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飲食店オーナーなら知っておきたい、繁盛店の看板メニューの6つの法則!

飲食店オーナーなら知っておきたい、繁盛店の看板メニューの6つの法則!

繁盛店には必ず看板商品というものがあります。
看板商品とは、単純に商品として売上につながるだけではなく、店の顔となり、自然に営業までしてくれる強力なツールです。

商品の差別化は誰もが言うことですが、実は、ほとんどの飲食店ではこの努力がなされていません。

商品の差別化とは、たんに他店と違うというだけではありません。
顧客を引きつけてやまない魅力を備えたオリジナリティーを持つことです。

今回は、飲食店における看板メニューの作り方と主力カテゴリーについて述べさせていただきます。

看板商品の原価は60〜70%かける

看板商品を作るためには50%以上の原価をかけることです。
でないと集客力につながらないからです。

たとえば札幌のススキノにある、居酒屋はちきょうの看板メニューは「いくらの醤油漬け丼」の原価率は60~70%ほどです。

この看板メニューはTV・雑誌に取り上げられ、お店を来た多くの顧客がブログやSNSにアップする名物商品です。
つまり「はちきょう」はこの看板商品があるため、お客様が優秀な営業マンになってくれるのです。

このお店、食べログの口コミ件数は224件もあり、評価も☆3.54の大繁盛店です。(2015年10月2日時点)
この人気の秘密は提供方法もじつにユニークだからです。

店員がたっぷりのイクラが入ったボールをもってテーブルにやってきます。

そしてルール説明をした後、「おいっーさー、おいっーさー」の掛け声とともに山盛りにイクラを乗せていきます。
この間、店内からは掛け声に合わせた拍手も掛けられて、大変な盛り上がりになります。

看板商品を作るときには原価率はおいて、このインパクトが必要ですが、お店全体の原価率は35%に収まっているといいます。
つまり粗利益率の高い商品と低い商品を組み合わせる「粗利ミックス」によって原価を抑えているのです。

看板商品の効力と設計上のポイント

看板商品の効力をまとめますと、

  • 新規のお客様を獲得することができる
  • 口コミでお店の情報が拡散される
  • マスコミに紹介される
  • お客様が「年に一度(忘年会)行く店」の候補となる
  • 久しく店へ足を運んでいただいていない、消滅しそうなお客様を復活させることができる

どんなお店においても、「看板商品」を持っているのと、持っていないのでは、お客様を口コミさせる場合において、まったく異なる結果をもたらします。
だからこそ、皆さんのお店でもぜひ検討してみてください。

看板商品のポイント:

  • 度肝を抜くほどの目立つ商品・サービスはお客様の記憶にのこる!
  • 度肝を抜く商品を見ると、お客様は誰かに話したくなる!

これを覚えておくだけでも、飲食店の集客、売上に役立ちます。

繁盛店の看板商品は6つのパターンがある

繁盛店の看板商品を分析してみますと大きく分けて6つのパターンにわけられます。

【パターン1】インパクトのある見た目(一般サイズ×1.7倍)
【パターン2】ありそうでなかった組み合わせ
【パターン3】シズル感で売る
【パターン4】切り方や調理法の工夫でのインパクト
【パターン5】食べ方提案
【パターン6】お客様の好みに合わせてカスタマイズ

順番に解説していきます。

【パターン1】インパクトのある見た目

パターン1の「インパクトのある見た目」は、看板商品としてもっとも典型的でよく使われます。

「外見」という、パツと見ればわかる、目にものを言わせる要素は、相手を選びません。
そして、誰でも理解が可能です。

モノを見る目、すなわち、食への多様な価値観をまったく必要としないため、見込客を幅広く想定できます。

誰でも思い浮かべる「インパクトある見た目」のパターンは、

▼デカメニュー

デカメニュー

▼姿づくり

姿づくり

▼形状の変更

形状の変更

▼ありえない食器

ありえない食器

▼グルメ食材をふんだんに使う

グルメ食材をふんだんに使う

▼目の前で仕上げる

目の前で仕上げる

このようなメニューはわかりやすい美味しさであり、 わかりやすい看板商品になります。
みなさんのお店でも、「インパクトのある見た目」メニューに挑戦してみましょう。

【パターン2】ありそうでなかった組み合わせ

パターン2の「ありそうでなかった組み合わせ」は、AとB。

つまり、それぞれ個別にはよく口にするけど、いっしょに食べるとなると、ちょっと抵抗がある、変わった組み合わせのことです。
でも食べてみると意外においしい!そんなメニューです。

たとえば、

  • クリームチーズ×おかか
  • ハンバーグ×パンケーキ
  • 桃×モッツァレラ
  • バニラアイス×ブラックパッパー
  • 肉団子×ジャム
  • 豆腐×ヨーグルト
  • ベーコン×メープルシロップ
  • うなぎ×梅干
  • 味噌汁×ヨーグルト、などです。

このようなエッ、て驚くような組み合わせであるほど、口コミで拡散されやすくなります。
ぜひ挑戦してみてください。

【パターン3】シズル感で売る

パターン3は「シズル感を売る」です。

人は料理から感じることのできる「温度」「音」「香り」「色」に食欲本能を刺激されます。

五感のなかでもとくに人間の情報は、視覚から得るものが8割だと言われています。

鉄板の上でジュージューと音を立てて焼かれる「ステーキ」や、クラッシュアイスがたっぷり敷き詰められたうえに盛られた「刺身」等、シズル感のある鮮度の高い料理には特に食欲をかき立てられます。

ジューシーなハンバーグ
  • 肉ならば、滴り落ちる肉汁、肉のジューシーさ、焦げ目、肉の焼ける音・・・
  • 温かい料理、飲み物ならば、食品から立ち上る湯気、焼ける煮える揚げる音・・・
  • 冷たい料理、飲み物ならば、食品まわりの冷気、表面の水滴、グラスに当たる氷の音・・・
  • 果物や野菜ならば、表面の水滴、切り口の水滴、果物や野菜を切る音などもシズル感といっていいでしょう。

これらをお客様に感じてもらえるような提供方法をぜひ考えてみてください。

【パターン4】切り方や調理法の工夫でのインパクト

パターン4は「切り方や調理法の工夫でのインパクト」です。

食材の切り方や調理法を変えるだけでもお皿にのせたときの印象が変わります。

たとえば切り方では「分厚いとんかつ」メニューの開発です。
通常とんかつの厚さは2センチほどです。
これを倍の4センチにするだけで見た目のインパクトは違います。

分厚いトンカツ

現場としては提供時間がかかりすぎてリスクを回避したがりますが、この方が口コミになるのです。

そのほかには、たとえば塊肉を選んで焼き上げる「骨付き仔牛のローストビーフ」ならば、お好きな塊肉をお客様に選んでもらいます。
そしてお客様が自分で選んだインパクト大の塊肉をそのお店にこだわりの調理法でじっくり焼き上げるのです。

これだけでも格別の味わいに生まれ変わります。

このように今提供している食材の切り方や調理法を工夫できないか考えてみるのです。

【パターン5】食べ方提案

パターン5のひつまぶしのような食べ方提案です。

名古屋の名物料理である「ひつまぶし」は、うなぎの蒲焼を細かく刻んでご飯にまぶしたものです。

  • 一膳目はお茶碗に盛り、そのままウナギの味を楽しむ。
  • そして二膳目はさらしネギとワサビを加えて混ぜ、ネギの歯ざわりとワサビの風味を楽しむ。
  • 最後、三膳目は薬味と海苔をのせ、おだしをかけて「うな茶漬け」として楽しむ。

このような食べ方提案ができると看板メニューとなります。

日本橋にある行列ができる有名な海鮮丼のお店「つじ半」の海鮮丼(ぜいたく丼)はまさにこのタイプです。
つじ半は、つけめん「めん徳二代目 つじ田」と天丼「金子半之助」がコラボして作ったお店です。

海鮮丼のお店「つじ半」の海鮮丼
  • まずは醤油の入った小鉢に山葵を溶いて、丼の魚介にかけます。
  • やがて丼が空になると、カウンターの板前さんに、丼にご飯と出汁を入れてもらいます。
  • そこに、小皿に盛られていた刺身を添えて食べると提案です。

「めん徳 二代目 つじ田」のつけ麺の食べ方提案は、

  • 最初の1/3はそのまま食べます。
  • 次に残り2/3になったらすだちを絞って食べます。
  • そして残り1/3になったら黒七味を入れて仕上げです。
「めん徳 二代目 つじ田」のつけ麺

この両店や「金子半之助」は3店舗とも食べログの評価は☆3.60の大繁盛店です。
1時間並んでも食べたいお店です。

【パターン6】お客様の好みに合わせてカスタマイズ

パターン6の「お客様の好みに合わせてカスタマイズ」できるメニューです。

この手法で有名なのはサンドイッチチェーンの「SUBWAY」や都内で話題の生パスタ店「Gaston&Gaspar」です。
両店ともお客様が自分の好みに合わせて、自由にカスタマイズできます。

パスタの種類

そのほかに東京スカイツリーの中に「レムソンズ」というアイスクリーム店も同様な方法で人気を集めています。

このお店では顧客自身がセルフサービスでアイスを盛った分だけ量り売りするというコンセプトです。
量り売りの立ち食いステーキ専門店「いきなり!ステーキ」もこの応用です。

レムソンズのアイスクリーム

以上6つが、繁盛店の一番商品のパターンです!

