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多店舗展開を実現させる人の育て方

多店舗展開を実現させる人の育て方

多店舗展開を実現させる人の育て方

突然ですがこんなことで、お困りではないですか?

  • これから3店舗を出そうと思っているが、任せられる人がいない
  • 自分がいないと店が回らない
  • スタッフの入れ替わりが多くて、スタッフによって作業レベルにバラツキがある
  • 料理の味にバラツキがあるというクレームをいただく
  • 自分が事業に組み込まれていて、経営者らしい仕事ができない
  • 会議やミーティングをしても社員からの意見が少ない
  • 社員とアルバイトが定着しない

このような悩みは一見たくさんあるように見えますが、実は解決すべき問題は二つです。
その根源にあるものさえ解決すれば、すべて連鎖して解決します!

ではその根源にあるものは何でしょうか?

今回はその根源を現場で身につける人財教育のやり方を説明していきます。

経営の根幹は、「人づくり」と「仕組みづくり」

先ほど挙げさせてもらったような問題は「人づくり」と「仕組みづくり」が出来ていなから起こります。

つまり規模の大きさは関係なしに経営の根幹は、「人づくり」と「仕組みづくり」になります。
そしてこの二つさえ解決すれば、あらゆる悩みは連鎖して解決していきます。

なぜこれだけ強く言い切れるかといいますと、すべての企業で共通する壁だからです。

多店舗化を実現しようと思ったとき、まず最初に苦しめられるのは経営者の体は一つしかないことです。

つまり“分身の術”を使えないかぎり、物理的に把握できないコトやモノが増えます。

だから自分以外に任せられる人材を育てるか、自分がいなくても回る仕組みを作るか、のどちらしかありません。

だからほとんどの中小企業の経営者はこれができなくて3店舗未満の出店で終わってしまうのです。

1店舗の壁はアルバイトに仕事を任せることができなかった

実は私もこんな偉そうなことを言っても、同じ壁を越えられなくて苦しんできました。

20年前、私は飲食店の店長をしていました。
月商700万円ほどのお店を社員は私一人だけで回していました。

店は年中無休で営業していましたので自分の休みは代わりの社員が来るのではなく、アルバイトでお店を回します。

そのころ苦しんだ私の悩みはアルバイトにお店を任せることができなかったことです。

だから休めるのに休みませんでした。
結局アルバイトにお店を任せようと決意するまで2年かかりました。

その間、お店に出っぱなしです。笑

2店舗の壁は両方のお店の店長をしようとした

次に壁は2店舗を統括するエリアマネージャーになったときです。

2店舗で社員は私を入れて2人。
一人ははじめてできた部下の店長です。

このときの失敗は、業績をあげたい一心から無意識に二つのお店に店長をしてしまったことです。

統括店舗のアルバイトにまで、店長を通さず直接指示を出したり注意したりしまいました。
これでは部下の店長の立場がありませんね。

部下との関係に悩む

この状況でしたがなんとか自分が頑張ることで業績を作ることができました。

しかし当然、部下と信頼関係は作れませんでした。
そして私が上司だったせいで彼の能力を伸ばすことができませんでした。

いま思えば彼に本当に悪いことをしてしまったと反省しています。

3店舗からマンパワーで統括できなくなった

しかし3店舗を統括したときにはじめてこのスタイルに限界を感じました。

均等にお店をまわっているつもりでも、3店舗の起きていることを把握することができなくなりました。
すべてが中途ハンパになってきたのです。

一つのお店がよくなっても、もう一つがダメになる。
その立て直しに入ってそのお店を良くしたら、最初のお店がダメになる、の繰り返しです。

このときに直感的に感じたことが、自分以外に任せられる人材を育てるか、自分がいなくても回る仕組みを作らないと、これ以上のキャリアUPはできないということでした。

65店舗中、50店舗が社員1名体制でお店を運営する

私の前職は65店舗の飲食・サービス業店舗を運営する会社にいますが、その3/4の店舗が社員1名=店長1名体制で運営していました。

だからアルバイトを経営に参加させないと売上はあげられません。
そして社員の休みの大半はアルバイトが代行しています。

このような環境で20年以上、現場の店長から取締役までやってきたからこそ、従業員のモチベーションのあげ、自主性を身につける人材教育をしていかないと経営することができませんでした。

この経験をしてきたからこそ、店を任せる「人づくり」と、アルバイトでも店を回せる「仕組みづくり」のプロになったと思います。

現在はこのノウハウをもとにクライアント先でも試していますが、同じ成果が現れています。
そのため再現性の高いノウハウなのです。

従業員教育は自主性を身につけさせること

従業員教育のやり方は会社によって実にさまざまです。
もちろん正解はありません。

私は社員1名=店長1名という環境のなかで身を置いてきましたので、従業員教育はどうすれば短期間で自主性を身につけさせ、高いモチベーションを維持させられるがテーマでした。

そこで質問しますが、みなさんのお店で新しいアルバイトが入社したら何から教えますか?

新しいアルバイトの育成

大手飲食店のホールスタッフなら接客基本8大用語から教えて、その後、お辞儀の仕方やトレンチの持ち方などを教えると思います。そのあとはそれぞれの接客シーンにおいての対応でしょうか。

しかしこれだけですと「作業」はできるようになっても、お客様を感動させる「仕事」にさせることができませんでした。

つまり現場で失敗しながら学んだことは、知識やテクニックだけを部下に教え込んでも彼らのマインドは変わらないということです。

そこで初期教育で教えることは、

  • お客様を本気で喜ばしたい
  • 人様のお役に立ちたい
  • お店のために貢献したい
  • 仲間のために貢献したい
  • 自分も心から感動したい
  • 夢を追いかけたい

など、想いやあり方を教えることです。

そしてこの想いの部分をできるだけ早く、そして魂が揺れ動くほどの感動を与えないと、部下の心のスイッチが入れられないことがわかりました。

つまり、人財教育に大切なことは知識や技術を教えるまえに「心のあり方」を最初に教えることが対峙です。

何のためにという目的、Whyが大事

私は何のために生きるのか、何のために仕事するのかを社員やアルバイトに多くの時間をとってそれぞれに考えさせます。

なぜなら目標ではなく、何のためにという目的、Whyが大事だからです。

だから初期教育ではテクニックや手法などの「末学」を教えるのではなく、人としてどう生きるかという「本学」、つまり人間学を教えています。
「本末転倒」という言葉があるように、重要なことは“人間学”で、“知識や技術”が上になるとうまくいきませんでした。

吉田松陰の松下村塾をはじめ幕末あれだけ多くのバラエティーに富んだ人材を輩出できた理由は、幼児期から10歳くらいまでの間に寺小屋で「読み書きそろばん」と共に、徹底して人間教育がおこなわれてきたからです。

その後10歳(小学校4年生)くらいから子供たちの習熟度や個性に合わせて、儒学、武道、兵法、礼法、歴史、偉人伝などを教えました。
私はこの本学と末学のことを知ってから入社した社員にもアルバイトにも最初に教えるのが人間学です。

アルバイトの育成

人間学とは何かをわかりやすく説明しますと、

  • 仕事に誇りを持ちなさい
  • 働く仲間やお客様の役に立てる人になりなさい
  • 働く仲間やお客様に迷惑をかけてはいけません
  • しっかり夢(志)を持って名をあげられる人になりなさい
  • 親を大事にしなさい
  • 先祖を敬いなさい
  • 権利を主張するだけの人間になってはいけない、義務をはたしなさい
  • 感謝の心を生涯持ち続けなさい
  • 教えてくださいという人生観を身につけなさい
  • 素直であり続けなさい

などの徳目です。これらを以下のようなに教えます。

「仕事に誇りを持ちなさい。なぜなら〇〇だから」
「働く仲間やお客様の役に立てる人になりなさい。なぜなら〇〇だから」

この、なぜなら〇〇だからの、〇〇を映像や偉人の言葉、過去の成功者の事例から説明して、アルバイトたちに心底納得させるように努めてきました。

教育とは、炎を燃え上がらせることで、入れ物を満たすことではない、のです。

想いは常に手法の上流にあり

すべては想いが先行します。

想いは常に手法の上流にあり
人生は心ひとつの置き処

従業員教育においても人生にとっても、これが大事です。

つまり大切なのは気持ちです。
手法は後からいくらでも考え出せます。

しかし気持ちだけは自分で変えるしかありません。
自分の気持ちは自分にしか変えられません。

だから手法や戦略、戦術の前に、やる気というマインド教育が必要なのです。

働く人のマインドを変えていくには手順がある

従業員のモチベーションのあげながら、自主性を身につけさせるには正しい手順があります。
なんでもそうだと思いますが、物事を修得するのには、手順1、2、3、4、、、という形があるのです。

みなさんもこの手順を意識しながらオリエンテーションを組立てみてください。

  1. まずは心の環境を整えるために感動映像を見せます。なぜなら心が冷めきっている状態で教えても、心が欲していないので入っていかないからです。
  2. 次に何のために働くのか?という本質を考えるための映像を見せます。とくに若い人はこのテーマを真剣に考えたことがありません。自分が何のためにこの仕事をしているかという軸を持つと一気にその子の才能を開花させることができます。
  3. 人を喜ばしたいという感情が出てきたところで「魂をゆさぶる接客映像」を見せます。すると、ほとんどのアルバイトがお客様を喜ばせたい、感動させたい、そのためにはどうしたらいいのだろうと強く思います。
  4. お客様を喜ばせたいという想いが出てきてはじめて接客サービスを手とり足とり指導していきます。やり方は山本五十六の「やってみせ、言って聞かせて、させてみて、ほめてやらねば、人は動かじ」のロールプレイを愚直に繰り返すことです。
  5. そして最後は「店に魅力は働く人の魅力だ」という話をしながら「本学」が大事だという話をします。本学は人としてどういきるかという人間学なので、仕事を通じてどう人間性を高めるか、いまこの瞬間をどう生きるか、そして会社の夢と個人の夢にどう繋げるか、ということを順に考えさせます。
  6. 最後に人間力と接客力を身につけたら、どんな人生を送れるのかイメージさせます。人間にはカラーイメージできたものは実現させる力があるからです。

このような手順でスタッフ教育をしていきますと、やがて店長やスタッフのほうからお客様を喜ばせるために「ああしたい、こうしたい」ということを提案してきてくれるようになります。

研修最初の動画はアイスブレイクもかねてこの動画

いまの若者アルバイトスタッフに先ほどの人間学を教えるとき、最初に受け入れてもらえる心の環境をつくることです。

「心の環境を整える」には最初に感動する動画などを見せることです。
若い世代になればなるほど、ビジュアルで伝えるのが早いです。

何本か紹介します。

最初に見てもらいたいのが「我武者羅應援團」の『人生の醍醐味』という映像です。
我武者羅應援團とは「気合と本気の応援で世界を熱くする」という志のもと2007年結成された応援団です。

AKB48選抜総選挙での応援をはじめNHK紅白歌合戦、CM「パズドラ」「ブックオフ」等にも出たことがあるので知っている人は知っていると思います。

その我武者羅應援團が長野県にある上田情報ビジネス専門学校の学生の応援に行った様子がこちらです。

私がこの映像をはじめてみたとき、自分が中学生のころ部活から逃げ出したことや、今からでもやり直したいことを思い出し、最後には号泣していました。人間学研修などを始める前に『我武者羅應援團』の映像を見せてからはじめると、いい雰囲気で研修を進められると思います。

何のために働くのかを掘り下げる

次に『何のために働くのか?』ということを深く掘り下げていきます。

この質問を若いアルバイトに問うと、たいていの人が『生活のため』と回答します。
もちろん間違っていません。

ただし『生活のため』だといい仕事ができないのです。

たとえば皆さんが子供の親だとしたら、どちらの先生のわが子をあずけたいですか?

