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ポジショニングとは市場の空白に狙いを定めること

ポジショニングとは市場の空白に狙いを定めること

最近、ポジショニングの重要性が叫ばれています。
ポジショニングとは自社が市場で、どの様な立場( ポジション)で競合他社と競争するかを決めることです。

今回は、ポジショニングについての概要をまとめてみました。

2つの価値

価値には「2つの価値」があります。

  1. 絶対的価値
  2. 相対的価値

絶対的価値は、他社が取って代わることの出来ない、自社の絶対的な価値のことです。

絶対的価値

一方、相対的価値とは「他人との競争に勝つこと」によって生じる価値のことです。

商品開発時は絶対的価値にとらわれがちですが、どれだけ価値のある商品をつくっても同じものを競合他社が持っていたら価値は激減します。

私たちが選ばれる価値は「2つの価値」のカケ算で決まります!
ですから、相対的価値も忘れずに開発を進めなければならないのです。

相対的価値を高めるために有効なのがポジショニングです。

ポジショニングとはと市場における自社の存在位置を徹底的に考えることです!

多くの競合他社が存在する市場において自社商品の「相対的価値」を把握し、それを生み出していく活動です。

何千社ものビジネスを研究してきましたが、優れたビジネスはポジショニングが徹底的に考えられています。
市場における自社の「存在位置」を徹底的に考えて商品をつくりましょう。

価値は「相対的」に決まってしまう

よほどユニークな存在でない限り、たいてい競合関係は存在します。

そして、それら競合他社との関係によって自社の相対的な価値は決まります。

商品価値は絶対的価値×相対的価値で決まりますから、相対的価値が低いと、絶対的価値の高い商品を開発しても、全体の商品価値は低くなってしまいます。
ですから常に相対的な位置を把握することが重要なのです。

2つの環境を想像してみて下さい。

1つ目は、水が容易に手に入り多くの提供者がいる普段私たちが生活している環境。
2つ目は、容易に水が手に入らず提供者もいない砂漠の真ん中という環境です。

1つ目の環境にいる時、私たちは100円程度で水を買うことができます。
水に溢れた日本という国で競合他社も多いからです。

2つ目の環境であればどうでしょう?

砂漠の真ん中

他に選択肢はなく、水を飲まないと死んでしまいますから1万円でも10万円でも買ってしますのです。
この状態が「お客様から買わせて下さい」です!

同じモノでも環境によって相対的価値は大きく変わるということです。

ポジショニングが確立すると幸せな経営ができる

私は経営の究極のゴールは幸福であり、良い経営とは関わるすべての人を幸せにする仕組みだと思います。

ですからどうすれば幸福追求型の経営を実践できるのか?を自問しながら、経営してきました。
そこで分かったことは、幸福を追求するのであれば戦ってはいけないということです。

孫子の兵法の最善策は戦わずして勝つことです。

孫子 戦わずして勝つ


つまり最大の戦略とは戦いを略す(はぶく)ことなのです。

経営をする時、多くの起業家は戦ってしまいます。
でも戦う必要はないのです。

戦わずに経営がうまくいく方法があるのであれば、それが優れた方法ですし、実際、小さくても強くて存在感のある会社は戦わない経営を実践しています。

「戦わない経営」を実践するには、「ポジショニング」によって競合との戦いを少なくすることです。
戦いが少なければ少ないほどストレスが少ない幸福な経営ができます。

ポジショニングの効果

競争相手が少ない場所でビジネスできると「5つの効果」が期待できます。

  1. 価格決定権がある
  2. 収益性が高い
  3. 安定する
  4. 継続率が高い
  5. ストレスの少ない経営ができる

どれも経営者視点で考えると素晴らしい効果です。

このなかでも最も重大なのは【1】の価格決定権があるということです。
価格決定権があるから収益性は高くなり、事業が安定して経営の継続率が高くなるからです!

同じ価値を有する競合他社が存在すれば、顧客には選択肢ができます。

そうなると、後は価格だけの勝負になってしまい、競合より高い価格を設定することは難しくなります。

ポジショニングの説明

競合が多くいれば、価格決定権はなくなり、他社と同じような価格設定に甘んじるか、もしくは競合間で優位性を持とうとすると、価格を下げるしかありません。
こうなると大手の資本力と技術力には太刀打ちできなくなります。

価格決定権があるかないかで、経営は180度変わってしまいます。

そして、その価格決定権の有無を決める最大の要因が競争関係の有無なのです。
市場における自社の存在位置を徹底的に考えてみることです。

ポジショニング・マップ

ポジショニングは市場における自社の相対的な位置づけの「見える化」です。

そこでポジショニング・マップを活用して競合の少ないポジションを探していきます。

物体ではない市場という存在を正確に「見える化」するのは容易ではありませんが、簡易的に見える化できるのがポジショニング・マップです。

酒のポジショニング

ポジショニング・マップはこのように縦と横の「2つの軸」を使って市場の状態を表現する方法です。
顧客が商品を選ぶときの理由を軸にします。

たとえば価格の高い・安いや、機能や効果がどうか(例えば健康志向、安全性など)を示します。
このマップ上に市場に参入している商品や会社の位置を書いていきます。

このようにして「見える化」した上で、市場の空白の部分(空いているポジション)にあなたの商品を導入するのです!