みなさんのお店のあの商品やこの商品も、いずれかのパターンを使って看板メニューができないか考えてみてください。
看板商品は集客力や口コミ力になるからです。

看板商品の売上構成率は15%を目標にする

看板商品の売上構成はドリンクを含めた構成で、一品で15%が目標にしましょう!

たとえば、売上1日10万円のお店の場合ですと15000円です(10万円×15%)
この看板商品の価格が一品750円とすれば、20個となります!(15000円÷750円)

ちなみに多くのお店の看板商品の構成率は5~6%ほどです。
これを上記の6つのパターンを使い、さらに強化して15%を目指していくのです。

これは本当に不思議ですが看板商品の出数を増えれば増えるほど、そのお店全体の売上が嘘みたいに上昇します。

逆に言うと、売上が落ちてきたと思ったときは、直近1年間の商品別の売上構成比(月ごと)を調べてください。
その多くは看板商品の出数が落ちているケースが大半です。

これは海鮮居酒屋であろうが、焼鳥店であろうが、定食屋であろうが、看板商品の出数が増えれば増えるほど、お店の売上が伸びるというのが 飲食店すべてで共通する原理原則なのです。

看板商品を中心とした主力カテゴリーをつくる

看板商品が出来上がったら次にやってほしいのは、その看板商品を中心とした主力カテゴリーを強化することです。

なぜなら看板商品の一品だと目的来店客を獲得することが難しいからです。

つまりこの目的は「この料理ならココ」と印象付けることが大事なのです。

霜降り肉とウニ

総合居酒屋が苦戦していて、専門店の居酒屋が好調なのもその理由です。
ファミレスだと「色々な料理を食べたい」というお客様のニーズを満たすことはできても、「あの店に行けばコレが食べられる」という強い印象を与えることができません。

そして印象に残らないお店は次回再来店の動機付けにはならないからです。

昨今、客数が増えない時代だからこそ、”常連客の獲得”に力を入れていきましょう。
だからこそ主力カテゴリーのメニューを強化して、「この料理ならココ」という印象付けをおこなうのです。

主力カテゴリーのアイテム数は減らすのはNG

売上が伸び悩み、客数が減ってくると効率化のためABC分析のCランク商品をカットすることが多いです。

もちろんCランク商品を削除していくことは間違いではありませんが、主力カテゴリー内の商品なら注意が必要です。

なぜなら、主力カテゴリーのアイテム数やメニューブック上のレイアウト面積が減少すると、高い確率でそのカテゴリーの売上は減少するからです。

つまり『集客目的で自店のウリを打ち出している主力カテゴリーが目立たなくなり、お客様に買ってもらえなくなる現象』が発生するのです。
ということは、お客様の心理は、そのお店を選択する目的性が低下します。

これにより客数が減少し、全体売上も落ちていくのです。
これが、主力カテゴリーの弱体化による売上低下の始まりと言います。

逆に、主力カテゴリーの売上高が伸びれば、お客様の目的来店性が高まっている証拠であり、集客力が高まり、全体売上もアップします。

だから大切なことは、看板商品と主力カテゴリーの売上を伸ばすことなのです。

まとめ

繁盛店には必ず看板商品というものがあります。
逆にいうと看板商品があったからこそ、繁盛店になったとも言えるでしょう。

なぜなら看板商品は単純に商品として売上につながるだけではなく、店の顔となり、自然に営業までしてくれる強力なツールになるからです。

ですから、ぜひ今回の6の法則を参考にしながら皆さんのお店の看板商品を作ってみてください。


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店舗ビジネス業界のトップ3%をつくる、5店舗化プロデューサー
加納 聖士

財務改善のための3本の矢

タイトル画像 財務改善のための3本の矢

5年後の財務状況を改善するために「時流適合」×「計数力」×「ブルーオーシャン戦略」の3本の矢を使いながら経営戦略を立ていくことをオススメしております。
これを「財務改善のための3本の矢」と呼んでいます。

今回はこの3本の矢について順番に説明していきます。

時流適合

「時流適合」とは、時間の経過とともに刻々と変化する時間の流れ・世の中の流れ=消費者のニーズにビジネスモデルや商品を合わせるという意味です。
時流に適合することは、財務状況を改善していくために最も効果的です。

これを身近なもので説明します。

まずはデジカメ、カーナビ、腕時計などです。

これら共通することはスマホの普及によっていま絶滅の危機を迎えているということです。

数字にも如実にあらわれています。

コンパクトデジカメは2010年には、国内出荷数が約1000万台、海外を含めた総出荷数1億台と最盛期を迎えていましたが、昨年2014年の調査では、わずか4年間で4割減少しました。

今のコンパクトデジカメならば経営の神様・松下幸之助氏でも、ソフトバンクの孫正義氏でも立て直すことは難しいと思います。

スマートフォン

このほかにカーナビ市場も、腕時計もスマホの普及により瀕死状態です。

つまり“下りのエスカレーター”に乗ってしまうと、どんなにがんばっていても業績は上がらないのです。

一方で“上りエスカレーター”に乗っていれば簡単に業績を上げることができます。

この例からいまの主役プレーヤーであっても“時流適合”できてなければ、10年後、15年後はどうなっているかわからないのです。
そのため財務状況を改善しながら多店舗展開を図るには、マクロトレンドをつかみ、それを自社の経営(ミクロ)に落とし込むことが必要です。

時流に乗れば財務状況は一気に改善されていきます。

計数力

経営には数字がつきものです。

私は手前味噌になりますが、65店舗の数字を一人で管理して改善してきました。
だから経営数字は得意中の得意です。

とは言っても私は税理士でも会計士でもないので難しいことはわかりませんし、わかる必要もないと思っています。

でも、経営者として最低限、知らなければならない数字はあります。

少し厳しい言い方になりますが、経営に必要な数字を知っているだけでは幼稚園児、意味がわかるのが小学生、その数字を応用できてようやく中学生レベルです。
大人のレベルはそれを基に瞬時に問題点を発見し、状況を改善して数字を良くするところまでいきます。

1店舗の数字を把握するのが店長であり、複数店舗になればスーパーバイザー(SV)、全社的な視点で見るのが経営者です。

キャッシュフローを意識する

数字は難しいものではありません。

飲食店やサービス業に使用する計算は、店長も経営者も「+-×÷」のみです。
中学生程度の計算知識と電卓さえあれば大丈夫です。

必要な数字を修得するには「意味の理解」と「暗記」しかありません。

たとえば現場店長でも把握したいのがP/L(損益計算書)です。
Pはプロフィット(利益)、Lはロス(損)という意味です。

損益計算書

単純に一番上にあるのが売上です。

その売上から材料費などの原価を引いたものが粗利益、ここから人件費や水道光熱費、家賃や減価償却費などすべての経費を引いたものが営業利益となります。
この営業利益に、先ほど引いた減価償却費を再び足して、借入金の返済額を引いたのが手元に残る現金、すなわちキャッシュフローです。

減価償却の例

いわゆる「償却後利益」というものです。

しかし、これはキャッシュフロー(手持ち現金)を把握するものではありません。
あくまでも数字上、帳簿上の利益を把握するものです。

キャッシュフロー計算書よりも資金繰り表の方が大事

手持ち現金を把握するには、このPLの他に、「キャッシュフロー計算書」というものを用意しなくてはなりません。
キャッシュフロー計算書で注意しなくてはならないのが借入金の返済です。