「生活のために教師をしている先生」VS「社会の役に立つ人財を育てようとしている先生」

価値が同じであれば、生活のために教師をしている先生にわが子をあずけたいと思う人は少ないと思います。

このことを考えてもらうときに見せる動画がこちらです。

この動画は木下晴弘さんの著書「涙の数だけ大きくなれる!」 で紹介 されている「レジ打ちの女性」です。

次に福島正伸さんの著書『どんな仕事も楽しくなる3つの物語』で紹介されている「人であふれた駐車場」です。

これら動画を見たあとに、一人ひとりに「何のために働くのか?」というテーマで考えさせます。
そして10分ほど時間をとって自分の考えを思いつくままにノートに書かせていきます。

研修に時間に余裕があるときはこの神風特攻隊の動画も見せます。

この動画が見せる狙いは、

  • ひとつの歴史の舞台から生きることの大切さを学ぶ
  • 当たり前という日常に感謝する心を抱かせる
  • 他人のために己を尽くすという犠牲的奉仕の精神を教える
  • 何のために生きるのか、何のために働くのかという人生の真の意義に気づく

これらを感じてもらうためです。

若いころはとくに仕事を選ぶときに何をするか」などやり方ばかりに意識を向けがちですが「どんな心構えで、どんな思いで、何のためにするのか」というあり方こそが大切です。

この軸がブレると、いい仕事はできません。

接客マインドを醸成させるキッカケも動画を使う

人間は社会的な動物のため、自分でも気がつかないうちに、社会的に成長しなければ、自分の気持ちが満たされません。

だから教育では、それぞれが持っている自己実現の欲求にそっと火をつけ、心のあり方を教えてあげることが大切です。

私も20代のころまでテクニックや技術ばかりをアルバイトスタッフに教えていました。
だから心のないお辞儀や、心のない「ありがとうございました」になってしまったのです。

彼らは時給のために、私に怒られたくないために仕事をしているので、マニュアル以上のことはできません。

そこで本格的な接客指導に入る前に見せているのが、ディズニーのお子様ランチです。

この映像を見終わったあとに、グループデスカッションをします。

テーマは「なぜ心を動かされたのか」について話し合わせます。
このとき、スタッフの表情を観察してください。
みんないい表情になっていると思います。

またグループデスカッションの最後にグループで出た意見を代表者に発表してもらいます。

答えにグループによってさまざまですが大抵は、「相手の立場に立って行動することのよさ」に気付き、「思いやりの心をもって勤務していこう」という意見になります。

これらのマインド教育が終わってから接客シーンごと研修に入ります。

まとめ

私はこのような人財教育の仕組みを作るまで、接客マニュアルの穴埋めテストをさせたり、お辞儀の訓練をさせたり、形ばかりを教えてきました。

それも出来るまでやらせていたので、完全にいま流行りのパワハラです。笑

その結果、働くスタッフは楽しく仕事できないし、店内の笑顔がなくなるし、売上が下がるし、人が大勢辞めていくなど、私自身もスタッフも仕事がつまらない時期がありました。

楽しく働くスタッフ

そして30代前半で社外研修に5日間参加させてもらったことがキッカケで「人づくり」と「仕組みづくり」の大切さにはじめて気がついたのです。

働くスタッフが、能動的に心よりお客様を喜ばせたい、と思うにはどうしたらいいか、ここをゴールにしてから私と組織が劇的にかわりました。

皆さんのなかで昔の私のような指導方法をしているなら、変わるのは今だと思います。


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10店舗未満の飲食・サービス業の人と仕組みづくりの総合サポート
人と仕組みづくりで多店舗化の壁を突き破る!

店舗ビジネス業界のトップ3%をつくる、5店舗化プロデューサー
加納 聖士

小売業界・外食業界など人手不足解消のヒントはハーズバーグの二要因理論にある

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小売業界・外食業界など人手不足解消のヒントはハーズバーグの二要因理論にある

景気回復が少しずつ見られるなか、小売業界・外食業界など人手不足に対する危機感か日増しに高まっています。

他業界に比べてパート・アルバイトを多く抱えているだけに、人員をいかに確保し効率的な店舗運営ができるかが経営課題になりつつあります。

そこでやっとの思いで採用した人材を簡単に辞められてしまったら経営者としてショックが大きいです。
そこで今回はパート・アルバイトをいかに定着させていったらよいのか「ハーズバーグの二要因理論」を持って説明してみたいです。

ハーズバーグの二要因理論

このハーズバーグの二要因理論とは、アメリカの臨床心理学者、フレデリック・ハーズバーグが提唱した職務満足および職務不満足を引き起こす要因に関する理論のことです。

人間には2種類の欲求があります。

一つは苦痛を避けようとする動物的な欲求、もう一つが心理的に成長しようとする人間的欲求です

ハーズバーグのこの理論によりますと、スタッフを定着させるためにいくら苦痛を避けようとする動物的な欲求を高めても、不満足感が減るだけで、積極的な満足感を増やすことはできないということです。

ハーズバーグ理論 グラフ

では実際の仕事における5つの不満足的な要素をみていきましょう。

  • 「会社の方針」(理念やビジョン)
  • 「監督者」(店長)
  • 「給与面」(時給)
  • 「対人関係」(お店での人間関係)
  • 「労働条件」(暑い寒いなどの環境)などです。

この理論が正しいとしますと、たとえ時給をあげたとしても、不満足感は少しは減りますが、これによってスタッフのやる気を増やすことはできないのです

とは言っても上記のことが不足しますと当然、職場での満足を引き起こします。

ここを勘違いして、会社のお金を使い、時給をあげたり労働条件を良くしてもアルバイトは定着しないのです。
つまり、これらを改善することは単なる不満足を予防する程度しか意味を持たないのです。

スタッフを定着させたいのなら動機付け要因を増やすこと

ではどうすれば部下のやる気が高まるのでしょうか?

それには以下の5つのことが必要です。

  • 「達成感」(目標を持たせ達成感を味わらせること)
  • 「承認」(成果を上司が積極的に認めてあげること)
  • 「仕事そのもの」(その仕事がいかに社会に役立っているかということ)
  • 「責任」(重要な仕事だということを伝えること)
  • 「昇進」(いろいろなポジションを作って上下関係をはっきりさせること)などです。

これらが満たされることによりはじめて人は満足感を得るのです。

つまり繰り返しますが、これら5つを改善しないで時給だけUPしても、人は定着していかないということです。

動機づけ要因と衛生要因

これらのことによりパート・アルバイトへの仕事の権限委譲はとても効果的なのです!

「達成感」や「承認」の欲求は現場でこう使う

「達成感」や「承認」の欲求に対しての具体的なやり方は、個別面談してスタッフ自身に目標を立てさせることです。

私の経験では2ヶ月に一回のサイクルで、アルバイト評価表などを使い実施するのがいいと思います。

そのときに、何を期待しているのか?
これからどう行動してもらいたいのか、をしっかり話してスタッフ自身に目標を立ててもらいます

そして2ヶ月後の面談でしっかり出来たところを具体的に褒めてあげれば、スタッフは達成感を得られますし、上司から認められたという欲求も満たされます。

仕事そのものの欲求は現場でこう使う

私は飲食の現場で長く努めてきました。

飲食店をすばらしい職業だということを高校生のアルバイトに説明するときはこのような話をしました。

通常の居酒屋で言えば、お客様3名様でご来店されると、僕たち従業員がそのテーブルに関われる回数は20回ほどだと思う。

接客サービス画像

20回も関わるとたいていドラマが生まれるよ。
それは人と人とのふれあいがあるからだよ。

『人は人間性を高めるために仕事をすると僕は思っている』

人間性を高めるには、自分以外の人の喜びを自分の喜びとして、自分以外の人の悲しみを自分の悲しみとすることだと思うよ。
サービスとはそのサービスをする人そのものの優しさとか、思いやりが表現されたものなんだよ

あくまでも自分がして欲しいと思うことをして差し上げて、して欲しくないことをしないこと。

テーブルサービスでは、目の前に喜んだり、クレームを持ったりする人がいるよね。
この目の前の人との向き合いが、人間性の向上には非常に大切であり、手早い「修行の場」なんだよ

一つひとつの出会いが「温かく」「ふんわりした」「柔らかい気持ち」にさせるものであることを願っているよ。
一つひとつの出会いがみんなの成長のキッカケになることを願っている。

働いてくれる仲間が、限りある二度と帰らない時間というものを使ってくれているから、僕ら社員はお金に替えられないものを君たちに渡したいんだ

このような話をすると、スタッフは目が輝かせて「店長、頑張ります!」って言って、いきいき働くてくれます。

今している仕事には尊い価値があることをしっかり伝えてあげる必要があります。

責任ある仕事をさせると人の欲求が高まる

アルバイトは社員と違って責任感がないという人もいます。
そしてアルバイトのなかでも責任のある仕事をしたくないから社員になりたくないという人もいます。

しかし私の経験では人は責任ある仕事をさせた方が間違いなく輝きます

なぜなら一人ひとりがかけ替えのない、それぞれの人生の主人公だからです
だから人は自ら考え、行動するときに元気になるのです

顧客感動を生み続けるリッツ・カールトンにはエンパワーメント(権限委譲)という仕組みがあります

どの従業員にも以下の3つの権利が認められているのです。

  • 上司の判断を仰がずに自分の判断で行動できる
  • セクションの壁を超えて仕事を手伝うときは、自分の通常業務を離れることができる
  • 1日2000ドル(約20万円)までの決裁権が与えられている

このエンパワーメントですが、現場のスタッフにはとてもありがたいものです。

たとえばお客様にお花をプレゼントしたいが、あとで経費として認められなかったらどうしよう・・・
そんな心配があるうちは、従業員としても思い切った発想ができません。

2000ドルの決裁権などエンパワーメントの仕組みができているからこそ、サービスを超えた最高のおもてなしを実現できるのです

ディズニーランドの全キャストも、責任感と誇りを持っている

ディズニーテーマパークには、「SCSE」という行動基準があります。

それは「Safety(安全)」「Courtesy(礼儀正しさ)」「Show(ショー)」「Efficiency(効率)」の頭文字をとったものです。

全キャストにとって、ゲストに最高のおもてなしを提供するための判断や行動のよりどころとなる考え方で、「SCSE」の並び順がそのまま行動の優先順位となっています。

東日本大震災の発生時のディズニーランドキャストの対応はすごかったです!

細かな行動マニュアルは無いようですが、行動基準により方向性が定められているため、自分で考えて行動することが出来たのです
今回の震災対応で、この考え方で行動したキャストの見事な対応を見てみましょう。

商品のぬいぐるみが「防災グッズ」?

アルバイト歴5年のキャストのAさんは、店舗で販売用に置いていたぬいぐるみの「ダッフィー」を持ち出して、お客様に「これで頭を守ってください」と言って渡したそうです。

彼女は会社から、お客様の安全確保のためには、園内の使えるものは何でも使ってよいと聞いていました。
そこで、ぬいぐるみを防災ずきん代わりにしようと考えたというのです。
(この様子は、外人ゲストが撮影した投稿動画にも映っていました。)

お土産商品が被災食

Bさんは「必ずみなさんにお配りしますから、その場でお立ちにならないでお待ちください」と声を掛けながら、店舗で販売していたクッキーやチョコレートを無料で配り始めたそうです。

それは、お客様から配ってくださいと言われたわけではないのですが、時間が経って自分でもお腹が減ってきていたし、ゲストのみなさんはもっとお腹が減っているだろうと思っての行動です。

ディズニーランド ミッキーマウスとゲスト

「夢」より「安全」

Cさんは、当日の夕方以降、雨交じりで気温が10度と冷え込んできたため、お土産用のビニール袋や青いゴミ袋、そして段ボールまで引っ張り出してきて「これをかぶって寒さをしのいでください」と言いながら配りました。

段ボールなど、普段なら『夢の王国』にあってはならないものです
しかし、ゲストの身の安全を確保するためなら何でもしようと考えて行動したのです。

「昇進」の機会を意図的につくることによって欲求を高める

最後は「昇進」についてです。

これはランクによって時給UPしていく仕組みと、時給とは連動しませんが、がんばっているスタッフに昇進とともに、キャップの色を変えたり、名札の色を変えたり、シャツやバンダナの色を変える方法があります。

人間は自分が他人よりも優位な関係で認められたいという欲求があります。
これを心理学では上位承認といいます

何事も行き過ぎはよくありませんが、頑張っているスタッフにはそれに対する評価はしっかりとしてあげたいですね。

上記のもの以外にもアルバイトコンテストなどの大会を開くことによって、その努力を認めてあげる場をつくることもスタッフを定着させるための有効な手法です。

まとめ

人材不足は今後さらに深刻化していきます。
そして、今後まさかの「人材不足倒産」がやってくるかもしれません!

私はハーズバーグの二要因理論の動機付け欲求で一番効果的なのは「重要な仕事を任せる」ことだと思います。

誰でもできる仕事よりも、その人でしかできない仕事を任せることにより、任せられた人は何倍もやる気がでます。

そのためには、経営者には「任せるチカラ=権限委譲」が大事になってきます
仕事を創り出して、それを従業員に任せるのです。

これは言葉で言うのは簡単ですが、実際行うのは難しいです。
なぜなら、権限委譲では責任は実行者(従業員)にあるのではなく、委譲者(経営者)にあるからです

しかし時代の変化とともに考え方も変えていかなければなりません。

これからの時代、ますます従業員に働きがいを与えていくことが大事になります。
やりがいのある仕事を提供できている店舗に人は自然と集まるでしょう

求人をかけても人が集まらない一番の問題は、やはり、やりがいのある仕事を提供できていないからだと思います。

時給をあげることよりも、やりがいのある仕事を提供することの方が、採用においても非常に大事です

やりがいのある仕事を提供していきましょう。


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大手外食チェーンが飲食店の接客をホテル並みにしてしまった!

