毎年11月に月刊誌「日経トレンディ」から発表される、「ヒット商品ベスト30」。
私は毎年これが気になっている読者の一人です。
ヒット商品と言われつつ、知ってる!知らない!と、賛否両論だったりもしますが、だいたいはこの1年で話題になったコト・モノですね。
ということで、今日はこのヒット商品を開発する考え方を11個ご紹介します。
その1 自社の強みをマーケットに適合できないか?
ヒット商品が生まれる時というのは、自社の強みをマーケットに適合させることができた時が多いです。
つまり、自社の強みを生かしてマーケットが求めているものを開発できた時です。
ですから、自社の強みを知ることが大事です。
自社の強みを箇条書きしてみましょう。
それができたら3つに絞ってみてください。
この3つが自社の大きな資源です。
その強みを生かして商品価値を高めていきましょう。
その2 市場においてライバルにやられて最も嫌なことは?
経験のある業界で起業することは、成功の確率が高い方法の1つです。その場合に大きな力を発揮する方法が「ライバル化」です。
自分たちの業界のことなら詳しいと思うので、今この業界に参入するのならどうするのかを考えます。
市場においてライバルにやられて最も嫌なことは何か?
自分たちが新規参入者だとしたら、どの商品にどんな特徴を加えるか?
100個、書き出してみましょう。
それが私たちの「やるべきこと」の材料です。
その3 業界の常識を破れないか?
ビジネスが一気に飛躍するのは、「業界の常識」を破ったときが多いです。
たとえば求人支援業界では、求人媒体に掲載すれば採用できようとできまいと、広告費と同じように固定額をもらうのが常識でした。
そんな業界の常識を破って、成功報酬型求人媒体を立ち上げたリブセンスという会社は、一気に顧客の支持を得て成長し、短期間で上場するまでになりました。
顧客は「固定はキツい」と感じていて「成功報酬にしてほしい」というニーズがあったのです。
次に季節によって入場料を変えたのが「はままつフラワーパーク」(静岡県浜松市)です。
これは花の咲き具合によって園の美しさが変動するというのがその理由です。
大人(高校生以上)の入園料は、
- 3月~6月 600円~1000円
- 7月~9月 無料
- 10月~2月 500円
しかも10月~2月は園内で利用できる500円分のお買い物券がつきます。
つまり実質タダ、、、
これにより地方のフラワーパークを年間100万人の集客を誇る人気スポットに変えたのです。
このように業界の常識を破れば、ビジネスは一気に伸びます。
「業界のなかで当たり前だと思われている常識を覆せないか?」と今一度考えてみましょう。
その4 ビジネスの種4つの法則が適応できるか?
たくさんのビジネスの発展の仕方を研究してみますと、ほとんどのビジネスがおおむね同じような方向に発展していきます。
その方向が分かれば「次の手」が読めますので、ビジネスの種を考える上で貴重なガイドラインになります。
次が『ビジネスの種4つの法則』です。
(法則1)簡便化
より簡単にできるように発展していきます。
分かりやすいのはカップヌードルやレトルト食品です。
より簡単に食事ができるという方向に発展した結果です。
あなたの業界で「より簡単にできる」方法はないでしょうか?
(法則2)時間短縮化
より短い時間でできるように発展します。
時間は誰にとっても有限な資源ですから、今まで60分かかったことが30分でできるようになるというのは大きな価値です。
ファーストフードなどは外食産業における「より早く」を追求した形です。
(法則3)満足化
機能的な満足だけでなく、それ以外の満足を満たす方向に発展します。
たとえば、タクシーの機能は移動ですが、いかに快適に移動できるかという方向に動きます。
飛行機のファーストクラスなども同じです。
(法則4)多様化・個人化
人はそれぞれ違った趣向やニーズを持っていますから、それに合わせるように動いています。
商品は多品種になっていき、最終的には個人に合わせたカスタマイズができるようになります。
最近では車などのカスタム化も進んでいます。
その5 商品よりも広いカテゴリーで考えてみると?
商品より「カテゴリー」を先に考えると商品に深みが出てきます。
ここでいうカテゴリーというのは商品そのものより広い範囲の価値を考えることです。
自社を「何屋さん」だと考えるかによって提供するものは変わってきます!
たとえば、スターバックスはコーヒーがメインの商品ではありますが、彼らは自社のカテゴリーをコーヒーショップとはしていません。
「サードプレイス」と考えています。
サードプレイスというのは、人が多くの時間を過ごす家と職場の次の第3の場所という意味です。
このカテゴリーで考えているから、彼らはコーヒーの味だけではなく、店員の接客や店に流れる音楽にもこだわり、無線LANなども導入しているのです。
それらの複合的な価値があるからスターバックスは多くの顧客から支持されているわけです。
すべては「サードプレイス」というカテゴリーを先に考えたことから始まっています。
商品より広い範囲のカテゴリーで考えてみて下さい。
その6 自社の商品をよりわかり易くできないか?
同じ価値なら、わかり易い方が売れます。
つまり、わかり易さだけでも商品力は向上するのです。
下記の計算式でわかる通り、商品力が高くても、わかりにくかったら売れなくなってしまいます。
【商品力】 × 【わかり易さ】 = 【認知された商品力】
100 × 50% = 50 (A)
60 × 100% = 60 (B)
あなたの商品はわかり易いですか?