借入金の利息はP/Lに入りますが、借入金は基本的にP/Lに入れません。
なぜなら、経費として落ないからです。

このキャッシュフロー計算書に毎月の借入金の支払いを付け加えて管理すると「資金繰り表」になります。
経営者は基本的にこの資金繰り表を基にお金を管理したほうがいいと思います。

資金繰り表の例

中小企業の経営者にありがちな「どんぶり勘定経営」では多店舗展開は怖くてオススメできません。

金融機関がいくらお金を貸してくれると言っても、「減価償却費+営業利益=キャッシュフロー」が借入金を含めるとマイナスになる額まで借りてはいけません。
銀行はあくまでも営利団体です。

借入金が多くなればなるほど、利息の支払いのために経営することになり誰のために働いているかわからなくなります。
多店舗展開には数字の裏付けは必要不可欠です。

5年後の自己資本比率から逆算して経営計画を立てる

経営にとって大事なことは、P/Lから異常値を探し「仮説、分析、判断」に結びつけることです。
前月と比較して極端な動きのあった数字などをいち早く見つけ出し、その原因を探って手を打っていきます。

このP/Lは「店がいくら儲かっているか」という結果を把握するだけでなく、このP/Lを使って、売上予測から各経費予算を出し、利益目標まで組んでから毎月の営業に望み、結果と照らし合わせて効果測定をするという取り組みまで持っていくことが大切です。

ちなみに私の多店舗展開でのシミュレーションでは、5年後の出店計画まであらかじめ立てた上で、各年度別のキャッシュフローから借入金を引いた当期純利益から売上予算や各経費の予算を立て、それを踏まえたうえで出店計画を立てていきます。

つまり計数力のゴールは、5年後の自己資本比率を高めるためにロードマップなのです。

ブルーオーシャン戦略

ブルーオーシャン戦略とは、簡単にいいますと、競争のない、あるいは競争の少ない市場でビジネスをする戦略です。
ブルーオーシャンに対する言葉がレッドオーシャンという言葉で、レッドオーシャンというのは、競争がたくさんあってライバルがしのぎを削っている市場ということです。

そこから抜け出して、自社独自の市場を作ってビジネスをすると非常に上手くいくという考えがブルーオーシャンです。

競争相手が少ない場所でビジネスすると「5つの効果」が期待できます。

  • 価格決定権がある
  • 収益性が高い
  • 安定する
  • 継続率が高い
  • ストレスの少ない経営ができる

どれもこれも経営者視点で考えると素晴らしい効果です。
では、ブルーオーシャン戦略の肝になるのは何でしょうか?

それは二つあります。
一つ目は、“ポジショニング”です。

順に説明します。

ポジショニング

ポジショニングとは自社がどこのポジションに立つか、あるいは、自社や自社の商品はどのポジションに立つか、ということを工夫することです。
ライバルとはまったく違う土俵をつくり出すことで、ライバルとはぜんぜん違う、独自の市場をつくり出すことができます。

たとえばあなたが焼き鳥屋を開業するとしたら、どんな焼き鳥屋で開業しますか?
想定条件として、場所は決まっていて、道を挟んだ目の前には普通の焼き鳥屋が存在すると仮定しましょう。

ポジショニングの説明

ですから、少し異なったポジションで開業できないか考えてみることです。

たとえば、焼き鳥屋でいう「普通」とは何でしょうか?

  • 顧客の多くは男性
  • それも40~50代のサラリーマンに支持される
  • 平均的な串の価格は120円

など・・・その業界における普通を書き出せるだけ書き出します。

ここから以下の3つの方法を使って独自のユニークさを見つけます。

反対にしてみる

まずは「反対に」してみましょう。

焼き鳥屋の場合だと、

  • 男性中心だったら女性中心にするとどうなるか
  • 40代~50代のサラリーマン中心だった顧客を20代~30代に受け入れられるにはどうすればいいか
  • 女性お一人様でも入店しやすくするためにはどうするか
  • 串1本の価格を平均500円にして顧客に安いと言わせるにはどうしたらいいか

などです。

ポジションを小さくする

次にポジションを思いっきり小さくしてみます。

焼き鳥屋の例では、お客様を女性に限定してしまうとかです。
さらにここから絞込み、20代の女性専用の焼き鳥屋というポジションにすれば、競合店の少ない唯一無二のお店が生まれます。

焼き鳥屋イメージ

アパレルでも様々なジャンルを総合的に扱うのではなく「下着だけ」とか、さらに「男性用の下着だけ」に絞っていくとユニークさが生まれます。

意外な組み合わせ

最後が「A+Bの意外の組み合わせ」です。
平均的なものでも、別の意外な何かを組み合わせることでユニークなポジションを意図的につくることができます。

焼き鳥屋ですと先ほどあげた「焼き鳥+女性」の組み合わせや「焼き鳥+白ワイン」という組み合わせも意外性があります。

今の世の中には様々な業種業態が溢れかえっています。

いろいろな屋号と商品を単語カードに書いて、いろいろ組み合わせてみます。

「この業界に参入するとしたらこうするな」というのを常に考えていくのです。

今ある市場を再定義する

ブルーオーシャン戦略の肝になる二つ目は今ある市場を再定義することです。

例えば飲食店ならばお客様に提供している価値を書き出してみます。
「味×景色×値段×雰囲気×接客×待ち時間」などいろいろなポイントがあると思います。

競争が激しい業界の場合はどの店も、重要視するポイントは似てきます。
そこで市場を再定義するときは、重要視するポイントを選択することです。

例えば「景色×雰囲気×接客」は重要視せずに、「味×値段」をライバルよりも重要視したりします。

そういったやり方で誕生したのが、「俺の~」系列の飲食店です。
つまりブルーオーシャン戦略とは、お客様に提供する価値を取捨選択することです。

QBハウスもお客様に提供する価値を取捨選択してあの低料金を実現させることができました。

QBハウスの戦略キャンバス

しかし、ブルーオーシャン戦略も最強ではありません。
最初は1社だけだったブルーオーシャンにも、必ず模倣者が現れます。
いずれ必ずレッドオーシャンになります。

そのため複数のブルーオーシャン事業(成長期ビジネス)と組み合わせながら多店舗展開を図ります。

まとめ

多店舗化を図る基本戦略は財務改善です。
たとえば現在の経常利益が3%ならば、5年後に5%になるように計画を立てて出店していきます。

社長のシゴトはあくまでも会社の未来をつくることです。
だからこそ経営者自身が事業に組み込まれなくても会社が回る仕組みを作り、より社長業に専念しなくてはなりません。

そして時間創出後にやってほしいのはまずは財務改善です。


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業態には寿命がある!だからこそフランチャイズ加盟には旨みある

タイトル画像 業態には寿命がある!だからこそフランチャイズ加盟には旨みある

業態には寿命があります。
業態寿命とは「成長カーブ」のことです。
よくいう、導入期、成長期、成熟期、衰退期の4つのことです。

今回は業態寿命のリスクヘッジとして、あまり知られていないフランチャイズ加盟のメリットについて述べていきます。

成長カーブ

ビジネスを行なううえで成長カーブは大事です。
成長カーブとは時間の経過と、物事の成長・発展との関係を表すカーブのことです。

成長カーブは、図のように「S」字型の曲線を描きますので、別名「Sカーブ」とも呼ばれ、ウサギやアメーバなどもこのカーブを描くことが知られています。

成長カーブ(Sカーブ)

つまり成長カーブはビジネスだけではなく人の一生についても、国の繁栄についても、さらに生物の増殖過程についても一貫した「自然の法則」なのです。

成長カーブは、導入期、成長期、成熟期、衰退期に分けています。

初期段階である導入期は、立ち上がり時期なのでそれほど成長度は高くありません。
それが真ん中の成長期になりますと一気に伸び、成長・発展していきます。

そして、ひと通り成長したあとは静かに成熟期に入り衰退期を迎えます。

これは商品や事業のライフサイクルも同じような成長カーブを描きます。
したがって、その商品や事業がいつから伸びるのか、伸びなくなるのかを高い精度で予測することもできます。

業態は年々短命になっている

現代は業態寿命が年々短くなっています。

とくに飲食業界は短命です。
平均わずか2年という業態寿命の飲食業界では、新規出店に莫大な初期投資費を投入し、回収を行うことが出来ず、結果お店を撤退しなければならないという事態も少なくありません。