タイトル画像:大手外食チェーンが飲食店の接客をホテル並みにしてしまった!

外食産業と言っても、ファーストフードからディナーレストランまで客層も客単価もさまざまです。
本来ならばそれに応じた接客サービスがあるはずです。

しかしいつのころか、日本の大手外食チェーンが飲食業界の接客をホテル並みにしてしまいました。
今回は飲食店における接客サービスについて考え、個人店が大手に勝つためにどのような接客をしていったらいいのかについて述べてみます。

丁寧なお辞儀?をする居酒屋とファーストフード

ワタミの接客マニュアルではお辞儀(30度)のタイミングが3回あると記載されています。

  • まずは入店時のおしぼりを渡すとき
  • 次にお会計のレジのとき
  • 最後がお見送りのとき、です。

徹底されているか、徹底されていないかは別としてマニュアルにはこう書かれています。

マクドナルドもこの辺は厳しく、店舗によっては毎日のように挨拶やお辞儀の練習、接客7大用語のテストなどをおこなっている店もあります。

もちろんご年配のお客様ならばファーストフードから高級レストランまで利用された方もいらっしゃると思いますので、高い接客サービスというものも知っています。

しかしこの点を差し引いたとしても丁寧なお辞儀は高級レストランでは要求されると思いますが、ファーストフードや居酒屋に求められているのでしょうか?

スタバの心地よさ

最近、スターバックスをよく利用しますが、そのサービスの自然なことに心地よさを感じます。
ディズニーランドの接客と同じ心地よさです。

スターバックスコーヒーのサービス

アメリカの外食企業のオペレーションマニュアルでは、日本のような細かいサービス指導の表現は見当たりません。
ご来店いただいたお客様を「思いっきりもてなそうと」は書いてありますし「カスタマーファースト」という表現はあります
が、日本の大手チェーン店のようなお辞儀の角度は何度とかは書かれていません。

スターバックスには接客マニュアルというものがほとんどありません。
もちろんコーヒーの入れ方や接客サービスの最低限の基本は、新入社員教育で教えているそうですがそれ以上のものは存在しないのです。

その代わりに初歩教育の「エクスペリエンス」というシステムがあります。
エクスペリエンスとは、自分の過去の感動体験を思い出してカードに書き、それに基づき、参加者が意見交換やディスカッションを行い、

  • 何が自分を感動させたのか?
  • お客様の感動とは一体何なのか?
  • その状態を実現するには何があればいいのか?
  • 具体的には何をすればよいのか?

を議論させる仕組みです。

もちろん正解はなく、ファシリテーターの問いかけによる気づきと、参加者自身で考えることが重視されています。
あるべき姿はアルバイトも含め、社員一人一人が自分で考えるのがスタバ流です。

これはディズニーリゾートのキャストも同じです。
ことサービスに関してはあまり枠にはめすぎず、個々の感性を引き出すことが大事です。

効率を考えた大手チェーンの接客

大手外食チェーンは2000年以降ハンディーを導入し、管理効率をいかに高めるかを求めてきました。

ポスレジで商品の出数を分析し、マニュアルを導入し、効率のよいオペレーションを組んで、いかに人件費を掛けないでどう店舗を運営するか?
これらをトコトコ考えて店舗運営を行ない、結果、店には大きな利益を生み出しました。

それは、画期的で素晴らしいことでした。
しかし、昨今、効率を考えた店舗ではリピーターを呼ぶことは難しく、継続的な繁盛に結びつかないという現状も今の外食産業事業から見えてきました。

たしかに何事も効率的に、という考えはすごく大事です。
私も大手FCチェーンを経験してきましたので経費の1%の重みはよくわかります。

しかし大手チェーンに見られるような画一的な接客、画一的な商品に消費者には飽きが来ているのです。
これからの時代は少し非効率ですが、店長、スタッフの「人間力」で勝負する時代になっています。

「感じのいいなぁ」という感情を引き出す

前述したようにスターバックスでは「エクスペリエンス」という仕組みを使って、アルバイトも含め、社員一人一人が顧客感動とは何か追求させています。

私は接客サービスをクライアント先で指導するとき、「感動」よりお客様に「感じがいい」と思っていただける接客を追求しよう、ということを強調します。

ディズニーランドキャスト


つまりお客様がこのお店は「感じがいいなぁ」と思ってもらって、「感じがいいなぁ」という感情になってもらうことがゴールです。

感じの良さとはたとえばお客様が来店したとき、レジの内側に立って「いらっしゃいませ」とアイサツするのが普通のお店だと思いますが、そこから2~3歩出ていって「いらっしゃいませ」と声をかけるほうが「感じがいいお店だなぁ」と思っていただけます。

レジの内側で待っていた方が効率はいいと思いますが、これだと「感じのよさ」を伝えることはできません。
その2~3歩が非効率かもしれませんが、お客様に「ウエルカム感」を感じてもらうことはそれ以上に大切です。

「トイレどこ?」と聞かれた場合も同じです。
効率を優先するのであれば「あちらです」とトイレの方角を指で指し示せばいいです。
しかしトイレの場所を知らないということは、初めて来店されたお客様だと思います。
だからこそ「ご案内しますね」と笑顔で近づいて、トイレの近くまでご案内したほうが「感じのいいお店だなぁ」と思ってもらえるのです。

つまり非効率の行動こそ、感じのよさを伝える最大の行為なのです。

感情に重きを置いたマニュアル

私は「非効率な部分」と「効率」をプラスすることで、継続して繁盛するお店ができると思っています。
だからこそ、それぞれの接客シーンでどうすればお客様が「感じがいい」と思っていただけるか、スタッフ全員で考えて、それをお店のマニュアルにします。

つまり行動に重きを置いたマニュアルを作るのではなく、お客様が「感じがいい」と思ってもらえる感情に重きを置いたマニュアルを作るのです。

笑顔の接客

働いているスタッフも、お客様を分析し、ニーズに応じた接客を心がけたほうが楽しいはずです。
お客様に本当に楽しい時間を提供するためには、自分たちもエンジョイしなければなりませんね。

マニュアルの是非を問う

最近の大手外食チェーン店は元気がありません。
その理由はマニュアルにあるでしょう。
何々はしてはいけない、何々をしなさい、そんなことばかり言われて元気に仕事などできるわけがありません。

元気のない従業員が働いているお店など、誰だって行きたいとは思いません。
とは言っても私はフランチャイズの専門家としても、サービスマニュアルを全面否定しようとしているわけではありません。

なぜなら組織として集団が働き始めるとき、マニュアルは必要不可欠だからです。
「しなくてはならないこと」を知らずに、集団に属する個々のスタッフが、思い思いに行動することは、何かの目的を持った組織にとって非効率な状態を作りだします。

ではマニュアルはなぜ必要でしょうか?

私の考えでは、マニュアルは組織を作るとき、もしくは個人がその組織に入り、早く、低いレベルで戦力とさせるときは有効であって、その本質を身につけた者にとって、マニュアルは百害あって一利もない不要なものになるのです。
ですからマニュアルを身に付けるとき最も必要なことはそのマニュアルを早く覚えることではなく、そのマニュアルに書かれている目的を理解させることなのです。

まとめ

人は自ら考え、行動するときに元気になります。
なぜなら一人ひとりがかけ替えのない、それぞれの人生の主人公だからです。

お客様の喜びを自らの喜びとし、お客様の悲しみを自らの悲しみにするお客様の喜びの実現のために、自らひたすら考え、自ら真摯に行動する

お客様を思う心は同じでも、その表現の仕方は100通り、1000通りと、その方法があってもいいと思います。
お客様だけのことを考えていれば、自然に「ああしたい、こうしたい」が生まれてきます。

スターバックスコーヒーの店員

私はスタッフから「ああしたい、こうしたい」と言わせる雰囲気を作ることはとても大切なことだと思います。
そしてこの気持ちにさえしてあれば、飲食店にホテル並みの接客は必要ないのです。

必要なのは「ああしたい、こうしたい」というスタッフの想いです。
このような雰囲気を作ることこそ経営者や店長の大切なシゴトです。

スタッフ全員がお客様だけを見ている、そんなお店が理想です。
そんな温かいお店が1店でも増えるといいですね。


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吉田松陰の教えを現在の人財育成法に変換したら?

タイトル画像:吉田松陰の教えを現在の人財育成法に変換したら?

吉田松陰が今の時代のビジネスリーダーならば、どうやって社員の心に火をつけるのか?
松陰を尊敬するわたしにとって永遠の研究テーマです。

そこで今回は、15年以上にわたって吉田松陰を研究してきたわたしの人財育成法について述べていきたいと思います。

初期教育はいかに仕組みを作れるか

入社90日間の教育を仕組み化や体系化することにより、どの店舗に配属されても、どの店長に教わっても、そこそこのレベルまで育成できるようになります。

仕組み化というと現場の作業量が増え、大変そうなイメージがありますが、一度仕組みを構築してしまえば、現場の負担を間違いなく半減させることができます。

たとえば今まで二重で教えていた時間が削除できたり、定着率があがることにより新人スタッフを教育する時間が減ったり、さらに同じツールを使うことによって店長がいなくても、アルバイトリーダーでも新人教育ができるようになります。

人財をひとり立ちさせるゴールが10だとしたら、仕組みを作ることによって1から6までの教育は圧倒的に現場の負担を減らすことができ、さらに最短で基礎を身につけることができます。

そして3ヶ月間の初期教育が終え、7の段階にギアを入ったら、それ以降は理念やコンセプトを実現させるという目的に合わせて、吉田松陰流の教えが有効になります。

人財教育における奇跡の学校

「人財育成において、日本史上最強の指導者は誰か?」

という質問を多くの経営者や経営コンサルタントにしたら、その多くが吉田松陰と答えるでしょう。

わたしの尊敬する歴史上の人物は吉田松陰です。
26歳のときに吉田松陰のことを知ってから、先生の教育の極意を探求するためにその教育法を研究してきました。

松陰は幕末、2年4ケ月でいう短い期間でいまの山口県萩市に私塾を開き、92名の田舎の若者を育てました。

そしてただ育てあげただけではなく、先生亡きあと、幕末から明治にかけての乱世に日本を牽引していったリーダーを多く輩出しました。

この事業のなかで先生のすごいところは、優秀な若者を先生から集めたのではなく、志の高い地元の若者が自らの意思で先生の元に集まったのです。

当時はいまでは考えられないくらい身分階級が厳しかった時代です。

そんな時代でありながら、先生は万人平等の精神で、下級藩士の子も、足軽や農民や商人の子なども身分を問わず受け入れましたのです。

後にこれだけの無名な若者を、短期間で世に輩出した例は皆無なのです。
まさに【人財教育における奇跡の学校】と呼んでいいでしょう。

画一的な教育ではなく個性を伸ばす教育

では松陰の教育法はどのようなものだったのでしょうか?

これを一言でいうとしたら【画一的な教育ではなく個性を伸ばす教育】となるでしょう。

現場店舗に置き換えるとしたら、【目の前のお客様を喜ばす】という目的に対して、そのやり方は各自に任せるということです。
だからこそやり方や方法は無数にあるのです。

その子の個性や長所に合わせて【目の前のお客様を愚直に喜ばす】

それを追求させる環境を作ったのです。

これが松陰流の人財育成法です。

この長所を伸ばすという育成法は先哲・偉人に共通しています。
たとえば佐藤一斎や森信三、経営者であれば松下幸之助、経営コンサルならば船井幸雄も同じ教育法を取っているのです。

つまり個性を伸ばす教育こそ、人財育成の原理原則となるのです。

人間は暗示にかかりやすい動物

「松下村塾」。

その名のとおり、松本(松下)村の小さな塾です。
十坪ほどの小さくて粗末な塾舎。

松下村塾写真

松下村塾は、明治維新を語るとき、松陰を語るとき、決して見逃すことのできない存在です。

松陰が叔父の久保から「松下村塾」を引き継いたときの門下生は村の子どもたちだけでした。

松陰主催の松下村塾のキッカケになったのは野山獄を出てから、自宅監禁の中、父や兄に対して続けた『孟子』の講義です。
松陰の講義は単なる解釈ではなく、現在という時代での身の処し方にからめた話が多く、近所に住む子供たちに深い感銘を与えていきました。

つまり、口コミで門下生が増えたのです。

そのころ松陰は幽閉の身だったため、藩への届け出は表向き叔父の久保のままです。

しかし、実質的に主宰者になった松陰は『松下村塾記』を作り、自らの教育理念を掲げたのです。
彼はこの中で、なんとも予言めいた言葉を書き示します。

それは長門の国の萩は日本の僻地にあり、久しくここから優れた人物があらわれていないが、いま、その前兆が見られると前置きして、天下の英才はきっと僕の元から育つと予言し、松下村塾のある萩城下東外れの松本村を、小さな村だが、必ずやこの日本国の根幹にならん!と断言したのです。

