私が個人店の多店舗化のお手伝いをするときに真っ先にすることが「人づくり」と「仕組みづくり」です。
そのなかの「人づくり」の基軸になるのが「人間学」と「マインド教育」を中心とした接客サービスです。
個人店が大手と価格以外で差別化をはかり、個店の強みを活かしていくにはお客様との距離感を縮める接客が大切です。
つまりお客様の懐に入っていくことができる接客力が必要なのです。
飲食店でもサービス業店舗では、お客様が継続して来店していただくことこそ、継続的な利益を生み出すことができます。
つまり、繁盛とは、たった一人のお客様が繰り返し来店していただくことの累積にほかならないのです。
ですから、大切なことはご来店していただいたお客様に満足してもらって帰ってもらうことはもちろん、またこのお店を利用したいと思っていただく接客サービスをすることです。
そこで今回は飲食店向けに書きますが、リラクゼーションやエステ、整体、旅館ホテルなどでも応用できる接客サービスの3原則を解説します。
大手に勝つためにぜひ個人店は、このレベルまで接客レベルを引き上げていくようにしていきましょう。
接客サービスの3原則 「事前察知」
お客様にとって理想のお店とは、いつでもどの従業員からでも、質の高いサービスを受けられることです。
質の高いサービスとは
- 「水をください」とお客様に言われる前に運んでくる
- 取り皿を替えてほしいと思った瞬間にもう替えている
- お客様の要求する絶妙なタイミングで料理提供する
- 目線があっただけで足りないフォークを持ってくる
- 「食後のデザートのことを聞きたいな」と思うと、いつの間にかスタッフが側にいる
サービスの本質は、お客様が「こうしてほしい」と思うことを「事前察知」し、言われる前にして差し上げることです。
だからこそ、お客様に「すいませーん」と声をかけられたら私たち経営陣の負けということです。
そうならないためには、お客様のちょっとした目線や仕草、食事のテンポ、一緒に食べている相手などから想像力をフルに働かせなくてはなりません。
お客様にとって本当に意味のあるサービスとは何かを具体的に察知できるようにしましょう。
従業員全員が、このような接客ができれば「すいませーん」とスタッフを呼ぶ声が一度も客席から聞こえなくなります。
お客様にとってそんなお店が理想なのです。
繰り返しますがサービスの本質は「こうして欲しい」と思うお客様の要望をいち早く察知して、言われる前にして差し上げること。
個店の接客は『場を読む力』が欠かせません。
接客サービスの3原則 「顧客認知」
お客様が飲食店を選ぶとき、自分なりの受けたいサービスの尺度を持っていて、そこに達していないお店は選択肢に入ってきません。
「おいしい」はもちろんのこと、「いつ行っても常連客として扱ってくれる」とか、「自分の好みを覚えてくれている」とか、「自分が頼んだものを覚えてくれている」とか・・・
たとえば5人で全員別々のメニューを頼んで、何も確認もせず各人の前に丁寧に商品が置かれる。
それがすべてビンゴ!
お客様を単なるグループとして捉えるのではなく、その中にいる個人について関心がないとこのような料理提供はできません。
このようにお客様を一個人として強く認識し、相手を深く知ろうとする行為を「顧客認知」と言います。
好みの味やサービス、お気に入りの話題をわかった上で接してもらえたのならば、お客様は誰しも心地よく感じます。
顧客認知は、お客様に愛される接客の条件なのです。
その顧客認知の第一歩は、お客様をお名前でお呼びすることです。
常連のお客様がご来店されたら、目を合わせて、
- 「〇〇さん、ようこそ!」
- 「〇〇さん、こんばんは!」
しかし、名前はあくまでも相手に一歩踏み込むためのツールに過ぎません。
より大事なのは、相手の性格、料理やドリンクの好みなどを熟知して、その情報を接客に活かせるかどうかです。
- 「〇〇さん、最初のドリンクはいつも通りの〇〇でよろしいですか?」
- 「〇〇さん、この前は△△をお召し上がりでしたが、今日は□□などいかがでしょうか?」
このように一番大切なことは、お客様との距離感を縮めることと、お客様の懐に飛び込むことです。
大手外食店はテクノロジー化が進んでいるからこそ、個人店はあえて人対人のアナログのコミュニケーションにこだわっていくのです。
接客サービスの3原則 「オペレーション」
飲食店は基本が大事です。
- しっかりとした盛り付けができてナンボ
- オーダーを間違えず、お客様を待たせることなく料理提供できてナンボ
- 金曜の夜の満席時でも、月曜のガラガラの夜でも変わらずに、ファーストドリンクを3分以内で提供できてナンボです。
そういう基本ができてこそ、はじめて心に余裕が生まれます。
お店が回っているからこそ、自然に胸を張り、顔を上げて仕事できるようになります。
すると視界が開けてきます。
そこで初めて、「事前察知」や「顧客認知」が可能になります。
サービスの基本は、あくまでお客様が嫌だと思うことを無くすことです。
誕生日を祝ったり、名前を覚えたりするのもいいですが、それ以前に最初のドリンクがなかなか出てこないとか、料理の提供速度が遅いとか、心のこもった挨拶をしないとか、基本がなっていないとお客様はしらけてしまいます。
そのため基本中の基本である「オペレーション」がしっかりしていることです。
「事前察知」も「顧客認知」も、「オペレーション」という基本があって初めて成り立つのです。
まとめ
人間は周囲から「見られている」と感じるだけで成長すると言われます。
女優さんなどがいい例です。
女優さんは、お客様から「見られている」、または「魅せている」という意識が強いからこそ、いつまでもキレイでいられるのです。
これは接客も同じです。
- 「普通のお店」=見られているという意識を持つスタッフが半分程度いる
- 「繁盛店」=スタッフ全員が見られているという意識を持っている
- 「大繁盛店」=スタッフ全員が魅せてる意識を持ち、主体的な接客をしている
レベル3になると、接客以外でも常に自分の表情を意識してます。
なぜなら彼ら彼女らは舞台で活躍する俳優と女優だからです。(^^)
接客サービスの3原則ができるようになったら最後は魅せる接客を意識させます。常に口角をあげてニコニコ仕事します。
そのためには接客マインドを醸成させるためのOFF-JT研修を行ない、あとは現場でのロープレを愚直に繰り返すだけです。
私の現場経験から言えば、この手順でやればほとんどの店が高いレベルの接客を実現することは可能です。
今回はわかりやすくするためにあえて飲食店向けに書きましたが、接客サービスの3原則は何も飲食店だけではなく、リラクゼーションやエステ、整体、旅館ホテルなどでも応用できます。
ぜひ挑戦してみてください。
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加納 聖士