だからこそ現代は1つのビジネスに対する業態寿命が短いので、1つの事業に特化するのではなく、保険的な意味でも複数の事業ポートフォリオを持つべきだという声が多いです。

事業ポートフォリオとは、企業が多角化戦略を取った際のさまざまな事業群の組み合わせのことを言います。

事業ポートフォリオ例

私の意見は多角化戦略を考えるときフランチャイズ加盟は有効な手段だと思います。

世間ではフランチャイズ(加盟店)はあまり儲からないと思われていますが、じつはいろいろな利点があるのです。

マルチブランドフランチャイジー

マルチブランド・フランチャイジーという言葉は聞いたことがありますか。
マルチブランドというのは、「マルチ=複数」の「ブランド=フランチャイズ・パッケージ」に加盟している「フランチャイジー=フランチャイズ加盟店」のことです。

私が役員をしていた会社は、まさにこのマルチブランドフランチャイジーという業種で、フランチャイズを中心に28ブランドで5業態(飲食、教育、美容、介護、宅配)のサービス店舗を65店舗運営していました。

この中でもフランチャイズ以外に自社のオリジナルブランドを5つ持っていて7店舗あります。

私はこの業界に22年いましたのでフランチャイズ業態とオリジナル業態のそれぞれのメリット&デメリットをよくわかっています。

それらの点を踏まえて、弊社はマルチブランドフランチャイジーとしてフランチャイズ店を多く持っているのです。

その一番の理由は、業態には寿命があるという考え方からです。

新規事業はどのタイミングで参入すればいいのか

新規事業を始めるとき、成長カーブのどのタイミングで参入するのがいいのでしょうか?

ふつうは成長期と答える人が多いと思いますが、一部の方は衰退期がいいという人もいます。

この理由は成長期だと競争が激しく利益がほとんど出ないため、競争の少ない成熟期や衰退期がいいというものです。

このような意見があるのは事実ですが、それでも私の意見は参入するのならやはり成長期のほうがいいと思います。

というのは、成長期にはその事業で得られる収益全体の80〜85%が得られるからです。
成長期に参入しないほうがいいという声を正確にいい直すとしたら、成長期の後半は競争が激しいから儲からないということです。

成長カーブ 算入時期の説明

しかし成長期の前半に参入するならば、まだライバル会社も少なく価格もさほど崩れていないので、大きなビジネスチャンスをつかむことができます。

フランチャイズ加盟は成長期の前半を狙え

もし仮にフランチャイズ加盟を考えるのならば、成長期の前半を見極めて加盟することをオススメします。

商売の成否はタイミングを抜きに語れません。

極端な例ですが、もし仮に松下幸之助が21世紀に生まれ変わってきてエアコンをつくっても、絶対に大富豪にはなれません。
どんな天才経営者をもってしても、今の日本では、エアコンでは大富豪にはならないのです。

つまりビジネスの成功と、経営者の優秀性は必ずしも一致しないのです。

その点を踏まえて、新規事業や起業を成功させるために必要なことはタイミングです。
つまり、いつ市場に参入するかが鍵なのです。

参入タイミングさえ間違えなければ、順調に新規事業が立ち上げります。
一度立ち上がってしまえば、あとはエスカレーターに乗せられたように、自動的に売上があがっていきます。

だからこそフランチャイズ加盟は、そのブランドの成長期の前半を見極めて加盟すれば、楽に成長することができるのです。

ある程度の知識と情報があり、さらに人口動態統計と政府政策がわかれば、これから伸びていく業種は予測できます。

その中でもっとも優秀なフランチャイズ本部に加盟すればよいのです。

創立5年の会社の生存率

新規業態を考えるときに、参考になるのが「会社の生存率」という数字です。

創立5年後の生存率ですが、独立店は15%でフランチャイズ店が70%という数字を知っていますか?

創立5年後の生存率 フランチャイズの方が4.6倍も生存率が高い!

これは税務署調べの統計を「ベンチャー通信」という雑誌が記事として発表したもので、まぎれもない現実です。

この違いを成長カーブで説明しますと、独立店は導入期からスタートするのに対して、フランチャイズ店は成長期からスタートしています。

つまりフランチャイズ本部としてFC展開を考えている企業は、自社のブランドがすでに成功(成長期の前半に入っている)している前提からフランチャイズ化していますので、加盟店がやっても生存率は高いのです。

この点を考えると、フランチャイズとは成功したビジネスモデルを「お金」で買うことなのです。

さらに業態開発という生みの苦しみである「導入期」をワープして、「成長期」からビジネスをはじめることができます。

だから業態の選択を誤らなければ、時流という波に乗り一気に駆け上ることができます。

ちなみにこれから伸びていく業態は、放課後デイサービス、調剤薬局、リユース業界、家事代行業などです。

高度成長期のときは、日本経済自体が成長カーブに乗っていたから誰でも簡単に成功することができましたが、今はそうはいかないです。

だからこそ個々の事業をそれぞれ成長カーブに乗せていくという考え方が必要なのです。

業態には必ず衰退期がある

現在、日本の多くの産業が成熟期から衰退期に入っています。

小売業ならば百貨店、GMS(総合スーパー)、SC(地方のショッピングセンター)、外食ならば居酒屋、その他、本屋やガソリンスタンドやデジタルカメラなどがそうです。

もしも自社開発の業態で衰退期に突入したら、新たな業態に舵を切り替えようとしても、コストの面からなかなか身動きが取れません。

さらにフランチャイズ本部として展開してしまったら、加盟店が1社でもあれば、なかなか撤退することができません。

その点、フランチャイジー(加盟店)側ならば、撤退に対するリスクは本部よりも圧倒的に少ないのです。

まとめ

前職で28ブランド5業態のマルチブランドで運営していたのは業態には成長カーブがあるからです。

だからこそ、それぞれ成長期から成熟期にかけてのブランドを集めて事業運営していました。

そして衰退期に入った業態はタイミングをみてスクラップしていたのです。

しかしスクラップしてもリストラはしません。

貴重な人材と物件は残りますので、そこに新たな成長ブランドを探し出してビルドしていきます。

つまり「スクラップ&ビルド」という戦略のもと会社を成長させていったのです。

現在は業態の寿命は、年々短命になっています。

だからこそフランチャイズジー(加盟店側)は利点が多いのです!

この点も含めて事業ポートフォリオとして、フランチャイズ加盟というのも有効な手段になるのです。


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大手GMSが軒並み苦戦!2020年までにヨーカ堂、ユニーが大量閉店する

タイトル画像 大手GMSが軒並み苦戦!2020年までにヨーカ堂、ユニーが大量閉店する

国内に約1850ある総合スーパー(GMS)に大量閉店の波が押し寄せています。

GMSは「ゼネラル・マーチャンダイズ・ストア」の略で、和訳では「総合スーパー」と略すことが多いです。
この総合とは通常、食料品に衣料品、住居関連品などを組み合わせて販売する形態を指し、イオンやイトーヨーカドー、アピタなど代表的なチェーンです。

このGMSのセブン&アイ・ホールディングスの傘下のイトーヨーカ堂は2020年2月期までに40店、ユニーグループ・ホールディングスでも最大で50店を閉店する方針を固めました。

今回は、GMS苦戦の20年を分析しながら、これをどう自社のビジネスに生かしていけばいいのかということを述べてみたいと思います。

構造不況20年

GMSは構造不況と言われて20年経ちます。
この間、有効な打開策もないまま曲がり角迎えたのです。

構造不況とは不況の原因が景気循環によるものではなく、産業構造・需要構造・経済環境などの構造変動にあるとされる不況です。

では日本の小売業の歴史をみていきましょう。

百貨店、スーパー(大型店)、コンビニエンスストアの売上高推移をみてみますと、百貨店と大型スーパーの両業態は1970年代に急拡大していることがわかります。
その後、百貨店はバブル崩壊とともに一転して減少、大型スーパーは1990年代も拡大を続けましたが、1999年以降頭打ちになりました。

小売業の売上高(商業動態統計)

一方、そのころ勢いをつけてきたのがコンビニです。
1998年以降一貫して市場が拡大していることがわかると思います。

衰退期を迎えた百貨店に対して大型スーパー(GMS)は、それでもここ20年間、売上規模を維持していることがわかると思います。
しかし売上の内訳は多く変化しているのです。