これはホンダを作った本田宗一郎氏は、まだ創業して間もないころ、まだ町工場同然の会社で朝礼の度にみかんの空き箱の上に乗って世界一を目指す!と宣言した事例や、ソフトバンクの孫正義氏が創業初日、アルバイトの人たちを前に、みかん箱の上に立ちわが社は5年以内に100億円、10年で500億円、いずれ1兆円企業になると演説した話に似ていますね。

人間は暗示にかかりやすい動物です。
リーダーは集団を鼓舞する言葉がいかに大切かわかります。

松下村塾は人間性を磨き合う人間道場

松陰は村塾の教育理念を、「学は人たる所以を学ぶなり」としました。

これは人と生まれたからには、人とはどうあるべきか、この世の中で何をなすべきか、それを学問しながら追求しようというものです。
要約すると「人の道を学ぶ」ことを目的とした私塾なのです。

松陰は学問をすることの肝心な点は「自分を磨き、高めること!」としました。

「学問の道」とは、人と禽獣(鳥と獣)とではどこが違うのかを知ること。
その違いは、五倫(父子の親・君子の義・夫婦の別・長幼の序・朋友の信)、五常(仁・義・礼・智・信)を守っているかどうかとしたのです。

五倫写真

人間は常に「人間としての自覚」を忘れてはいけない。
本能のままに生きていては、禽獣と何ら変わりがない。

「それを知ることができるのが、学問だ!」というのが松陰の論理です。

このように塾生たちはみな学者になるために学問をしたのではありません。
あくまでも現実の世の中と関わりながら、現実をよい方向へと変えていきたい、そうした思いで生涯学び続けたのです。

このように松陰の松下村塾は、師弟とも単に学問をするためではなく、“人間性を磨き合う人間道場”として開塾したのです。

まとめ

私は考えました。

なぜ松陰はあれだけ多くの若者を短期間で育てることができたのか?
これを現在の人財育成に置き換えるとしたらどうなるか?

いろいろな答えがあると思いますが、わたしが研究して感じた点は5つです。

  • 人間という動物は暗示にかかりやすいこと
  • 人は目的のために生きると強くなれること
  • 自分以外のものを守ろう、助けようとした瞬間に潜在能力が発揮されること
  • あらゆる生物、とくに人間は逆境のときにこそ成長すること
  • 人間のセルフモチベートは、自らの磨き、高める行為だということ

これらのことを初期教育が終えたころから教えていくと、人は驚くほど成長していきます。

成長していく部下の姿を見てつくづく思うことは、やはり人間は社会性の動物で、人や世のなかのために生きないと心が満たされないということです。

これら教訓は先人・偉人がわれわれ子孫に残した英知です。
現場を変え、会社を変え、社会を変えていくためにそれぞれが小さな一歩を愚直に行動していくことですね。


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類人猿分類!「エブリイ」個性の力を引き出す、15期連続売上UPの秘密!

タイトル画像類人猿分類!「エブリイ」個性の力を引き出す、15期連続売上UPの秘密!

エブリイグループは広島県福山市に本社を置く、スーパーマーケットや外食、宅配、農業法人事業など合計10社で手掛け、食の総合プロデュースを行う企業グループです。

そのなかでも中核を担うスーパーマーケット事業の株式会社エブリイは「15期連続2桁増収」「8期連続増益」、上場企業と比較した指標では、「12mあたり売上高、12mあたり営業利益、在庫回転率、総資産回転率、ROA(総資産利益率)、ROE(自己資本利益率)が全国1位」という大きな成果を残しています。

株式会社エブリイ2015年6月期決算報告

実は、こうした大きな成果の原動力には、類人猿分類を用いた、スタッフ一人ひとりの個性を活かす人材活用術にあったといいます。

エブリイグループの躍進とともに、類人猿分類は『ガイヤの夜明け』『とくダネ!』などのテレビ、新聞、ラジオ、インターネットで取り上げられ、一気に注目を浴びることになりました。

そこで今回は、エブリイの類人猿分類による人材活用術について述べています。

類人猿分類してみよう

あなたは4つの類人猿のどのタイプでしょうか?
オランウータン、ゴリラ、チンパンジー、ボノボの4つのエリアの中で、自分にとってもっとも違和感のないエリアを選んでください。

横軸は、「人生において大切にしていることは何か?」です。

冒険はせず、現状維持で安定、安心を求める(右)か、物事を追求・達成することを大切にしているか(左)かを選びます。

類人猿分類

続いて縦軸は、「感情を表に出して表現するか、しないかです。
表に出して表現する(上)か、あまり表現しない(下)かを選んでください。

横軸、縦軸の2つの質問がクロスすエリアが、あなたの類人猿タイプです。

上記の簡易診断以外にも、精神科医 名越康文氏の類人猿分類診断がWebサイトにあります。
類人猿分類診断

30秒で終わるので答え合わせも兼ねて実際にやってみましょう。
深く考えすぎると正しい診断にはなりませんので、あくまで直感的に答えてみて下さい。

類人猿診断画像

みんな違ってみんないい

人間は他人から認められたり、褒められることによってモチベーションが上がり、よりその本来の能力を発揮することができるようになります。
しかし、「どのように褒められたいか」「どこを認められたいか」は、人それぞれ違います。

  • チンパンジータイプは、「君のおかげで成功したんだよ!」と自分自身にスポットライトをあててほしいと思います。
  • オランウータンタイプは、「あのアイデアはすごかったね。誰も思いつかなかったよ」と、自分自身よりも仕事のプロセスを認めてほしいです。
  • ゴリラタイプは、「丁寧に調整してくれたおかげで、チームが一体になれたね」と自分自身の活躍よりも、チーム全体の調和を喜びます。
  • ボノボタイプは、「このチームで一緒に仕事ができて、みんな本当に楽しそうだったね!」と、仕事の成果よりも場の空気や喜びといった感情を大切にします。
類人猿診断表

このように人が集まるところでは、互いにほめ、認め合うことがチーム力を高める上で大切であることは、誰もが認識しています。

しかし、互いのタイプの違いを無視すれば、せっかくの声かけも、相手の心に響いてはくれないのです。
以下、それぞれのタイプ別の特徴をさらに彫り下げていきます。

職人気質のこだわり屋、オランウータンタイプ

オランウータンタイプイラスト
オランウータンタイプ特徴

オランウータンの強み

  • 自分で納得したことには、高い集中力を持って取り組みます。
  • 他人の意見に流されず、自分の信じた道を歩くため、他のタイプにはできない独創的な仕事をすることができます。

 オランウータンの弱み

  • 「なぜこれをやるのか」「なぜこのやり方なのか」ということを納得しないと、簡単な仕事であっても、手をつけ始めることすらできません。
  • 内に秘めた情熱があるのに、感情を表に出して表現しないため、周囲から誤解を受けてしまうことが少なくありません。

オランウータンに響く言葉

  • 「この売り場は〇〇さんに任せたので、自分のカラーを出した売り場を作ってください」
  • 「これまで誰も思いつかなかった陳列だけど、〇〇さんの分析を聞くと、確かに来店動機につながりそうですね」
  • 「今度の戦略会議で発表したいので、なぜ今回の節分祭がうまくいったか、データを分析して理由を調べてもらえますか?」
  • 「商品Aの1時間あたりの製造数を現在より15%アップさせたいのですが、〇〇さんの分析で、改善案を出してもらえますか?」
  • 「節分祭があんなにスムーズだったのはなぜですか? 具体的にどういうところを工夫したのですか?」
  • 「やっぱり〇〇さん、センスが素晴らしいですね!」
  • 「〇〇さん、君の担当部門、1月は前年対比11%伸びているね。すごいね。具体的に何がよかったんだと思う?」
  • 「へえー、なるほどね。これは〇〇がポイントなんだね」
  • 「〇〇さん、刺身売り場の陳列、ちょっと変えたんだね。どんな工夫をしたの?」

オランウータンタイプは自分のこだわりポイントを的確に認めてほしいです。

安易な評価や賞賛よりも「納得」を大切にします。

オランウータンが言われると嫌な言葉

  • 「もうちょっと空気読んでよ!(空気を読むってどういうこと?)」
  • 「お前は、石頭だな~。ヘルクツはいいから、とにかく言われたとおりにやれよ!(自分のやり方のほうがいいという確信があるからいってるのに)」
  • 「〇〇さん、さすが! 〇〇さん、すごい!(個人にスポットライトを当てられてもうれしくない。そんなことより、自分がこだわったところをしっかりわかってほしい)」
  • 「大変そうだね、大丈夫?(ただ漠然と質問されても「はぁ」としか答えられません。手伝ってほしいときは自分から頼みます)」
  • 「考えてる暇があったらとにかく動いてよ!(やっても意味のないことは、やりたくありません)」
  • 「〇〇君、とにかくマニュアル通りにやってくれる?(マニュアル通りにやっていれば、結果が悪くてもいいの?)」
  • 「指示したことだけ、やってればいいからね。簡単でしょ?(指示されたこと以外をやるのが楽しいのに・・・)」
  • 「オリジナルティはいらないよ、とにかくみんなと同じようにやって! 和を乱さないようにして。(みんながやってないことだからこそ、やってみたんです)」

オランウータンタイプは自分のこだわりを出せないのはおもしろくありません。

納得できないまま褒められても嬉しくないのです。

オランウータンへの声かけのポイント

自分が納得していればそれでいい、というのがオランウータンであり、感情表現も豊かではないので、一見、他人からほめられようがけなされようがまったく気にしていないように見えます。

しかし、そんなオランウータンでも、周囲からの声かけを気にしないわけではありません。

むしろ、的確な声かけであれば、オランウータンは大いにやる気を出します。

褒めるポイントがわかならければ、いっそのことオランウータン自身に「どこがポイントだったのか」を聞いてみるのも有効です。

もしこだわっているポイントであれば、オランウータンは喜んで教えてくれるでしょう。

平和主義の安定志向、ゴリラタイプ

ゴリラタイプイラスト
ゴリラタイプ特徴

ゴリラの強み

  • 争いごとを好まず、激しく自己主張することなく全員のバランスを取り、組織の秩序を守る調整役を担うことができます。
  • いわれたことはきちんとこなします。
  • ルーティンワークを黙々と続けるのは得意です。
  • 他人に対する自然な敬意があり、落ち込んだ人をさりげなく元気づけたり、力を発揮できるようにサポートすることが上手です。

ゴリラの弱み

  • 小心者で、急なアクシデントやトラブル、イレギュラーな事故が起きると動揺して、重要な決断を下せなくなってしまうことがあります。
  • 融通が利かず、ちょっと頑固なところも。特にルールや秩序を守ることにはうるさく、周囲にとっては面倒に感じられることもあるでしょう。

ゴリラに響く言葉

  • 「◯◯店のチームワークの良さとスタッフ一人ひとりの頑張りは◯◯さんが店長しているからでしょうね」
  • 「今回の成果がでたのは、スタッフみんながレベルアップしてくれたお陰だね。みんなに『ありがとう』って声かけるね。〇〇さんがみんなを指導してくれた努力が実を結びましたね」
  • 「そこまでしっかり話をしてくれているんですね。そういうことが、◯◯部門全員の意識の高さにつながっているんですね」
  • 「レジのスピードアップが店全体の売上に貢献しているよ。ありがとう」
  • 「さすが、〇〇さん、昨年の実績を今年の計画にしっかり活かしているね」
  • 「朝一番にきて備品の整備をしてくれてありがとう。いつもしてくれているよね。〇〇さんが陰で動いていてくれるからみんながスムーズに仕事に入れるよ。感謝、感謝だよ」
  • 「〇〇さん、ミーティングの件、日程調整と議事録つくりをしてくれてありがとう。おかげで円滑に進み、みんなで向かっていく目標を共有できたよ。ほんと助かりました」
  • 「〇〇さんの気遣い、みんな喜んでいたよ」
  • 「◯◯部門のことだけでなく、店全体のことを考えてレジ応援やカゴ・カート整理もよくしてくれていますね。サービス部門のみんなも助かっていますよ」

ゴリラタイプは全体の調和を大事にします。

また突発的なトラブルが起こらないように入念な計画や準備を怠らないようにしています。

ゴリラが言われると嫌な言葉

  • 「声が小さい!売る気あるんか?」
  • 「とにかく体当たりでぶつかっていけ!」
  • 「お前、反応が鈍いよ・・・。手応えのないヤツだな」
  • 「さすが、〇〇さん! よっ!〇〇大卒!! やっぱり違うな~本部社員!(個人の経歴のことより、毎日コツコツ細かい努力をしていることを認めてほしい)」
  • 「任せるよ。(何を?どのように?いつまでに?上司はどの程度の内容を求めているの?わからないと計画も立てられない)」
  • 「あとは適当にやってくれる?(入社3か月なので適当といわれてもわかりません。細かく指示してもらないと困ります)」
  • 「とにかく見て覚えろ!(一応真似するけど、ちゃんと説明してくれないと本当に正しいのか不安になるな~)」
  • 「〇〇さんの自由にしていいよ!(何を求めているのかわからない。どうしていいかわからないく不安だな)」
  • 「期待しているから、がんばって!(わたしのペースでコツコツやりますので、あまりプレッシャーかけないでください)」
  • 「もっと目立たないと!!そのままじゃ、評価されないよ!(目立つのは苦手です)」