機能や価値が伝わりやすい構造になっていますか?
顧客から見たときの「わかり易さ」を検証していきましょう。
その7 商品の価値が上手に伝わっているか?
商品の本当の価値は、買って利用してもらうまでわかりにくいものです。
価値を判断しにくければ、購入を決断するのが難しくなって当然です。
価値のある商品でも分かりにくいという理由で売れていないことが実は多いのです!!
ですから逆に、価値を見える化することができたら、大きなアドバンテージを持つことになります。
商品そのものに「価値を伝える力」を付加することを考えてみましょう。
たとえば、ダイソンという掃除機が成功した大きな要因は、吸引したゴミを入れる場所を透明にして、「こんなにもゴミが取れている」ということを見えるようにしたからです。
最初に流通するのは商品ではありません。
商品の価値を伝達する何かです。
あなたの商品の「価値を見える化」する工夫を考えてみましょう。
その8 商品を1分で説明できるか?
- あなたのお客様の困りごとは何か?
- その困りごとの解決方法は?
- その困りごとが解決したら、どんな理想の状態になるか?
この3つをまとめて、1分以内で説明できるような長さの文章を作成しましょう。
文字数にすると300文字です。
人は長々と説明を聞きたくないものです!!
良い商品とは1分で説明できます。
それだけ考え抜かれているからです。
1分間で説明できる台本をつくっておけば、誰でも有効に商品の説明をすることができます。
1分間という短い時間で自社の魅力を語れることが成功要因の一つです。
その9 一度聞いたら忘れないネーミングになっているか?
商品名が変わるだけで売り行きが変わります。
ですから、商品名は徹底的に考えましょう。
広告予算が少なくて商品内容を何度も伝えることができない小さな会社のネーミング戦略はシンプルです。
商品の「説明なしでも機能や価値がわかる」名前にするということです。
たとえば、小林製薬などは「名前=機能」のネーミングがとてもうまいので参考になります。
- 「熱さまシート」
- 「のどぬ~るスプレー」
- 「トイレその後に」
など「覚えやすく、リズム感があり、1秒でわかる」を基本に、いかにわかり易いネーミングにするかが重要会議で議論されるそうです。
1つの商品に対して100個以上の商品名を検討することもあるそうです。
あなたの商品のネーミングは安易に決めていないですか?
その10 適当に売価を決めていないか?
値決めこそ経営!
これは京セラ創業者の稲盛和夫さんが語っていた言葉です。
価格というのは、それくらい重要なのです。
それにも関わらず、多くの起業家は深く考えずに価格を決めてしまいます。
そして経営を危険に晒してしまっています。
値決めというのは「1円あたりの価値」を決めてしまうことですから、値決めによって商品の価値は決まってしまいます!!
では、どのように価格を決定すべきなのか?
その基準は顧客が喜んで払ってくれる最高の金額をつけるべきです。
安売りは小学生にでもできます!
どのくらいの価格が「顧客が買ってくれる最高の金額」なのか?
徹底的に考えてみましょう。
小さな会社におススメなのは「高いから安心だ」という価格、ちょっと高いくらいの価格です。
低い価格で粗利を低くしてしまうと必然的に量を売らないといけなくなります。
量を売るとなると、規模が大きい会社が圧倒的に有利になります。
ですので、小さな会社ほど、低い金額で勝負すべきではないのです。
その11 基本だけど松竹梅商法を取り入れているか?
単一の価格だけでなく「価格帯」をつくることによって本命の商品を売れやすくする工夫も大切です。
これは松竹梅商法と呼ばれていて古くから多くの商人が実践している方法です。
本命商品より安い商品を「お試し商品」として提供すると顧客数が増えます。
また本命より高い商品を提供すると本命商品が安く感じられるようになっておトク感が出ますから売れるようになります。
特に日本人の場合は中央化傾向が強く、3つの選択肢があると真ん中を選ぶ傾向が強くなるので、本命商品が売れやすくなるのです。
あなたの商品における松竹梅商法は設定されていますか?
まとめ
よい商品やサービスが必ずしも売れるわけではなく、ヒットするには何かの仕掛けが必ずありますね。
ユニークな技術から、消費者の心をつかむマーケティングまで、ヒット商品・サービスは本当に奥が深いです。
今回ご紹介した11のアイデア以外にもあると思います。
「多店舗展開を加速させるための30日間のメールセミナー」という無料メールセミナーを開催しています。
30日間で文字量が3万文字と、電子書籍の1冊分のボリュームです。
詳しくはこちら>>>https://tatenpoka.com/wp/lp/30step/
ご興味のある方はこちらのメールセミナーの17分動画をご覧ください。
それでは今日のブログが少しでも役に立ったと思っていただけたら、シェアして応援してください。
よろしくお願いいたします。
10店舗未満の飲食・サービス業の人と仕組みづくりの総合サポート
人と仕組みづくりで多店舗化の壁を突き破る!
店舗ビジネス業界のトップ3%をつくる、5店舗化プロデューサー
加納 聖士