大型スーパーの売上構成比

1990年代後半から飲食料品カテゴリの売上は伸ばしていますが、特に衣料品カテゴリが大きく減少していることがわかると思います。

そもそもGMS業態は「食品で集客し衣料品で稼ぐ」構造です。
この図式が近年大きく崩れてきたのです。

これはユニクロやしまむらなどの専門店が台頭してきたことにあります。
とくにユニクロは従来GMSが展開していた低廉な価格帯で、より高品質な商品を販売するようになったことも原因の一つだと考えられます。

食品の売上拡大で衣料品売上の減少を補ってきましたが、利益率の高い衣料品が縮小していることが悩みの種なのです。

食料品と衣料品の組み合わせがGMSの核

GMSの登場する前は、複数のカテゴリをひとつの店舗内で販売する業態といえば、百貨店だけでした。

このGMSが消費者に支持された理由は、居住地域に低価格帯かつ1カ所で買い物が完了する利便性がうけたため、80年代以降、日本全国で急速に発展していきました。

また、GMSは小売店側にとっても重要なメリットがありました。
それは購入頻度、すなわち集客力の高い食料品に原価率が低い衣料品などの商品を組み合わせることで、店舗の収益性を高める効果があったのです。
この仕組みが近年通用しなくなってきました。

ファミリーマートとの経営統合を発表したユニーグループ・ホールディングスの2015年2月期連結決算も、5年ぶりに最終赤字に転落しました。
足を引っ張ったのは「アピタ」などのGMS事業です。

不振の原因について、佐古則男社長は

「衣料品を中心にニーズのずれが一番大きな理由。内的要因の方が大きい。ニーズを掴み上げながらお客様に当てにされる商品、品揃えを実現してズレを是正していく」と語り、GMSが厳しいのは衣料品のシェアが取れなくなっているため。衣料品が過去には利益を生んできたが、そのスキームが崩れていると述べました。

小売りの雄、イオンの3期連続の減益

小売りの雄、イオンはGMSの苦戦で3期連続の減益となりました。
イオンの不調は、大型小売り店舗をチェーン展開するGMSの業態がいよいよ曲がり角に来ていることの現れともいえるでしょう。

イオンイメージ

GMSの苦戦の理由は決してユニクロやしまむらだけではありません。

ここ最近、消費者が大型GMSを訪れる頻度は少なくなったと思います。

日常品の買い物はコンビニ、また中価格帯のものを買うときはアマゾンや楽天などのインターネット購入へシフトしていっているからです。
リアル店舗で探し回るより、ネットでの大量一括比較、そして検索型のショッピングが効率的になっているのです。

また立体駐車場からの距離を考えると、野菜や総菜などの日々の購買なら中小規模のスーパーで済ませるケースが多いと思います。
逆に贈答品などの一部高級品は、伝統的なブランド力がある百貨店か専門店で購入します。

つまり、GMSはあらゆる業態に消費者を奪われているのです。

日本の小売業態はここ20年ほどの間に大変貌を遂げてしまったのです。
それは「大から小へ、さらに無店舗(ネット)へ」という大きな流れなのです。

強いトップでさえ、改革しきれない

「ヨーカ堂を再生させるまでは辞められない」

この言葉を最近よく口にすることが多くなったセブン&アイ・ホールディングスの鈴木敏文会長が下したのが今回の決断です。
つまり2020年までに全店舗の2割強にあたる40店の閉店方針を決めたのです。

鈴木敏文会長はGMSについてこう語っています。

「商品を置けば売れる時代の体質から抜けきれない」

セブン・イレブンジャパンの精鋭を送り込んだこともありましたが、焼け石に水でした。

今のヨーカ堂は強いトップでさえ、改革しきれないのです。
こうなると成長どころか、再編もおきにくいオワコン(終わったコンテンツ)でしかないのです。

小売業界で総合スーパーを軸にした地殻変動が起きている

では日本のGMSはすべてダメなのでしょうか?
そうではありません。

いま注目なのが現在、小売業界で総合スーパー(GMS)を軸にした地殻変動が起きているということです。

この地殻変動とは一言でいうと全国展開するスーパーの稼ぐ力が一段と弱まった一方、一定の地域に根ざしてGMSを展開する企業が躍進しているということなのです。

2015年6月24日の日経MJで小売業14年度ランキングが発表されました。
数字は顕著です。

業態別の営業利益増減率で悪化が目立つのは全国スーパーです。
平均前年度比24.7%減です!!

大手GMSの内訳をみると、イオンリテール90.9%減、イトーヨーカ堂83.5%減、ユニー14.3%減でした。

これに対して地域スーパーは8.1%増、地方スーパーは9.1%増なので結果は歴然です。
地方GMSの内訳でみると、イズミ(広島)4.2%増、平和堂(滋賀)6.1%増、フジ(愛媛)12.4%増となります。

地方GMSの好調な理由はあらゆる逆風をはねのけた「地域密着力」にあるのです。

つまり大手総合スーパー(GMS)の競争力が弱まったのは、外的要因もありますが、内的要因にもあります。
それは行き過ぎた規模の拡大と本部への中央集権なのです。

これからの時代、全国画一的な商品展開や店づくりはますます通用しなくなるでしょう。

大手GMSの巻き返しはあるのか

大手総合スーパーの雄、イオンリテールは2014年度の営業利益が13年度比に対して9割減りました。
このイオンリテールの9割減という数字がイオン全体の収益に大きな打撃を与えています。

これに対してイオンは2015年2月より店づくりや商品仕入れの権限を各地域に委譲しはじめました。

イトーヨーカドーイメージ

またイトーヨーカ堂も動き出しました。

全国を13地区に再編し、それぞれに商品開発の担当を置いたのです。
これは土地ごとに違う消費者の細かない嗜好をとらえるのが目的です。

これからの時代のキーワードは「全国多様性」の店づくりです。

手間をかけ、地域の事情に応じた店づくりをする

これからGMSを再生するならば、手間をかけ、地域の事業に応じた店づくりが必要です。
つまりチェーン志向を緩め、買い手の立場での新たな成長モデルを見つけることができるか否か、ここが重要となります。

その成功事例として広島を地盤とするイズミのやり方を紹介します。

イズミヤ イメージ

イズミは、GMSを主力とするスーパーで14年度の売上高が国内5位です。
営業利益は4%増えています。

その戦略は3点です。

まず1点目は出店エリアを本社近隣に絞っていることです。
具体的に本社から約2時間で行ける場所という暗黙のルールです。
これは本部社員が迅速に現場を見て、店との連携を密にする狙いがあります。

2点目は品揃えを地元の特定メーカーに絞り込んでいることです。
たとえばスナックの陳列棚の約3分の2を地元の「ポテトチップス」などのカルビー製品が埋めています。
通常、この業界では品ぞろえが特定メーカーに大きく偏るのはご法度です。
しかしより親近感を演出するためにこのような極端な棚割りをしているのです。

そのほかには地元のプロチームのグッツ売り場を拡張して集客しています。
広島といえば広島東洋カープとサンフレッチェ広島ですね。

広島カープ 選手とファンの交流

最後に地元の学校の体操服などを扱うテナント店を誘致しています。
つまり自前の売り場にこだわらずテナントと一体で地元客が今求めるモノを揃えていったのです。

3点目は地元客が食品を買いにくる仕掛けを用意したことです。
産地直送の地場野菜などを充実させた商品売り場をつくることにより、平日の主婦層を呼び込んでいるのです。

当初は広域集客を見込み3400台の駐車スペースを用意しましたが、想定を超えたのは近隣からの自転車客の多さでした。
これに対応するために650台分の駐輪スペースを1千万台に広げたのです。
つまり自転車で買い物にくる主婦層の誘致に見事に成功できた事例なのです。

このイズミのやり方は他の業種業態でも参考にできると思います。

なぜ大手GMSは衰退の一途をたどったのか

大手GMSはそもそも店舗拡大に伴うスケールメリットを得ることで出店してきました。

しかし今の時代は、全国画一的な商品展開や店づくりは通用しないのです。
これは飲食業界も含め、すべての業界の常識になりつつあるのです。

イズミの例をあげましたが、これら戦略が反映され、見られるようになるまでは真剣に取り組んでも最低3年~5年はかかると思います。

初期投資が3年以上かかるのなら、サラリーマン社長やサラリーマン経営者は自分の担当している間に結果を残すことはできません。
すぐに実績を出さなければならないのでイズミのような真似ができなかったのです。

だから20年もの間衰退の一途をたどったわけです。

まとめ

これからの時代、あらゆる業種業界で地域密着力がモノを言う時代になります。
ですので、やり方次第では小さな会社の方が大企業以上に成果をあげることが可能です。

1990年代までは日本人は一億総中流と言われてきました。
だからこそ、全国画一的な中間層狙いの戦略でも十分成果を残せたのです。

しかし今はあらゆる面で二局化が進んでいます。
これは所得もそうですし、買い物やレジャーなどにおける消費もそうです。
つまり日常使いとハレの日使いを無意識レベルで使い分けているのです。

中途半端な商品やお店は、この流れのなかで淘汰されていくでしょう。
つまりアッパー層を狙うか、アンダー層を狙うのか、経営者としてハッキリさせなければならないのです。

ただ一つ助言するならば、下にいけば下にいくほど、大手の資本力と技術力には太刀打ちできません。
となると、いかに客単価をあげていけるのか、これがこれからの重要戦略となるのです!