ゴリラタイプは曖昧な指示だと相手の意図が見える不安になります。

そのため何をしてほしいのか、細かく指示してほしいのです。

相手の要望に合わせるのが得意なのがゴリラです。

ゴリラへの声かけポイント

ゴリラタイプが求めているのはチーム全体の調和です。

小心者のゴリラは、常にイレギュラーなトラブルが起きないように、全体に気を配って日々を過ごしています。

ですから、何か成果が上がっていたとしても、それが自分の手柄のように持ち上げられることは好みません。

もちろん、うれしくないわけではないのですが、そうやって自分一人が目立って周囲から疎まれたり、チーム全体の和が崩れたりしてしまうことを、ゴリラタイプは恐れているのです。

よって、ゴリラタイプに声をかけるときには、本人だけではなく、チーム全体を含めた評価をすることが重要です。

また、目覚しい成果や飛び抜けた成績よりも、「ずっと変わらない」「安定している」という評価を好みます。

また、指示はできるだけ具体的に「これをいつまでにこんなふうにやってほしい」とハッキリと示しましょう。

「自分の判断で適当にやってよ」「自由にやっていいよ」という声がけはゴリラタイプには禁物です。

ゴリラタイプは、礼儀を大事にします。

声をかけるときはきちんと相手の顔を見て、「ありがとうございます」と感謝の意を伝えることを忘れないようにしましょう。

勝ち負け重視で社交的、チンパンジータイプ

チンパンジータイプイラスト
チンパンジータイプ特徴

チンパンジーの強み

  • 高い社交性で周囲の人を巻き込みながら、エネルギッシュに物事を進めることができます。
  • 理屈っぽく思い悩むことなく、すばやく行動に移す実行力があります。

チンパンジーの弱み

  • 「勝ちたい」「先手を取りたい」という思いが高じて熱くなってしまうと、視野が狭くなりがちです。
  • つい短絡的な手段に頼り、大きな失敗をしてしまうことも少なくありません。
  • 感情的で起こりっぽく、自分の思ったとおりにいかないときには同僚や部下にあたってしまうことがあります。

チンパンジーに響く言葉

  • 「〇〇さんだから頼むんだよ。〇〇さんじゃないとできないからね!」
  • 「〇〇については、もう、君の右に出る者はいないな」
  • 「今回はうまくいかなかったけど、僕は〇〇さんの力を信じているからね。次はきっとうまくいくよ」
  • 「〇〇さんがチームに入ってくれてからスピード感が上がったよ!チームのエンジンとしてこれからもよろしく!」
  • 「市場での仕入れ値が抑えられているのは君が良い人間関係を築いてくれているからだね。さすが、交渉力があるね」
  • 「君の頑張りのお陰で店の評判があがっているよ。成功事例がつくれて嬉しいよ」
  • 「えっ!もうやってくれたん!やっぱり、〇〇さん、すごいわ!」
  • 「節分祭の巻き寿司の展開があんなにスムーズにいったのは君の指示が素晴らしいからだね」
  • 「すごいな~!〇〇さん、やっぱり力あるな~!」

チンパンジータイプは勝ち負けを重視します。

自分があげた成果については、必ず誰かに評価してほしいです。

チンパンジーが言われると嫌な言葉

  • 「まあ、誰でもいいんだけど、そこのあなた、やっといてくれる(集団の中で評価されていないと序列が低いと感じてモチベーションが上がりません)」
  • 「バタバタ動くな。じっくり考えてから動けよ」
  • 「期待はずれだよ。君にはがっかりだな!」
  • 「同期の〇〇さんとまた差がついたな~」
  • 「相談してから行動してよ!(そんなことしてたらスピードが遅くなるだろ!)」
  • 「勝手に動くな。それは後でいい。(じゃあ、もうちょっと早く指示を出してくれよ!)」
  • 「今回結果が出たのは、たまたまだ。根拠がなければ次につながらないから意味がないよ。(結果が出たのに評価されないなんて・・・)」
  • 「あんたには、任せられない。担当代わって!」
  • 「気づいた人がやってね。(評価の可能性が低い仕事はやりたくない)」
  • 「何考えているんだ。そんなこともわからんのか。使えないな~。(俺、この会社じゃちゃんと評価してもらえないかも・・・。もうダメだ)」

チンパンジータイプは自分が評価されていないと感じるとかなり落ち込みます。

そして強そうに見えても意外とガラスのハートです。

ナイーブなんで取り扱い注意です。

チンパンジーへの声かけのポイント

チンパンジーが求めているのは「他人からの評価」です。

感情を表に出し、勝ち負けを重視するチンパンジーは、ストレートに褒められることを好みます。

そのポイントは「本人」と「成果」にスポットライトをあてることです。

実際に成果が上がっていることについて、「その成果が上がったのはあなたのおかげだ」と認められることを、チンパンジーは求めています。

逆にいえば、いくら暗黙のうちに認められていたとしてもダメで、自分が達成した仕事については言葉に出して認め、褒めてもらいたいのがチンパンジーです。

もう一つのキーワードは「序列」です。

チンパンジーはライバルに勝った、他者との序列でひとつでも自分の順位を上げることが最大の関心事であり、そのことを他者の言葉によって確認したいのです。

ですから成果の上がる可能性が低い仕事はもちろんのこと、やっても評価が上がらない仕事には興味を持ちません。

仕事を頼むときには、「あなたにしか頼めない」「あなたならきっとすごい成果に結びつく」ということを強調しましょう。

感情豊かなムードメーカー、ボノボタイプ

ボノボタイプイラスト
ボノボタイプ特徴

ボノボの強み

  • 他者の感情に共感する能力が高く、コミュニケーションが上手です。
  • 場の空気を明るくする力があり、チームのムードメーカー的役割を担うことができます。

ボノボの弱み

  • まわりの人が自分の気持ちに同調してくれないと寂しくなり、仕事に集中することもできなくなります。
  • 感情が優先するので、順序だてて物事をこなすのが苦手です。

ボノボに響く言葉

  • 「そのままの〇〇さんで大丈夫。しっかりサポートするから、がんばろうね」
  • 「朝の立ち上げの忙しいときにいろいろ教えてくれて、ありがとう。POPや競合店調査については他の部門でも共有させてもらうね」
  • 「〇〇さんと仕事ができてうれしいな」
  • 「〇〇さんが抜けて、大変だろう・・・。休みの日は、しっかり寝て休養している?それが一番の心配事だよ」
  • 「わたしも手伝うから一緒に頑張ろうな」
  • 「予想以上に売れてすごいね!売上もだけど、お客様がとても喜んでくれたことが嬉しいよね!」
  • 「すごい!みんなの気持ちが一つになった証拠だね。ほんとうに素晴らしい。みんなが楽しそうに仕事をしているのを見るのは私もうれしいよ」
  • 「〇〇さんが入社してきてくれてからチームが明るくなったよ。みんな〇〇さんのことが大好きで応援しているからね!」

ボノボが言われると嫌な言葉

  • 「あなたの説明は支離滅裂でよくわからない。(私のこと嫌いなの?話を最後までちゃんと聞いてよ)」
  • 「あなたの気持ちはいいから結論は何?(気持ちが一番大事なボノボにとってはつらい)」
  • 「仲間なんて甘いよ。とにかく、人を蹴り落としてでもNO.1になれよ。(仲間と協力してやっていくのが一番大事。こんなこと言う人は信じられない)」
  • 「これ、〇〇さんに任せるから責任もってミスなくやってくれる!(任せるって、私一人の責任が重くて不安・・・)」
  • 「あなたがそう思うのはどうして?どういう理由から?論理的に説明してよ。(直感だからそんな気がするとしか言えないよ)」
  • 「わかるように説明して!(あんなに気持ちをこめて伝えたのに・・・伝ってなかったなんでショック!)」
  • 「〇〇さんが決めてくれる?(え?そんな大事なこと私が決めるの?)」

ボノボタイプは感情の共感が一番大事なので、自分の気持ちに「共感」してもらえないことが一番つらいんです。

問題解決より、気持ちをわかってもらえることが大切です。

またボノボタイプは相手の心に寄り添い、雰囲気作りをすることが得意です。

ボノボへの声かけポイント

ボノボが求めているのは「共感」です。

具体的な成果や、「〇〇が××よりもすごい」といった序列ではなく、その場の雰囲気が温かくなり、互いに思わず笑顔がこぼれるような空気になることを求めています。

また、現実的に問題が解決するかどうかよりも、「一緒にやってくれること」「一緒に考えてくれること」がボノボにとって大切です。

ですから、ボノボに声をかけるときには、「すごい!」「よかったね」「うれしいね」といった、感情に訴える言葉を使いましょう。

また、仕事の成果についても「売上があがった」といった数値について褒めるよりもむしろ、「お客様に喜んでもらえた」「みんなが楽しんでいる」「チームの気持ちがひとつになった」といった言葉をかけるほうが、ボノボには響く傾向にあります。

仕事の現場では往々にして、感情よりも数値や論理が重視されがちですが、そういうビジネス用語を駆使した声かけだけでは、ボノボのモチベーションをあげることはできません。

平成8年当初は6年連続の赤字

株式会社エブリイは現在「15期連続二桁増収」と順調に業績を伸ばしています。
しかし現社長の岡崎雅廣氏が事業を引き継いた平成8年当初は6年連続の赤字でした。

当時は職人気質でコミュニケーションの苦手なスタッフが多く、互いに挨拶もできず、職場環境もよろしくなく、チームワークの悪い会社でした。

そこで、

  • 「スタッフがイキイキ働ける環境を作りたい」
  • 「人の力を最大限引き出せる、そんな企業にしたい」
  • 「『個』の集まりではなく、『チーム』にしたい」

という想いから、「人創り」を企業の大きな柱に掲げたそうです。

 「適材適所」を考えることにより、仕事の効率と質は格段にあがった

そんな想いで取り入れたのが、人材研修プログラム「類人猿分類」でした。
正式に企業研修に導入して6年目を迎えましたが、想像していた以上の効果があったそうです。

人材研修プログラム

たとえばあるレジ統括のチーフは受講後に、部下への指示の仕方に変化が出たといいます。

  • 効率化を考えるときはオランウータンタイプのAさんへ。
  • 最終チェックは用意周到で慎重な準備を怠らないゴリラタイプのBさんへ。
  • はじめての試みは切り込み隊長であるチンパンジータイプのCさんへ。
  • 悩んでいるスタッフのもとへは感情豊かなボノボタイプのDさんへ、仕事を振るようにしました。

タイプによって「適材適所」を考えるようになった結果、仕事の効率と質は格段にあがり、またスタッフも、自分の得意な仕事を任されることで、以前よりも生き生きと、楽しそうに仕事をするようになったそうです。

2014年新卒入社38名の離職者0

人事面談でも「この人はどのタイプか」を見極め、職種や配属先を検討するようになりました。

異動や新規店舗出店時のチーム作りの際も、4つのタイプがなるべく偏らないようにチームを作ることによって、各タイプの個性が発揮されやすい企業体質が生まれました。

この結果、一般的に離職率が高いといわれるスーパーマーケット業界で、株式会社エブリイは2014年新卒入社38名の離職者0、人材不足といいわれる中、2016年新卒内定者は過去最高の160名(2015年8月現在)と多くの人材を確保することができています。

また、パートスタッフさんの約25%は社内からの紹介です。

店舗の雰囲気が明らかに良くなり、企業の体質が変わっていきました。

「個」から「チーム」へ。
他人との「違い」を「個性」と認められる企業集団へと変わりはじめたのです。

まとめ

実際の類人猿の世界では、4つのタイプが互いに交流することなく、同タイプが集まって生活しています。
ですが人間社会では、まったく異なる4つのタイプが、1つの社会という森に暮らしています。

4つの異なる感受性、行動パターンをもった類人猿たちが、1つの森で共同生活しているわけですから、互いの性格の違いを理解し、認め合い、その強みを活かし、弱みをフォローし合うことができなければ、あっという間にパニックになるか、互いが互いを憎み合い、争いや誤解が絶えない社会となってしまいます。

バリエーション豊かな生活特性を与えられた私たち人間が、互いに理解し、それぞれの強みを活かして集団としてパフォーマンスを高めていくためには、「類人猿分類」のような性格分類は強力なツールとなるでしょう。


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店舗ビジネス業界のトップ3%をつくる、5店舗化プロデューサー
加納 聖士

離職率を減らす入社3ヶ月の仕組みづくり

タイトル画像 離職率を減らす入社3ヶ月の仕組みづくり

アルバイトが入社後、もっとも辞めやすい時期はいつまでだと思いますか?

