アルバイトが入社後、もっとも辞めやすい時期はいつまでだと思いますか?
それは【入社1ヶ月間】なのです。
これは前職65店舗で調査しましたが、入社1ヶ月以内に辞めていく確率はじつに70%でした。
逆に入社してから3ヶ月以上続けたアルバイトの95%は、その後、特別な理由がない限り1年以上、続けてくれることがわかったのです。
今回は入社90日間の教育方法やその期間のスタッフへの接し方によって、定着率を一気に高めたたノウハウを紹介します。
深刻な人手不足にどう対応するか
景気回復が少しずつ見られますが、アベノミックスの影響もあり、小売業界・外食業界など人手不足に対する危機感が日増しに高まっていますね。
他業界に比べてパート・アルバイトを多く抱えているだけに、いかに人員を確保し、いかに効率的な人材教育ができるか経営課題になりつつあります。
そんな状況ですから、やっとの思いで採用したアルバイトが簡単に辞められてしまったら経営者としてショックが大きいですね。
2~3日は寝込みたいほどです。笑
冒頭で説明した通り、入社後のアルバイトが一番辞めやすい時期は【入社1ヶ月間】です。
それもじつに70%です。
逆に入社してから3ヶ月以上続けたアルバイトの95%は、その後、特別な理由がない限り1年以上続けてくれたので、入社90日間の教育方法やその期間のスタッフへの接し方が、定着率を高めていくためにきわめて重要なことだと気付いたのです。
出口調査でわかったこと
私は恥を忍んで1ヶ月以内に辞めていったアルバイトたちに、今後いいお店を作っていくために「なぜ辞めたのか?」を聞かせてほしいとお願いしました。
そのときのTOP5がこれです。
- 店長や働いている人たちの雰囲気が悪い
- 何も教えてくれないのに、ミスして先輩スタッフに怒られた
- 自己成長できる職場環境ではなかった
- 仕事内容に興味を持てなかった
- 求人募集に記載されていた内容と、実際の仕事内容・条件が違っていた
1は本部としてコントロールできませんが、2、3、4、5に関しては仕組みにすることができると思いました。
そこで私はこの5つの解決に向けて、面接 → オリエン → 3ヶ月間の初期教育を、体系化していくことにしたのです。
ここでいう体系化とは、個々の店長のもっている知識・情報・経験をすべて洗い出し、何をしたらうまくいき、何をしたら失敗するのかを言語化してまとめることです。
再現性と言語化は仕組みづくりの肝となる
言語化は皆さんが思っている以上に仕組み化するとき重要なキーワードになります。
なぜそこまで重要か?といいますと、【言語化】とは【抽象化する力】だからです。
抽象化能力とは思考の深度のことです。
言語化すればイメージが強化されます。
なぜなら頭の中で考えていなければ、文字に表すことができないからです。
書いた文字は思考の現れなのです。
そして、思考の量と文字数は正比例します。
たくさん考えている人は、たくさん書けますし、あまり考えていない人は、少ししか書けません。
イメージが具体的かつ鮮明になっているかどうかは、文章にしてみれば一目瞭然でわかります。
ですから社内の成功ノウハウを第三者が見ても具体的にイメージできるようにするには言語化の質と量を高めなければならないのです。
この重要性を事前に店長たちに説明したうえで、言語化する作業をすすめてください。
言語化したノウハウをツールにする
次に言語化したノウハウをツール(道具)に落とし込みます。
私が作ったツールは、
- 電話応募者 対応マニュアル → 応募者から電話がかかってきたときの対応マニュアル
- 面接シート → 応募者に対して何をどの順番で聞き、最低限伝えるシート
- オリエン資料 → 教え漏れを防ぐために、入社初日に伝える内容
- 初期教育カリキュラム表 → 入社3ヶ月間をどの順番で教えていくのかを決めたもの
の4つです。
そしてさらに新人アルバイトが入社したら、最初からウエルカム感を出すために入社初日にやることを5つ決めました。
その5つは、
- 採用したアルバイトの名前、いつ初日出勤かを従業員全員に伝達(掲示しておく)
- シフト表などに新人スタッフの氏名を入れておく
- 更衣室やロッカーがあればネームを入れておく
- ウエルカムボードを用意する
- トレーナーとなる人を決める。本人に話をする
などです。
このほかに入社1ヶ月間は他のメンバーたちと最短で関係性を築くために新人スタッフの退勤時間と、お店のなかで面倒見のいいスタッフの退勤時間を意図的に合わせ、新人さんをすぐに帰らせるのではなく、15分ほどコミュニケーションを取ってから帰らせるようにしました。
これらを各店で徹底させることによって、入社1ヶ月以内に辞めていくアルバイトがみるみる減っていったのです。
最終的にどのくらい減ったと思いますか?
驚くかも知れませんが、これだけで70%から10%まで軽減したのです。
このように入社90日間の教育を仕組み化・体系化したことにより、どの店舗に配属されても、どの店長に教わっても、そこそこのレベルまで育成できるようになりました。
まとめ
仕組み化というと現場の作業量が増え、大変そうなイメージがありますが、一度仕組みを構築してしまえば、現場の負担を半減させることができます。
たとえば今まで二重で教えていた時間が削除できたり、定着率があがることにより新人スタッフを教育する時間が減ったり、さらに同じツールを使うことによって、店長がいなくても、アルバイトでも教育することができるようになるからです。
そして仕組み化するときに非常に重要になるキーワードが【再現性】です。
再現性とは、いつ、どこで、誰が教えても同じような成果を出せることです。
私は入社90日間の教育を仕組み化するときに一番注意したことがこの【再現性】です。
ですから、とにかくシンプルにわかりやすく、継続しやすいものにしたのです。
ぜひ皆さんも挑戦してみてください。
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