2020年に向けてのGMS大量閉店のニュースはけっして対岸の火事ではありません。
いまから十分な備えをしていきましょう。


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ワタミは本当に倒産してしまうのか?

先日、ショッキングの記事が、ヤフーニュースに流れました。

『ワタミ、身売り話も飛び出した三重苦の実態』(2015年9月7日)

ワタミの下落は止まりませんね。
同業者として、決して対岸の火事ではありません。

そこで今回は、ワタミの凋落の原因と、その簡単な立て直し方法について私の所見を述べていきたいと思います。

祖業である外食に加え、介護と宅食も業況が厳しくなる

ワタミは2014年度128億円(△8.2%)の最終損失を計上して、2期連続の赤字となりました。
2015年度に入ってからも、第1四半期(4~6月期)は15億円の最終赤字です。

6月末時点の自己資本比率は6.2%まで低下してしまいました。
自己資本比率に関して2013年3月期末は25.4%、純資産は320億円ありましたので、たった2年で6.2%、78億円にまでに落ち込んだわけです。

ここ数年のワタミ全体と各事業別の当期純利益を表にしますと

このように祖業である外食に加え、介護と宅食も業況が悪化していることが分かるかと思います。

ワタミの介護や宅食は、外食事業から得られる利益を原資に拡大してきましたので、そこが傾けば必然的に厳しくなります。

ワタミはこの事態の打開に向け、

  • 不採算店舗の大量閉鎖
  • 返済が迫ってきた短期借入金の長期切り替え
  • 工場などの売却

などの方針を掲げ、さらに利益率の高かった介護事業の売却の話も出てきたのです。

ワタミはなぜここまで凋落してしまったのか

ワタミは2015年3月までに626店舗あったお店を102店舗閉鎖しました
もともと60店の撤退を計画していたようですが、2014年9月中間決算で41億円の最終赤字となるなど業績不振が止まらず、急遽全体の約15%に当たる大量閉鎖にいたったのです。

かつて「不況に強い」とされていた居酒屋チェーンの雄、ワタミはなぜここまで凋落してしまったのでしょうか?

引き金となったのはみずからが仕掛けた価格競争です。
2008年9月15日にリーマン・ ブラザーズが破綻(リーマンショック)した以降、居酒屋の客数は前年割れが長く続きました。
もちろんこれは、「若者の酒離れ」や「飲酒運転の取締強化」などの背景も重なり、居酒屋マーケット自体が縮小していたこともあります。

この事態を打開すべく2009年に「生ビールの100円値下げ」を打ち出したのがワタミです。
通常、飲食業界の生ビールの原価は200円前後なので業界に大きな衝撃が走ったのは言うまでもありません。

価格競争で負のスパイラルに

これを機に居酒屋チェーンでは値下げ合戦へと駆り立てられていきました。 10円単位での値下げ、均一価格店の登場もこの頃です。

しかしその代償は大きかったです。
なぜなら価格を下げるために、人件費を削らなければ利益は出なくなったからです。

そうなりますと必然的にサービス力が弱まります

またお客様の利用動機が「安さ」だけに絞られますと、10円でも安いお店が選ばれるようになります。
その結果、居酒屋チェーンは負のスパイラルにはまり、仕掛けたワタミも巻き込まれていったのです。

そこを顧客の嗜好の変化が襲う

2011年3月の東日本大震災以降、お客様の嗜好の変化が起こりはじめました。

食事やお酒を楽しむときにとにかく安さを求める層と、付加価値を求める層に二分化されたのです。

安さを求める層はコンビニで買い求めた食品やお酒を自宅で飲む「家飲み」や、「立ち飲み」やファミレスで十分だと考える「ちょい飲み」がブームになるのです
吉野家や松屋、日高屋の「ちょい飲み」もここから発生しています。

これに対して、ただ飲んで食べるだけでなく、仲間との団らんをはじめとする付加価値を求める層は、回数を減らしても少しぜいたくなお店へ出かけるようになりました。
この代表がAPカンパニーの運営する客単価4000円ほどの塚田農場です。

このとき価格競争に繰り広げていた居酒屋チェーン各社は、ちょうどこの中間となり、完全に特徴がないものになってしまいました。 こうなると総合居酒屋は中途半端でなんの魅力もなく、もはや強みが曖昧となり、しだいに競争力を失われていったのです。

逆にコンビニや立ち飲み店、ファミレスはこうした需要に対応するべく、さまざまな手を打ち成果を挙げたのは周知の通りです。

居酒屋業界はもはや価格の安さだけでは集客できなくなってしまったのです。

10年以上に既存店の売上前年割れが続いている

ワタミの2年連続赤字の危機の原因は、何といっても主力事業である居酒屋チェーンの不振です。

居酒屋事業の売上は直近10年以上にわたって既存店の前年割れが続き、経費をコントロールして何とか利益を捻出しました。
その経費とは主に人件費となるでしょう。

上場企業は多くの一般投資家から資金を預かって投資し、事業を成長させていっているので、株主のためにも利益を出していかなければなりません。

そのため日々の利益目標が先にあって、売上に応じて、社員の勤務時間=人件費を操作して利益が出るように帳尻を合わせるのです。

ワタミはブラック企業なのか

ワタミの不振に追い打ちをかけたのは、「過労自殺」問題です。

2013年6月、部下に対して「365日24時間死ぬまで働け」「出来ないと言わない」と説いている社内文書「ワタミグループ理念集」の内容が週刊文春に掲載されました。

同12月、2008年に自殺した元ワタミ社員の両親が損害賠償を求めてワタミを提訴しました。

このころ池上彰さんとのインタビューで、過労を苦にした自殺者が出たことについて「それでブラック企業と言われたら、日本には千や万のブラック企業がある」と渡邉美樹さんが述べたこともネットユーザーを刺激する形になりました。

これらをきっかけにワタミは完全に「ブラック企業」の代名詞として扱われ、それが客足にも少なからず影響を与えていくことになるのです。

ブランドを創るのには時間がかかりますが、壊れる時は一瞬です。

ワタミはこれまでコツコツと創り上げた基盤を一気に崩れていったのです。

迷走する外食事業の戦略

もちろん外食事業の低迷に対して、ワタミも手をこまぬいていたワケではありません。

昨年(2014年)1月にはメニューの半分を刷新しました。

客単価をあげるための施策として専門店で提供されるレベルとクオリティの商品を導入しました。
しかし料金を気にしないで気軽に頼めるお店として定着していたワタミの印象は、簡単に拭えませんでした。

そのため3月には追加施策として、単品価格の見直しを敢行しました。
生ビールやお通しの価格を下げ、お値打ち感を打ち出したのです。

しかしながら、これらも不発に終わるのです。

そして2015年に入り和民では、9月からご飯ものや麺類を中心に、メニュー数を増やす方針です。
「商品のバラエティ感を出してほしい」との消費者の声を受けたもので、商品数は68から85と増やすそうです。

ただ、同業態では、4月にメニュー数を減らしたばかりなのです。
短期間でのメニュー戦略の転換によって、店舗のオペレーションに問題が生じないか、懸念はぬぐえません。

介護や宅食事業も利益が出せなくなってきた

加えて、居酒屋の不振を補ってきた介護や宅食事業も利益が出せなくなってきています。

このうち介護事業では、2年前まで90%を超えていた入居率が、15年3月期は77.9%にまで落ち込みました。 2013年に入浴中の死亡事故が発生したほか、今年2月にはノロウイルスが原因で入居者が亡くなられました