それは【入社1ヶ月間】なのです。
これは前職65店舗で調査しましたが、入社1ヶ月以内に辞めていく確率はじつに70%でした。

逆に入社してから3ヶ月以上続けたアルバイトの95%は、その後、特別な理由がない限り1年以上、続けてくれることがわかったのです。

今回は入社90日間の教育方法やその期間のスタッフへの接し方によって、定着率を一気に高めたたノウハウを紹介します。

深刻な人手不足にどう対応するか

景気回復が少しずつ見られますが、アベノミックスの影響もあり、小売業界・外食業界など人手不足に対する危機感が日増しに高まっていますね。

他業界に比べてパート・アルバイトを多く抱えているだけに、いかに人員を確保し、いかに効率的な人材教育ができるか経営課題になりつつあります。

そんな状況ですから、やっとの思いで採用したアルバイトが簡単に辞められてしまったら経営者としてショックが大きいですね。

2~3日は寝込みたいほどです。笑

冒頭で説明した通り、入社後のアルバイトが一番辞めやすい時期は【入社1ヶ月間】です。
それもじつに70%です。

逆に入社してから3ヶ月以上続けたアルバイトの95%は、その後、特別な理由がない限り1年以上続けてくれたので、入社90日間の教育方法やその期間のスタッフへの接し方が、定着率を高めていくためにきわめて重要なことだと気付いたのです。

出口調査でわかったこと

私は恥を忍んで1ヶ月以内に辞めていったアルバイトたちに、今後いいお店を作っていくために「なぜ辞めたのか?」を聞かせてほしいとお願いしました。

そのときのTOP5がこれです。

  1. 店長や働いている人たちの雰囲気が悪い
  2. 何も教えてくれないのに、ミスして先輩スタッフに怒られた
  3. 自己成長できる職場環境ではなかった
  4. 仕事内容に興味を持てなかった
  5. 求人募集に記載されていた内容と、実際の仕事内容・条件が違っていた

1は本部としてコントロールできませんが、2、3、4、5に関しては仕組みにすることができると思いました。

やる気のある若者

そこで私はこの5つの解決に向けて、面接 → オリエン → 3ヶ月間の初期教育を、体系化していくことにしたのです。

ここでいう体系化とは、個々の店長のもっている知識・情報・経験をすべて洗い出し、何をしたらうまくいき、何をしたら失敗するのかを言語化してまとめることです。

再現性と言語化は仕組みづくりの肝となる

言語化は皆さんが思っている以上に仕組み化するとき重要なキーワードになります。

なぜそこまで重要か?といいますと、【言語化】とは【抽象化する力】だからです。
抽象化能力とは思考の深度
のことです。

言語化すればイメージが強化されます。
なぜなら頭の中で考えていなければ、文字に表すことができないからです。

書いた文字は思考の現れなのです。
そして、思考の量と文字数は正比例します。

たくさん考えている人は、たくさん書けますし、あまり考えていない人は、少ししか書けません。
イメージが具体的かつ鮮明になっているかどうかは、文章にしてみれば一目瞭然でわかります。

ですから社内の成功ノウハウを第三者が見ても具体的にイメージできるようにするには言語化の質と量を高めなければならないのです。

この重要性を事前に店長たちに説明したうえで、言語化する作業をすすめてください。

言語化したノウハウをツールにする

次に言語化したノウハウをツール(道具)に落とし込みます。

私が作ったツールは、

  1. 電話応募者 対応マニュアル → 応募者から電話がかかってきたときの対応マニュアル
  2. 面接シート → 応募者に対して何をどの順番で聞き、最低限伝えるシート
  3. オリエン資料 → 教え漏れを防ぐために、入社初日に伝える内容
  4. 初期教育カリキュラム表 → 入社3ヶ月間をどの順番で教えていくのかを決めたもの

の4つです。

飲食店のレジスタッフ

そしてさらに新人アルバイトが入社したら、最初からウエルカム感を出すために入社初日にやることを5つ決めました。

その5つは、

  1. 採用したアルバイトの名前、いつ初日出勤かを従業員全員に伝達(掲示しておく)
  2. シフト表などに新人スタッフの氏名を入れておく
  3. 更衣室やロッカーがあればネームを入れておく
  4. ウエルカムボードを用意する
  5. トレーナーとなる人を決める。本人に話をする

などです。

このほかに入社1ヶ月間は他のメンバーたちと最短で関係性を築くために新人スタッフの退勤時間と、お店のなかで面倒見のいいスタッフの退勤時間を意図的に合わせ、新人さんをすぐに帰らせるのではなく、15分ほどコミュニケーションを取ってから帰らせるようにしました。

これらを各店で徹底させることによって、入社1ヶ月以内に辞めていくアルバイトがみるみる減っていったのです。

最終的にどのくらい減ったと思いますか?
驚くかも知れませんが、これだけで70%から10%まで軽減したのです。

このように入社90日間の教育を仕組み化・体系化したことにより、どの店舗に配属されても、どの店長に教わっても、そこそこのレベルまで育成できるようになりました。

まとめ

仕組み化というと現場の作業量が増え、大変そうなイメージがありますが、一度仕組みを構築してしまえば、現場の負担を半減させることができます。

たとえば今まで二重で教えていた時間が削除できたり、定着率があがることにより新人スタッフを教育する時間が減ったり、さらに同じツールを使うことによって、店長がいなくても、アルバイトでも教育することができるようになるからです。

そして仕組み化するときに非常に重要になるキーワードが【再現性】です。
再現性とは、いつ、どこで、誰が教えても同じような成果を出せることです。

私は入社90日間の教育を仕組み化するときに一番注意したことがこの【再現性】です。
ですから、とにかくシンプルにわかりやすく、継続しやすいものにしたのです。

ぜひ皆さんも挑戦してみてください。


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財務改善のための3本の矢

タイトル画像 財務改善のための3本の矢

5年後の財務状況を改善するために「時流適合」×「計数力」×「ブルーオーシャン戦略」の3本の矢を使いながら経営戦略を立ていくことをオススメしております。
これを「財務改善のための3本の矢」と呼んでいます。

今回はこの3本の矢について順番に説明していきます。

時流適合

「時流適合」とは、時間の経過とともに刻々と変化する時間の流れ・世の中の流れ=消費者のニーズにビジネスモデルや商品を合わせるという意味です。
時流に適合することは、財務状況を改善していくために最も効果的です。

これを身近なもので説明します。

まずはデジカメ、カーナビ、腕時計などです。

これら共通することはスマホの普及によっていま絶滅の危機を迎えているということです。

数字にも如実にあらわれています。

コンパクトデジカメは2010年には、国内出荷数が約1000万台、海外を含めた総出荷数1億台と最盛期を迎えていましたが、昨年2014年の調査では、わずか4年間で4割減少しました。

今のコンパクトデジカメならば経営の神様・松下幸之助氏でも、ソフトバンクの孫正義氏でも立て直すことは難しいと思います。

スマートフォン

このほかにカーナビ市場も、腕時計もスマホの普及により瀕死状態です。

つまり“下りのエスカレーター”に乗ってしまうと、どんなにがんばっていても業績は上がらないのです。

一方で“上りエスカレーター”に乗っていれば簡単に業績を上げることができます。

この例からいまの主役プレーヤーであっても“時流適合”できてなければ、10年後、15年後はどうなっているかわからないのです。
そのため財務状況を改善しながら多店舗展開を図るには、マクロトレンドをつかみ、それを自社の経営(ミクロ)に落とし込むことが必要です。

時流に乗れば財務状況は一気に改善されていきます。

計数力

経営には数字がつきものです。

私は手前味噌になりますが、65店舗の数字を一人で管理して改善してきました。
だから経営数字は得意中の得意です。

とは言っても私は税理士でも会計士でもないので難しいことはわかりませんし、わかる必要もないと思っています。

でも、経営者として最低限、知らなければならない数字はあります。

少し厳しい言い方になりますが、経営に必要な数字を知っているだけでは幼稚園児、意味がわかるのが小学生、その数字を応用できてようやく中学生レベルです。
大人のレベルはそれを基に瞬時に問題点を発見し、状況を改善して数字を良くするところまでいきます。

1店舗の数字を把握するのが店長であり、複数店舗になればスーパーバイザー(SV)、全社的な視点で見るのが経営者です。

キャッシュフローを意識する

数字は難しいものではありません。

飲食店やサービス業に使用する計算は、店長も経営者も「+-×÷」のみです。
中学生程度の計算知識と電卓さえあれば大丈夫です。

必要な数字を修得するには「意味の理解」と「暗記」しかありません。

たとえば現場店長でも把握したいのがP/L(損益計算書)です。
Pはプロフィット(利益)、Lはロス(損)という意味です。

損益計算書

単純に一番上にあるのが売上です。

その売上から材料費などの原価を引いたものが粗利益、ここから人件費や水道光熱費、家賃や減価償却費などすべての経費を引いたものが営業利益となります。
この営業利益に、先ほど引いた減価償却費を再び足して、借入金の返済額を引いたのが手元に残る現金、すなわちキャッシュフローです。

減価償却の例

いわゆる「償却後利益」というものです。

しかし、これはキャッシュフロー(手持ち現金)を把握するものではありません。
あくまでも数字上、帳簿上の利益を把握するものです。

キャッシュフロー計算書よりも資金繰り表の方が大事

手持ち現金を把握するには、このPLの他に、「キャッシュフロー計算書」というものを用意しなくてはなりません。
キャッシュフロー計算書で注意しなくてはならないのが借入金の返済です。

借入金の利息はP/Lに入りますが、借入金は基本的にP/Lに入れません。
なぜなら、経費として落ないからです。

このキャッシュフロー計算書に毎月の借入金の支払いを付け加えて管理すると「資金繰り表」になります。
経営者は基本的にこの資金繰り表を基にお金を管理したほうがいいと思います。

資金繰り表の例

中小企業の経営者にありがちな「どんぶり勘定経営」では多店舗展開は怖くてオススメできません。

金融機関がいくらお金を貸してくれると言っても、「減価償却費+営業利益=キャッシュフロー」が借入金を含めるとマイナスになる額まで借りてはいけません。
銀行はあくまでも営利団体です。

借入金が多くなればなるほど、利息の支払いのために経営することになり誰のために働いているかわからなくなります。
多店舗展開には数字の裏付けは必要不可欠です。

5年後の自己資本比率から逆算して経営計画を立てる

経営にとって大事なことは、P/Lから異常値を探し「仮説、分析、判断」に結びつけることです。
前月と比較して極端な動きのあった数字などをいち早く見つけ出し、その原因を探って手を打っていきます。

このP/Lは「店がいくら儲かっているか」という結果を把握するだけでなく、このP/Lを使って、売上予測から各経費予算を出し、利益目標まで組んでから毎月の営業に望み、結果と照らし合わせて効果測定をするという取り組みまで持っていくことが大切です。

ちなみに私の多店舗展開でのシミュレーションでは、5年後の出店計画まであらかじめ立てた上で、各年度別のキャッシュフローから借入金を引いた当期純利益から売上予算や各経費の予算を立て、それを踏まえたうえで出店計画を立てていきます。

つまり計数力のゴールは、5年後の自己資本比率を高めるためにロードマップなのです。

ブルーオーシャン戦略

ブルーオーシャン戦略とは、簡単にいいますと、競争のない、あるいは競争の少ない市場でビジネスをする戦略です。
ブルーオーシャンに対する言葉がレッドオーシャンという言葉で、レッドオーシャンというのは、競争がたくさんあってライバルがしのぎを削っている市場ということです。

そこから抜け出して、自社独自の市場を作ってビジネスをすると非常に上手くいくという考えがブルーオーシャンです。

競争相手が少ない場所でビジネスすると「5つの効果」が期待できます。

  • 価格決定権がある
  • 収益性が高い
  • 安定する
  • 継続率が高い
  • ストレスの少ない経営ができる

どれもこれも経営者視点で考えると素晴らしい効果です。
では、ブルーオーシャン戦略の肝になるのは何でしょうか?

それは二つあります。
一つ目は、“ポジショニング”です。

順に説明します。

ポジショニング

ポジショニングとは自社がどこのポジションに立つか、あるいは、自社や自社の商品はどのポジションに立つか、ということを工夫することです。
ライバルとはまったく違う土俵をつくり出すことで、ライバルとはぜんぜん違う、独自の市場をつくり出すことができます。

たとえばあなたが焼き鳥屋を開業するとしたら、どんな焼き鳥屋で開業しますか?
想定条件として、場所は決まっていて、道を挟んだ目の前には普通の焼き鳥屋が存在すると仮定しましょう。

ポジショニングの説明

ですから、少し異なったポジションで開業できないか考えてみることです。

たとえば、焼き鳥屋でいう「普通」とは何でしょうか?