成功している会社は市場の空いている場所に参入して、競合の少ない場所でビジネスを行っています。

あなたの業態における顧客の購買理由は何ですか?
それらを軸にして、自社と競合のポジションを「見える化」しましょう。

そして今のポジションが激戦区ならば、ポジションを動かすことです。

戦略とは戦いを略すことです。
小さな会社は戦ってはいけません。

リ・ポジショニング

私たちが商売をする上で絶対に覚悟すべきことがあります。
それは価値は必ず劣化するという事実です。

私たち経営者にとっては厳しい事実ではありますが、この事実を変えることはできません。

価値が劣化する大きな理由は2つあります。

一つ目は顧客は飽きるということです。

皆さんも経験されたことがあると思いますが、商品に絶対的な価値があっても、それを何度も利用し続けると感覚的な価値は低下していく傾向にあります。

好きなものを食べるにしても、今日も明日も明後日も同じものだったらどうでしょうか?
高い価値を感じ続けることはできるでしょうか?

残念ながら私たちは飽きてしまうのです。
あなたの顧客も同じことです。
つまり、時間の経過と共に絶対的価値も劣化してしまう可能性が高いということです。

二つ目の理由は競合が増えるということです。
これは分かりやすいです。

あなたが展開しているビジネスが良いビジネスであればあるほど真似をするフォロワーは増えます。
その結果、相対的な価値は下がっていくのです。

このような現実があるので、一度築いたポジションも安泰ではありません。
ですから、競合が少ない場所にポジションを少しずつ変えていくのです。

ポジショニングマップ

これをリ・ポジショニングと言います。

成功し続けているセブンイレブンやユニクロは、そうやって常に自分の居場所の「微調節」を行っています。

大変なことのように感じるかもしれませんが、価値が劣化するという厳しい現実があるからこそ市場にはチャンスが生まれるのです。
つまり起業家や小さな会社にとって、新規に参入する場所が生まれ続けるわけです。

あなたの業態の10年前のポジショニング・マップを作ってから、5年前、3年前、そして現在と見えていけば市場の流れがよくわかります。そして未来を先読みした上で、業態開発をしていけばいいのです!

価値は必ず劣化する
忘れないでください。

ユニークなポジションを開発せよ

たとえばあなたが焼き鳥屋を開業するとしたら、どんな焼き鳥屋で開業しますか?

想定条件として、場所は決まっていて、道を挟んだ目の前には普通の焼き鳥屋が存在すると仮定しましょう。
ですから、少し異なったポジションで開業できないか考えてみることです。

たとえば、焼き鳥屋でいう「普通」とは何でしょうか?

  • 顧客の多くは男性
  • それも40~50代のサラリーマンに支持される
  • 平均的な串の価格は150円

など・・・書き出せるだけ書き出していきます。

焼き鳥屋

そしてここから3つの方法を使ってユニークさを見つけていきます。

まずは反対にしてみます。

焼き鳥屋の場合は、男性中心だったら女性中心にするにはどうするかとか、40代~50代のサラリーマン中心だったのを20代~30代に受け入れられるにはどうするかとか、女性お一人様でも入店しやすくするためにはとか、あとは思い切って串価格を平均300円にして顧客に安いと言わせるにはどうするか、など、あえて反対にしてみるのです。

次にポジションを小さくしてみます。

焼き鳥屋の例では、顧客を女性に限定してしまうとかです。さらにここからさらに絞込み、20代の女性専用の焼き鳥屋というポジションにすることにより、競合店の少ない唯一無二のポジションが生まれます。
アパレルでも様々なジャンルを総合的に扱うのではなく「下着だけ」とか、さらに男性用の下着だけに絞っていくとユニークが生まれます。

最後がA+Bの意外の組み合わせです。

平均的なものでも、別の意外な何かを組み合わせることでユニークなポジションをつくることができます。
焼き鳥屋の例で考えますと、先ほどあげた焼き鳥+女性の組み合わせや焼き鳥+白ワインという組み合わせも意外性があります。

今の世の中には様々な業種業態が溢れかえっています。

これらを単語カードに書いて、いろいろ組み合わせみるのです。
「この業界に参入するとしたらこうするな」というのを常に考えていくのです。

優秀な起業家は常にそうやって考える癖をもっています。

それではあなたの業界でユニークなポジションを開発してみてください。

まとめ

ポジショニングとはターゲットとする市場で競合他社の戦略を分析することです。

そして、競合他社が存在していなくて、かつ自社の経営資源が十二分に活かせるポジションを発見して、独自性や差別性を発揮してビジネスを成功に導いていく手法です。

ビジネスは無競争エリアを探すのが成功のポイントです。

ポジショニングを普段から使い業界分析する癖をつけましょう。


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加納 聖士