命を預かる事業だけに、こうした事案が少なからず入居率に影響したと考えられます。

また右肩上がりで成長を続けてきた宅食事業も、配食数が減少傾向にあります。
高齢者市場の拡大をにらんで2008年に参入しましたが、ここ数年で多くの競合が台頭し、健康をうたった類似商品が続出したことが原因です。

このほかに外食や介護におけるネガティブイメージも重なり、直近7月の1日当たり配食数は24.2万食と、2013年後半のピーク時から16%減の水準まで落ち込んでしまったのです。

つまり、ここ2年不振の外食事業を、介護や宅食で下支えするという構造が崩れ落ちたのです。

ワタミの立て直しのポイント

これだけ負の連鎖が続くワタミを立て直しポイントは二つです。

一つめは「ワタミの看板にこだわり過ぎないこと」です。

ワタミやわたみん家といった主力ブランドは長年にわたり苦戦しています。

しかしワタミの名前が付いていない(隠れワタミといわれる)レストラン業態のBARU&DINING「GOHAN」やごちそう厨房「饗の屋」などは好調に推移しています。
そこで、あえて毀損したワタミブランドを隠すことで「多ブランド化」を図るというわけです。

そしてもう一つは、ワタミの名がついた社名を変えることです。

2013年に渡邉美樹さんが取締役会長(非常勤)を辞任しましたが、噂の範疇では、まだワタミ経営相談にのっていると聞きます。 真意のほどは定かではないですが、このような噂が出ている以上、思い切ってワタミと付いた社名を変えてみるのはどうでしょうか?

市場は論理ではなく感情で動きます。

ワタミという名だけで、消費者を刺激するのはたしかです。

また同業だから言えますが、ワタミだけがブラック企業ではありません。


2014年度株式上場している
外食企業82社の平均の経常利益率はたったの1.4%です。

この数字からみても外食企業はどこもかしこも経営は苦しいのです。

どの企業も経費をコントロールして何とか利益を捻出しているのは間違いないでしょう。

だからこそ、ワタミ存続のためにも社名を変えてでも生き残ることを選択して欲しいのです。

今後のワタミの選択に関して、いち経営者として、いちコンサルとして目が離せません。


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東京ディズニーランドの集客に異変!このまま曲がり角を迎えるのか?

2015年9月4日の日経MJに東京ディズニーランド長い行列「もう待てない」
夏休み入園者減
高齢化・娯楽多様化が背景

============

という記事が掲載されました。

リード文は以下の通り・・・

東京ディズニーランド(TDL,千葉県浦安市)に異変が起きている。東京ディズニーシー(TDS)と合わせた夏休みの入園者数が減り、2016年3月期通期でも減少する見込みだ。運営会社は暑さを理由にするが、競合施設は軒並み好調。異変の一因は「待ち時間の長さ」だ。長い行列は人気の証しだが、少子高齢化や娯楽の多様化もあり、消費者は「もう待てない」。テーマパークの王者は曲がり角を迎えている。

============

記事の内容を要約しますと、

  1. 2015年の夏休み期間のTDLとTDSを合わせた入園者数は当初計画も前年同期実績も下回っていること。
  2. オリエンタルランド側は、人気ショーの落ち着きや猛暑を理由に挙げているが、同条件での競合相手は好調だったということ。

この2点が主な論拠です。

競合相手のこの夏の数字をあげると、例えばユニバーサル・スタジオ・ジャパンの8月入園者数は7%増の142万人。

東京ドームシティアトラクションズの乗り物利用者数は前年比4%増の延べ114万人。
ハウステンボスサンリオビューロランドなどもこの夏の集客数は増えたようです。

今回は、この記事の主張について、いろいろな角度で検証をしながら私の見解を述べていきたいと思います。

東京ディズニーランドの混雑状況を知りたいというニーズ

ディズニーランドの混雑状況がどれほどのストレスになっているか調べるために、まずGoogle AdWordsのキーワードプランナーで「ディズニーランド」というワードの検索数を調べてみました。

検索ボリュームを高い順に並べますと

  • 混雑(39)
  • ホテル東京(37)
  • チケット(28)
  • 宿泊(25)
  • シー(20)
  • 周辺ホテル(15)
  • 格安ホテル(10)

と圧倒的に「混雑」という検索ワードで探す人が多いことがわかります。

これをワードをさらに細かく見ますと

  • 東京ディズニーランド混雑予測(18,100件)
  • 東京ディズニーランド混雑(12,100件)
  • ディズニーランド混雑状況(3,600件)
  • ディズニーランド混み具合(2,900件)
  • ディズニーランド混雑予測 結果(2,400件)
  • 東京ディズニーランド混雑状況(1,300件)
  • ディズニーランド混雑情報(1,000件)

と、1ヶ月間に4万件以上の方が混雑を回避するために、ネットからその情報を調べているのです。

つまりディズニーを楽しむゲストにとって、可能なかぎり混在を回避したいニーズは極めて高いということです。

2002年以降の2パーク合算 入園者数

ディズニーランドの混雑状況が過去10数年でどのように推移していったのか調べてみることにしました。

まずは2002年以降のTDLとTDSの2パーク合算入園者数です。
※2001年の9月4日にTDSが開園。1年間の総数で比較したかったためあえて除外しました。

営業日数が違う年度がありますので、各年度別の数字を1日平均の来園数に置き換えました。

これを見るとわかりますが02年から09年までの8年間の1日平均の来園数は7.0万人です。
この期間で一番来園数が多かったのがTDLの開園25周年があった08年の7.5万人です。

そしてそれ以降、一気に伸びているのが、13年の8.6万人です。
この年が開園30周年となるのです。

グラフにするとこの伸びがさらにわかりやすくなります。


グラフで見ればわかると思いますが、08年から09年のかけては25周年祭の反動から翌年0.4万人減っていることがわかると思います。

しかし14年のときは13年の30周年の反動はなく、逆に過去最多入園者数を8万人更新して過去最高来年数を記録したのです。

ではなぜ14年は、集客減にならずに、過去最高来年数となったのでしょうか?

今後10年間で5000億円の投資計画を発表

2015年7月30日に発表された、オリエンタルランド2016年3月期第1四半期の売上高は1032億9400万円、昨年よりわずか0.9%減でした。

オリエンタルランド側からすればこの着地はほぼ想定内です。
なぜなら繰り返しますが昨年度はサプライズイヤーだったからです。

昨年は30周年を終え、反動減が予想されていたディズニーリゾートの集客が予想を上回り、過去最多入園者数で着地したのです。

これは「プロジェクトマッピング」「アナと雪の女王」の2つの新イベントが反動を打ち消した格好でした。

今年度に入り若干の息切れ感は否めないものの、短期的な業績だけで見ると大切なことを見誤ります。

なぜならオリエンタルランドは少なくとも10年スパンで投資戦略を練る会社だからです。
そのためすでに次の成長フェーズを見据えて戦っているのです。

現在、2023年までの5000億円の投資計画が発表されており、2500億円を投資して新しいテーマポートを3つ増設することが盛り込まれています。

ディズニーシーに「アナと雪の女王」のエリア(北欧の港町)、ランドに「美女と野獣」「ふしぎの国のアリス」の各エリアができる予定です。

当初、これ以上の拡張は土地の問題で難しいと思われていました。

とくにシーのほうは多少余裕があることが知られていましたが、ランドは限界と思われていたからです。
それに今回、挑戦しようとしているのです。

儲かっているのに今年4月になぜ値上げしたのか

東京ディズニーリゾートの入場料が2015年4月からが値上げされました。

運営会社のオリエンタルランドは、TDLとTDSの1日入場券に相当する「1デーパスポート」を、大人と中人(12~17歳)は500円、小人(4~11歳)は300円値上げしたのです。

これにより、1デーパスポートは大人6900円、中人6000円、小人4500円(いずれも税込み)となりました。

TDLとTDSの2014年3月期の入園者数は合計で3130万人。
テーマパーク事業の売上高は3909億円、営業利益は971億年とそれぞれ最高を記録しました。

それにもかかわらず、2014年4月の消費増税から1年後に再び値上げ。

強気とも思える理由はどこからきているのでしょうか。

オリエンタルランドは昨年4月に発表した「2016中期経営計画」(2015年3月期~2017年3月期)で、テーマパーク事業に5000億円規模の新規投資を10年かけて行うと発表しました。