  • 顧客の多くは男性
  • それも40~50代のサラリーマンに支持される
  • 平均的な串の価格は120円

など・・・その業界における普通を書き出せるだけ書き出します。

ここから以下の3つの方法を使って独自のユニークさを見つけます。

反対にしてみる

まずは「反対に」してみましょう。

焼き鳥屋の場合だと、

  • 男性中心だったら女性中心にするとどうなるか
  • 40代~50代のサラリーマン中心だった顧客を20代~30代に受け入れられるにはどうすればいいか
  • 女性お一人様でも入店しやすくするためにはどうするか
  • 串1本の価格を平均500円にして顧客に安いと言わせるにはどうしたらいいか

などです。

ポジションを小さくする

次にポジションを思いっきり小さくしてみます。

焼き鳥屋の例では、お客様を女性に限定してしまうとかです。
さらにここから絞込み、20代の女性専用の焼き鳥屋というポジションにすれば、競合店の少ない唯一無二のお店が生まれます。

焼き鳥屋イメージ

アパレルでも様々なジャンルを総合的に扱うのではなく「下着だけ」とか、さらに「男性用の下着だけ」に絞っていくとユニークさが生まれます。

意外な組み合わせ

最後が「A+Bの意外の組み合わせ」です。
平均的なものでも、別の意外な何かを組み合わせることでユニークなポジションを意図的につくることができます。

焼き鳥屋ですと先ほどあげた「焼き鳥+女性」の組み合わせや「焼き鳥+白ワイン」という組み合わせも意外性があります。

今の世の中には様々な業種業態が溢れかえっています。

いろいろな屋号と商品を単語カードに書いて、いろいろ組み合わせてみます。

「この業界に参入するとしたらこうするな」というのを常に考えていくのです。

今ある市場を再定義する

ブルーオーシャン戦略の肝になる二つ目は今ある市場を再定義することです。

例えば飲食店ならばお客様に提供している価値を書き出してみます。
「味×景色×値段×雰囲気×接客×待ち時間」などいろいろなポイントがあると思います。

競争が激しい業界の場合はどの店も、重要視するポイントは似てきます。
そこで市場を再定義するときは、重要視するポイントを選択することです。

例えば「景色×雰囲気×接客」は重要視せずに、「味×値段」をライバルよりも重要視したりします。

そういったやり方で誕生したのが、「俺の~」系列の飲食店です。
つまりブルーオーシャン戦略とは、お客様に提供する価値を取捨選択することです。

QBハウスもお客様に提供する価値を取捨選択してあの低料金を実現させることができました。

QBハウスの戦略キャンバス

しかし、ブルーオーシャン戦略も最強ではありません。
最初は1社だけだったブルーオーシャンにも、必ず模倣者が現れます。
いずれ必ずレッドオーシャンになります。

そのため複数のブルーオーシャン事業(成長期ビジネス)と組み合わせながら多店舗展開を図ります。

まとめ

多店舗化を図る基本戦略は財務改善です。
たとえば現在の経常利益が3%ならば、5年後に5%になるように計画を立てて出店していきます。

社長のシゴトはあくまでも会社の未来をつくることです。
だからこそ経営者自身が事業に組み込まれなくても会社が回る仕組みを作り、より社長業に専念しなくてはなりません。

そして時間創出後にやってほしいのはまずは財務改善です。


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個人店だからできる接客サービスの3原則

タイトル画像 個人店だからできる接客サービスの3原則

私が個人店の多店舗化のお手伝いをするときに真っ先にすることが「人づくり」と「仕組みづくり」です。

そのなかの「人づくり」の基軸になるのが「人間学」と「マインド教育」を中心とした接客サービスです。

個人店が大手と価格以外で差別化をはかり、個店の強みを活かしていくにはお客様との距離感を縮める接客が大切です。
つまりお客様の懐に入っていくことができる接客力が必要なのです。

飲食店でもサービス業店舗では、お客様が継続して来店していただくことこそ、継続的な利益を生み出すことができます。

つまり、繁盛とは、たった一人のお客様が繰り返し来店していただくことの累積にほかならないのです。

ですから、大切なことはご来店していただいたお客様に満足してもらって帰ってもらうことはもちろん、またこのお店を利用したいと思っていただく接客サービスをすることです。

そこで今回は飲食店向けに書きますが、リラクゼーションやエステ、整体、旅館ホテルなどでも応用できる接客サービスの3原則を解説します。

大手に勝つためにぜひ個人店は、このレベルまで接客レベルを引き上げていくようにしていきましょう。

接客サービスの3原則 「事前察知」

お客様にとって理想のお店とは、いつでもどの従業員からでも、質の高いサービスを受けられることです。

質の高いサービスとは

  • 「水をください」とお客様に言われる前に運んでくる
  • 取り皿を替えてほしいと思った瞬間にもう替えている
  • お客様の要求する絶妙なタイミングで料理提供する
  • 目線があっただけで足りないフォークを持ってくる
  • 「食後のデザートのことを聞きたいな」と思うと、いつの間にかスタッフが側にいる

サービスの本質は、お客様が「こうしてほしい」と思うことを「事前察知」し、言われる前にして差し上げることです。
だからこそ、お客様に「すいませーん」と声をかけられたら私たち経営陣の負けということです。

そうならないためには、お客様のちょっとした目線や仕草、食事のテンポ、一緒に食べている相手などから想像力をフルに働かせなくてはなりません。
お客様にとって本当に意味のあるサービスとは何かを具体的に察知できるようにしましょう。

飲食店の接客

従業員全員が、このような接客ができれば「すいませーん」とスタッフを呼ぶ声が一度も客席から聞こえなくなります。
お客様にとってそんなお店が理想なのです。

繰り返しますがサービスの本質は「こうして欲しい」と思うお客様の要望をいち早く察知して、言われる前にして差し上げること。
個店の接客は『場を読む力』が欠かせません。

接客サービスの3原則 「顧客認知」

お客様が飲食店を選ぶとき、自分なりの受けたいサービスの尺度を持っていて、そこに達していないお店は選択肢に入ってきません。

「おいしい」はもちろんのこと、「いつ行っても常連客として扱ってくれる」とか、「自分の好みを覚えてくれている」とか、「自分が頼んだものを覚えてくれている」とか・・・

たとえば5人で全員別々のメニューを頼んで、何も確認もせず各人の前に丁寧に商品が置かれる。
それがすべてビンゴ!

お客様を単なるグループとして捉えるのではなく、その中にいる個人について関心がないとこのような料理提供はできません。

このようにお客様を一個人として強く認識し、相手を深く知ろうとする行為を「顧客認知」と言います。

カフェの店員

好みの味やサービス、お気に入りの話題をわかった上で接してもらえたのならば、お客様は誰しも心地よく感じます。
顧客認知は、お客様に愛される接客の条件なのです。

その顧客認知の第一歩は、お客様をお名前でお呼びすることです。

常連のお客様がご来店されたら、目を合わせて、

  • 「〇〇さん、ようこそ!」
  • 「〇〇さん、こんばんは!」

しかし、名前はあくまでも相手に一歩踏み込むためのツールに過ぎません。
より大事なのは、相手の性格、料理やドリンクの好みなどを熟知して、その情報を接客に活かせるかどうかです。

  • 「〇〇さん、最初のドリンクはいつも通りの〇〇でよろしいですか?」
  • 「〇〇さん、この前は△△をお召し上がりでしたが、今日は□□などいかがでしょうか?」

このように一番大切なことは、お客様との距離感を縮めることと、お客様の懐に飛び込むことです。

大手外食店はテクノロジー化が進んでいるからこそ、個人店はあえて人対人のアナログのコミュニケーションにこだわっていくのです。

接客サービスの3原則 「オペレーション」

飲食店は基本が大事です。

  • しっかりとした盛り付けができてナンボ
  • オーダーを間違えず、お客様を待たせることなく料理提供できてナンボ
  • 金曜の夜の満席時でも、月曜のガラガラの夜でも変わらずに、ファーストドリンクを3分以内で提供できてナンボです。

そういう基本ができてこそ、はじめて心に余裕が生まれます。

飲食店店内イメージ

お店が回っているからこそ、自然に胸を張り、顔を上げて仕事できるようになります。
すると視界が開けてきます。

そこで初めて、「事前察知」や「顧客認知」が可能になります。

サービスの基本は、あくまでお客様が嫌だと思うことを無くすことです。

誕生日を祝ったり、名前を覚えたりするのもいいですが、それ以前に最初のドリンクがなかなか出てこないとか、料理の提供速度が遅いとか、心のこもった挨拶をしないとか、基本がなっていないとお客様はしらけてしまいます。

飲食店 店員によるサービス

そのため基本中の基本である「オペレーション」がしっかりしていることです。

「事前察知」も「顧客認知」も、「オペレーション」という基本があって初めて成り立つのです。

まとめ

人間は周囲から「見られている」と感じるだけで成長すると言われます。

女優さんなどがいい例です。
女優さんは、お客様から「見られている」、または「魅せている」という意識が強いからこそ、いつまでもキレイでいられるのです。

これは接客も同じです。

  • 「普通のお店」=見られているという意識を持つスタッフが半分程度いる
  • 「繁盛店」=スタッフ全員が見られているという意識を持っている
  • 「大繁盛店」=スタッフ全員が魅せてる意識を持ち、主体的な接客をしている

レベル3になると、接客以外でも常に自分の表情を意識してます。
なぜなら彼ら彼女らは舞台で活躍する俳優と女優だからです。(^^)

接客サービスの3原則ができるようになったら最後は魅せる接客を意識させます。常に口角をあげてニコニコ仕事します。

そのためには接客マインドを醸成させるためのOFF-JT研修を行ない、あとは現場でのロープレを愚直に繰り返すだけです。

接客マインドの育成

私の現場経験から言えば、この手順でやればほとんどの店が高いレベルの接客を実現することは可能です。

今回はわかりやすくするためにあえて飲食店向けに書きましたが、接客サービスの3原則は何も飲食店だけではなく、リラクゼーションやエステ、整体、旅館ホテルなどでも応用できます。

ぜひ挑戦してみてください。


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松下村塾に学ぶ「接客サービス」とは?

タイトル画像 松下村塾に学ぶ「接客サービス」とは?

皆さんは本末転倒という四字熟語を知っていますか?
本末転倒とは、物事の根幹的・根本的な所と、そうでない所を逆にとらえたり、または取り違えることを表わす言葉です。

つまり物事をみて、本=重要な所(幹)、末=枝葉、反対になっているよ、と戒めるときに使います。

では、「本学」と「末学」という言葉は聞いたことありますか?

「本学」とは人間性や倫理観のことで、「末学」は知識や技術を学ぶことです。
末学ばかりをやって、人間性を高めない学びが『本末転倒』ということです。

今回は、 吉田松陰の松下村塾を例に出して、「接客サービス」における「本末転倒」について、その順番の大切さについて説明していきます。

本末転倒の本とは「人間力」を身に付けること

人間教学の立場では、「末学」とは知識・技能・技術を学ぶことで「時務学」(その時々において修めなければならない知識・技能)とも呼ばれています。

人間学を学ぶ月刊紙 致知

一方「本学」とは人間力を身に付け、人格を磨き、徳性を育て、道徳や良い習慣を身に付ける学びのことなので「人間学」とも言います。

ものには必ず「本・末」というものがあります。
植物にたとえますと、「本」が根であり、「末」が枝・葉・花になります。
植物を育てるのにまず根を養うことが大切です。

そうすれば、外に現われてくる幹や枝や葉を健全に育てていくことができます。

教育で言えば本来ならば「本学」が優先されなくてはなりません。
それをあやまって、「末学」が「本学」の先に立ってしまうことを「本末転倒」と言います。

「本学」と「末学」を説明するために、吉田松陰の松下村塾のことを説明します。

日本史上最強の指導者・吉田松陰の教え

皆さんは吉田松陰という人物を知っていますか?

