごします。
断られた社数はじつに1009社です。

普通の人ならはるか前にあきらめる社数ですね。
それでもあきらめずに売り込みを続けた結果、1010社目でようやく採用されたのです。

カーネル・サンダーズの1009回断られた話は、今でも事業を始めようとチャレンジする人たちの間で語り草になっているエピソードです。

フランチャイズ・パッケージをつくった男

最後はフランチャイズ・ビジネスに大きなイノベーションを起こした営業マンの話です。
その人の名はマクドナルド創業者のレイ・クロックです。

マクドナルド創業者のレイ・クロック

彼は「おいしいハンバーグ(レシピ)」を売るのではなく、「誰でも手軽においしいハンバーガーを食べることができるマクドナルドという仕組み」を商品化しました。

これが現在の「フランチャイズ・パッケージ」という考え方です。
フランチャイズ・パッケージとは一言でいえば、収益を生み出す事業そのものです。

これ以前のフランチャイズの商品は、カーネル・サンダーズのチキンのレシピのように事業ではなく商品そのものでした。
それをレイ・クロックは“商品”ではなく、“売るための仕組み”にこそ価値があると考え、これを売りはじめたのです。

1980年代、この商品でなく、売るための仕組み全体を販売するフランチャイズモデルが成功したことは、ビジネスの世界で大きなニュースになりました。
そしてレイ・クロックのマクドナルドモデルのマネをした起業家たちが、次々と自らつくった事業パッケージを販売すて成長を収めていったのです。

フランチャイズ・パッケージとは?

フランチャイズ・チェーンは本部が開発したフランチャイズ・パッケージを、加盟金やロイヤリティを支払うことによって、加盟店が使用できるビジネスモデルです。

この「パーケージ」とはフランチャイズを運営するための中枢となる経営システムのことで、本部が加盟店に提供するすべての仕組みを総称して、“フランチャイズ・パッケージ”と呼んでいます。

フランチャイズパッケージ

このパッケージの特徴は、教育訓練さえ受けていれば素人でも店舗経営が可能という点であり、これが構築されていないとフランチャイズとは言えません。

たとえば「ラーメン」店のフランチャイズなら、脱サラした料理人でもなんでもない人にスープの仕込みから経営のイロハまでをマスターさせて、接客やオペレーション、事業計画書まで本部が用意して、3ヶ月後には同じ看板で商売できるようにすることです。

つまりフランチャイズ・システムとは「専門家集団が作り上げた、素人がビジネスを運営するための仕組み総称」と言ってもいいでしょう。

だからこそフランチャイズ・システムにおける「チェーン・システム」とは同じオペレーションであることが前提のルールです。
それは「店舗運営の3大原則」といわれる「単純化・標準化・専門化」で構成されています。
ここでいう「3大原則」とは、日常業務に対して、バラつきなく誰でも簡単に処理できるということです。

これらにより店舗のイメージが醸成されて、これを体系化できるフランチャイズ本部が優れたFC本部となるのです。

フランチャイズ本部のフランチャイズ・パッケージの要素として欠かせないことに、体系づけられた「教育プログラム」と「訓練システム」を開発し、加盟店に提供していくことがあります。
なぜなら素人でも再現することができなければ、このビジネスモデルは成立しないからです。

フランチャイズ・ビジネスは教育産業である

フランチャイズがフランチャイズであるために必要なことは再現性の高さにあります。
つまりチェーン全体のブランドイメージを維持するためには、本部ノウハウを一定レベル以上の水準で再現させる仕組みが必要になるからです。

そこで力を発揮するのが、本部の教育訓練の質の高さです。
この機能を充実させるために必要な条件は、本部ノウハウの「見える化」と「標準化」です。

そこで本部は、まず自分たちの成功ノウハウを「マニュアル化」してから、これに基づいて教育訓練の「仕組み」を作っていきます。
だからこそマニュアルは、統一性を要求されるフランチャイズ・チェーンにおいてバイブルなのです。

マニュアル書

もっと言えば、マニュアル抜きにフランチャイズ展開をすることは不可能です。
近年、マニュアル化された店員の対応への批判などから、マニュアル化についての賛否両論があるかと思います。
しかし、「マニュアル不要論」と混同してはいけません。

なぜなら「フランチャイズ・パッケージ」=「マニュアル」だからです。

まとめ

私は、フランチャイズ業界の裏の裏まで知っています。
だからこそ、「これから加盟を検討するなら、こういう点に気をつけてくださいね!」ということを、加盟店の立場に立ってアドバイスすることが可能です。

また加盟店側を経験してきたからこそ、失敗しないフランチャイズ本部構築も得意としています。
加盟店価値を最大にしながら、フランチャイズパッケージを充実させていくことが成功のコツです。

私は2015年6月に「知識不足で失敗するのを事前に救いたい!!!」という思いから「加盟しますか?そのフランチャイズ」という本を電子書籍で出版しました。

もしもフランチャイズに興味があるのならば、またフランチャイズ本部を構築されたい方は一読されてみてください。


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加納 聖士