吉田松陰は、今年のNHK大河ドラマで吉田松陰の妹、杉文(すぎふみ)の生涯を描く『花燃ゆ』の放映で、2015年は書店やテレビでの露出度も高かったです。

しかし吉田松陰の名を知っていても、何をした人物か知らない人は多いと思います。

吉田松陰といえば、幕末に今の山口県の萩市に松下村塾という私塾を開校して、2人の総理大臣をはじめ、幕末から明治の激動期において、国家の体制を築き上げた多くの逸材を排出した、日本史上最強の指導者です。

吉田松陰

松下村塾卒業生で維新後の日本を動かした大物を挙げていきます。

  • 伊藤 博文(初代内閣総理大臣)
  • 山縣 有朋(第3・9代内閣総理大臣)
  • 山田 顕義(日本大学、國學院大学創設者)
  • 木戸 孝允(維新の三傑)

惜しくも維新前に戦死した塾生は

  • 久坂 玄瑞(長州一の秀才)
  • 高杉 晋作(奇兵隊の創設者)
  • 吉田 稔麿(松陰から最も期待された人物)
  • 入江 九一(禁門の変での参謀)

ら、松下村塾の四天王と呼ばれた4人です。

松下村塾の教育理念は、「学は人たる所以を学ぶなり」

松下村塾が実質的に吉田松陰の手によって開かれていた期間は、わずか2年4ヶ月です。

その間の門下生はわずか92人です。
1年くらいしか入塾していない者もいます。

さらに松下村塾で学ぶ門下生は、藩士の子だけでなく、足軽の子もいたし、農民や商人の子どもなどさまざまです。
つまり吉田松陰はどのような身分であれ、学びたいという者は無条件に受け入れたのです。

なぜ、松下村塾からこれだけ多くの人財が育ったのでしょうか?

それは吉田松陰は、教育において本末転倒にならないように気をつけていたからです。

吉田松陰は叔父から引き受けた村塾を開くとき、『松下村塾記』という理念書を作り、自らの教育理念を掲げました。

その理念が、「学は人たる所以を学ぶなり」です。

学は人たる所以を学ぶなり

これは「人と生まれたからには、人とはどうあるべきか、この世の中で何をなすべきか、それを学問しながら追求しよう」というものです。

つまり松下村塾の塾生に学ばせたのが「人としての道=本学」なのです。

人間関係と五倫の教え

では吉田松陰が考えた「人としての道」は何だったのでしょうか?

彼が作った「士規七則」にこのような言葉があります。

凡そ生れて人たらば、よろしく人の禽獣に異なる所以を知るべし。
かだし人には五倫あり、而して君臣父子を最も大なりとなす。

現代語訳にするとこうなります。

人間としてこの世に生を受けたのであれば、当然、人聞が鳥や獣とはちがうということを知るべき。

まさしく人間には五倫、つまり、父子の親、君臣の義、夫婦の別、長幼の序、朋友の信という、人の常に守るべき五つのありようがある。

その中でも特に君臣と父子のあり方が大切である。

父子の親、君臣の義、夫婦の別、長幼の序、朋友の信

人と動物と違う点は大きく分けると、

  • 父子の間には親愛がある
  • 君臣の間には礼儀がある
  • 夫婦の間には区別がある
  • 長幼の間には順序がある
  • 朋友の間には信義がある

この5つを吉田松陰は、人として常に自覚しなさいと門下生たちに教えたのです。
これが「本学=人間学」です。

そして、これらを知るために学問をしなさいと教えてきたのです。

吉田松陰自身も学者になるために学問をしてきたのではありません。
あくまでも現実の世の中と関わりながら、自分と関わる人をよい方向へと変えていきたいこうした思いで学んできたのです。

学問の第一等はあくまでも『人物をつくること』

松下村塾は“人間性を磨き合う人間道場”です。

なぜ松下村塾から多くの人材が育ったのか?
その答えを一言でいえば、『人間学』を教えてきたからです。

  • 『人物論』
  • 『人材論』
  • 『どのような人間が必要とされるのか』

ということを徹底的に学んできました。

学問の第一等は『人物をつくること』です!!

それを身につけたあと、具体的な技術や知識を学んでいけばいいのです。

飲食店の接客サービスにおける本末転倒とは?

では飲食店の接客サービスにおける「本学」と「末学」とは何なんでしょうか?

私が定義する「本学」とは、接客サービスの心構えを学び、正しい考え方、心のあり方を知り、テーブルサービスを通じて自分の人格を磨き高めることになります。

そして「末学」は、それらを表現するためのスキルのことです。

私が飲食事業部の責任者をしていたとき、「本学」についてアルバイトスタッフ達にこのような例を出して教えていました。
このような教え方をすると、若い子も素直に受け入れてくれました。

みんな、今日一日で数多くの「ありがとう」を集めてほしい!

たとえばお客様からは、「こんなお店があってよかった。今日は楽しい時間を過ごせた・・・だから、ありがとう!」

働く仲間からは、「こんなお店で働けてよかった。自分の人生を変えるきっかけになった・・・だから、ありがとう!」

取引先の業者様からは、「おたくと取引できてよかった。こんな時代でも人の温かさと気遣いに触れることができた・・・だから、ありがとう!」

笑顔のスタッフ

何のために「ありがとう」を集めるか?

それは「ありがとう」を集めるプロセスのなかで、それぞれの人間性を高めて欲しいから・・・

人は自分以外の人の喜びを自らの喜びとし、悲しみを自らの悲しみとするとき、人として大きく成長するという。

だから、「接客サービス」とは自らを高める行為そのものなんだよ。

今日来店される多くのお客様や、今日一緒に働いてくれる仲間が、限りある二度と帰らぬ時間というもの、このお店で使ってくれる。

だから、お金に替えられないものを提供していこう。

それを目に見える形にしたのが「ありがとう」なんだ。

だから今日一日で数多くの「ありがとう」を集めよう!


私は今から13年前、それまでの実績が認められて29歳の若さで部長に昇格しました。
10店舗を統括する立場になったので当時の私は有頂天でした。


ところが、初年度からチームは空中分解して過去最低の数字をだしてしまいます。
数字が下がるだけでなく、社員の退職者が増え、離職率が上がり、責任を取る形でわずか1年で部長降格です。

原因はワンマン経営で部下を信じることができず、テクニックや知識ばかりを部下にそのまま教え込んだことによるものです。

その後、4泊5日の社外研修に参加したことをキッカケで、「人づくり」の重要性に気づきました。

それから吉田松陰のことを知り、松下村塾の理念を知り、論語を中心とした人間学を学んでいったことで、人財教育における「本学」の重要性に気がついたのです。

それからというもの、まずは「心のあり方」を最初に教える人財教育のやり方を変えたのです。

いまお店の人財教育においてうまくいっていない方は、「末学」ばかり教えていないか振り返って見てください。
「末学」ばかり教えて「本学」を教えていないのなら、うまく行くわけはありません。
「本学」を教えないと「仕事」ではなく「作業」となってしまうからです。

まとめ

10年前、現場でやっていたころは、「サービスとは自らを高める行為そのものだ」ということを繰り返しスタッフ達に伝えてきました。

なぜなら飲食の現場は肉体的にも精神的にも辛いことが多いです。
だから、この「何のために」が明確でないと心が折れてしまうのです。

私は飲食の現場を通じて、本当に人として成長することができました。
だからこそ経営者や現場店長は、「働く第一等は何か」について、一人でも多くの若者に、「働く真の意義について」教えてあげてほしいと思います。


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成果を上げるには、自らの強みに集中せよ!強みを活かす5段活用法

タイトル画像 成果を上げるには、自らの強みに集中せよ!強みを活かす5段活用法

強み、強みって世間では言いますが、強みの定義ってなんだか考えたことはありますか?

そしてその強みをどのようにしてMYビジネスに活かしていけばいいのでしょうか?
今回は強みを活かす5段活用法について述べていきます。

STEP1 強みの定義をしっかり認識しよう!

起業するとき、また業績をあげようとするときに強みを活かせと世間ではよく言います。

では自分の強みとは何なんでしょうか?
私は強みとは、意識せずともできてしまう力です。

そうです。強みとはズバリ!!
「努力して頑張って身につけたというより、なぜか自然とできてしまった、それがあなたの「強み」なのです。

強みを見つけるときに大事なことは、「強み」は他人と比較しないことです。

強みを比較しないイメージ図

人と比べて「できる」「できない」で判断してはいけません。
また、小さいか、大きいかも関係ありません。

大事なポイントは、「成果に結びついているかどうか」ということです。

成果に結びついているのなら、どんなに小さいことでもそれが「強み」です。

STEP2 自分の強みを人から聞き出そう!

「強み」は意識せずともできてしまう力なので自分では自覚しにくいものです。

だからこそ、自分で無意識にやっていることをもっと意識しなければなりません。

そのためには他人の声に耳を傾けましょう。
自分だけで「強み」や能力を知るには限界があります。

耳を傾ける イメージ図

だからこそ、友人や家族にあなたの「強み」が何か聞いてみましょう。
ただ、漠然と「私の強みは何かな?」と聞いてもいい答えが返ってきません。

そこで、うまく「強み」を聞き出すためのコツがあります。

たとえば、

  • 「私に、安心して任せられることは何かな?」
  • 「“私といえば〇〇〇!”に当てはまるものってある?」
  • 「私の名前を聞いて、イメージすることは何かな?」

などと、聞くと友だちも答えやすいと思います。

さり気なく、友人から自分の強みとなるものを聞き出してみましょう。

STEP3 強みがわかったらそれを宣言しよう!

お客様から選ばれる人になるためには、自分をブランド化させなければなりません。

自分ブランド構築の目的は、人それぞれにあっていいと思いますが、お客様がブランドに求めているものを忘れてはいけません。

自己満足で商売は成り立たないからです。

ブランドとはズバリ、『約束』です!!
つまり、お客様がブランドに期待することは『信頼』なのです。

たとえばあなたが営業マンなら、あなたから買えば間違いないと思ってもらうように努力し続けなければなりません。
あなたから買えば間違いないと思ってもらえたら、あなたのブランドが完成です。

では、どうしたらそのような関係を築くことができるのでしょうか?

簡単にできる方法があります。

それは、あなたの「強み」にお客様の期待を集めることです。
たとえば、

  • 「私は〇〇の専門家です!」
  • 「私は〇〇が得意です!」
  • 「私は〇〇に詳しい人です!」

と、しっかり宣言するのです。

宣言する人のイメージ

当たり前ですが宣言すれば、期待が集まります。
今までとは比べものにならないほど、期待が集まります。

あとは、その期待に対して、一つひとつ応えていけばいいのです。

たまに「期待を集めて、それに応えられなかったらどうするのですか?」と心配される方もいらっしゃいますが、何も心配はいりません。
なぜならその期待は、あなたの「強み」に対しての期待なのですから・・・笑

「強み」とは、意識せずともできてしまう力!
だから、不安がることはありません。

むしろ宣言しないことのほうがリスクです。
なぜなら、あなたの強み以外のことで期待されてしまうかもしれないのですから・・・

STEP4 強みを積極的に伝えていこう!

まず商売の基本を抑えるためにこのことを忘れないでください。

いまの時代は、いい商品が売れているわけではないということです。

情報が氾濫する今日、人が一日に目にする情報量は驚くほど増えています。
10年前と比べると、500倍になっているというデータもあります。

これは100万円貯金があったら10年後に5億円になっている倍率です。笑

情報量の増加

こんな時代だからこそ、私たちはもっと「伝える」ということについて、真剣に考えないといけないのです。

皆さんのビジネスはどうですか?
日頃、伝えている言葉、発信している情報は、周りの人にどれほど伝わっているのでしょうか?

いまの時代は、いい商品が売れているわけではありません。
いい商品だと「伝わった」瞬間に売れるのです。

すべてのビジネスシーンにおいて、価値を決めるのはお客様です。
つまり情報の受け手であるお客様の評価がすべてなのです。

どんなに優れた強みを持っていても、魅力的な人柄であったとしても、伝わらなければ無いのと一緒です。

あなたの「強み」を無駄にしないためにも、伝え方を考える必要がありそうです。
自分が思っているほど、あなたの強みは伝わらないです。

STEP5 強みをキャッチフレーズにしよう!

いま、インターネットの世界では、ホームページを見て3秒で理解できなければ、お客様は去っていくと言われています。

リアルな出会いにおいても、それは同じです。
周りの人が、あなたの自己紹介を聞いて3秒で興味がわかない人と判断されたならば、あなたは価値のない人と認識されてしまいます。

つまり、お客様はあなたのもとから去っていくという意味です。

これらの問題を解決してくれるのがキャッチフレーズです。
ですから、キャッチフレーズは「あなたの強み」を表現したものにしてください!

そしてお客様が心底欲しがるものにするのです。
しかも、短く、興味を引く言葉で言い表したものが理想です。

キャッチフレーズの例

あなたの「強み」を、書き出してみてください。
その「強み」を、短く、興味を引く言葉に変えます。

たとえば〇〇のための〇〇プロデューサーなどと名乗ってみてください。

キャッチフレーズを作り、名乗ることで、周りの人たちに対してだけでなく、自分への宣言にもなります。
そして、そのキャッチフレーズを、名刺だけでなく、ブログやメルマガでも使うといいでしょう。

3秒間でお客様が自分に対してメリットを与える人だと認識してもらうためにはキャッチフレーズは必要不可欠です。

ぜひ、あなたのキャッチフレーズを作ってみましょう。
そして強みを外に発信していきましょう!!


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