TDLのファンタジーランドの面積を現在の2倍に拡張したり、TDSに新しいテーマポートの開発を検討しているのです。
つまり今回の値上げは、今後増えていく投資の費用に充てられるのです。

ここで最初のテーマに戻りますが、ディズニーランドはいつ行っても混雑しています。

ディズニーランドを訪れる人たちが心から望むのは、異常ともいえる混雑状況を解消し、ストレスの少ない状態で楽しめるようにしてくれることなのです。

だからこそ新たな投資はそれに活用させようとしているのです。

つまりこのタイミングでさらに値上げして、この費用をこれから先10年のさらなる成長に活用しようというわけです。

日経MJの記事に対しての私の見解

ここでもう一度、日経MJの記事を読み返したいと思います。

東京ディズニーランド(TDL、千葉県浦安市)に異変が起きている。東京ディズニーシー(TDS)と合わせた夏休みの入園者数が減り、2016年3月期通期でも減少する見込みだ。運営会社は暑さを理由にするが、競合施設は軒並み好調。異変の一因は「待ち時間の長さ」だ。長い行列は人気の証しだが、少子高齢化や娯楽の多様化もあり、消費者は「もう待てない」。テーマパークの王者は曲がり角を迎えている。

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ここまで述べてきたことから上記の記事の見解を述べていきます。

一つ目に「TDLとTDSと合わせた夏休みの入園者数が減り、2016年3月期通期でも減少する見込み」という記事に対しては、単純に13年と14年が特別によかったということです。

オリエンタルランドも想定していた範囲内なのでまったく心配していません。

二つ目に「運営会社は暑さを理由にするが、競合施設は軒並み好調」という記事に対しては、今年の暑さは異常だったのです。

なぜなら、今年は8月7日の時点で最高気温が35度以上の猛暑の日が、8日連続つづきました。

このような猛暑日が連続8日続くのは、1875年以降初というほどです

さすがにこれだけの暑さが続けば、ディズニーファンも今年はあえてTDLやTDSを避け、待ち時間の少ない競合相手に流れるのも無理もありません。

涼しくなった8月後半の週末は、例年並みの集客に戻ったことも考えるとこれも問題ない範囲だと思います。

三つ目に「長い行列は人気の証しだが、少子高齢化や娯楽の多様化もあり、消費者はもう待てない」という記事については、2001年よりパーク内が広がっていないのに、入園者が増えているということは、待ち時間が増大していることは事実です。

だからこそ、オリエンタルランドはこの改善に対して、これから10年かけて、テーマパーク事業に5000億円規模の新規投資をしてTDLのファンタジーランドの面積を現在の2倍に拡張したり、TDSに新しいテーマポートの開発して待ち時間の解消に努めようとしているのです

それを見越しての2015年4月のチケットの値上げだったのです。

以上のことから2015年の夏休み期間の入園者数の減少は、日経MJが語るほど深刻ではありません

短期的な業績だけで見ると大切なことを見誤ります。

マスコミの情報だけに流されず、現場で何が起きているかを冷静に洞察する目が必要ですね。


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今の肉ブームはシニア・女性がけん引!空前の肉ブームはいつまで続くのか?

ここ数年、空前の“肉”ブームが続いています。

熟成肉、赤身肉、かたまり肉、ステーキなどなど、さまざまな専門店がオープンし、肉の奥深さに目覚めた方も多いのではないでしょうか。

この肉ブームをけん引しているのはシニア客と女性客です。
今回は、熟成肉と赤身肉の人気の秘密とそのリスクについて書いてみます。

美味しい肉が食べたい!

高級ステーキ店やスーパーに並ぶ牛肉に消費者が強い関心を寄せています。

注目の的は、うまみの強い熟成肉や希少部位です。
赤身は健康によい」という認識も広がり女性やシニアをひき付けています。

近年女性のなかで肉は太らないというイメージが定着してきました。
そのため赤身を食べる機会が増えているのです。

また数年前に、厚生労働省などが高齢者の「低栄養」を指摘したことも、シニア層のお肉への関心を後押しします。

まさに今の肉ブームはシニア・女性がけん引しているのです。
そのど真ん中にいるのは間違いなく熟成肉・赤身です。

赤身肉はダイエット効果

いまステーキ店ではドライエイジングビーフ(乾燥熟成肉)と呼ばれる、熟成させた赤身の牛肉を提供するお店が人気です。

ドライエイジングビーフは低温で14日~35日ほど熟成させることで、酵素の働きにより旨み成分(アミノ酸)が増して肉質が柔らかくなります。

日本でもこうした熟成肉を提供する店が増えてきており、今人気があるのは霜降り肉よりも熟成した赤身肉です。
熟成により美味しくなっているだけでなく、脂肪分が少ない部位のためヘルシーでもあるからです

 ダイエットには赤身肉がおすすめ

「ダイエット中だから肉をなるべく食べないようにしている」という話をよく聞きます。

しかしお肉を抜くことで、ダイエットにも美容にも健康にもマイナスになってしまう可能性があります。

そこで赤身肉の登場しました。
赤身肉とは、脂肪が少なく赤い色の肉の部位です。

牛ひれ、牛もも、豚ももなどの脂肪が少ない部位が代表されます。

脂肪が少ないということは、その分カロリーが低くなるためヘルシーなのはもちろんのこと、キレイにやせるのに欠かせないタンパク質、L‐カルニチン、鉄が豊富なのです。

肉は腐りかけがうまい

熟成肉とは、一定の温度や湿度下に置くことでうまみを凝縮させたお肉のことです。

昔から「肉は腐りかけがうまい」ともいわれるように、肉には寝かせて生まれる価値があります。

赤身は硬いという印象がありましたが、熟成すればジューシーで軟らかくなります。
和牛とは違った美味しさがあります。

日本では、和牛に代表される霜降りの肉の文化を発達させてきました。

そのおいしさは、世界的に知られていますが、もう一つのおいしい牛肉があったという発見が世間に広まり、大きな赤身ブームになっています。

熟成肉は製造に手間がかかるうえに、乾燥により肉の重量が20%程度軽くなり、かつカビが生えるなどした表面を削ぎ落として使うので、価格が高くなります。

しかし「アベノミクス」による、景気回復もしくは景気回復期待で、高付加価値商品が求められた中で目玉商品となったのです。

熟成肉には食中毒のリスクがある

最近ではファミリーレストランの「デニーズ」が熟成肉のステーキを扱ったり、「吉野家」「松屋」といった牛丼チェーンが冷凍の牛肉から冷蔵熟成に調理方法を切り替えたりするなど、身近な外食でも味わえる機会が増えました。

しかし好調にみえる熟成肉もブームに終わる可能性はあります。
なぜなら熟成肉はリスクと隣合わせだからです。

消費者にはあまり知らされていませんが、熟成の仕方や期間などに明確な定義や規制がないため、店によって品質・安全管理がまちまちなのが現状です。

一度でも食中毒を出す店が出たら、熟成肉を提供するすべての店が打撃を受けることになります。

2011年に、複数の店舗において、食材の一部に菌が付着していたと想定される「和牛ユッケ」から腸管性出血性大腸菌O-111による男児ら複数名が死亡する集団食中毒が発生しました。
熟成肉には、このような事故まで発生する可能性があるのです。

やはりお客様の口に入るものなので、何か事故があってからでは遅いです。
今後、熟成肉を扱う店舗の人たち、有識者、畜産農家も交えた価値向上のための協会を設立した方がいいでしょう。

安全管理を徹底させて熟成肉がブームで終わらず、日本人の食文化に定着してほしいと思います。


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和牛の仕入は焼肉屋と居酒屋だと圧倒的な差がある、肉バル業態の旨味とは?

空前の牛肉ブームが到来しています!

熟成肉から格安ステーキ、牛すき鍋とヒット続出しています。
そして焼肉店も好調です!

私の知っている限りでは、肉業態は例外なしに好調です。
具体的にはステーキ、焼肉、とんかつ、しゃぶしゃぶ、そして肉バルです

グルメサイト「食べログ」によると、昨年1年間でステーキやハンバーグ・焼き肉を扱うお店は約4000軒増えたといいます。

さらに今年4月末、駒沢オリンピック公園では人気店を集めた「肉フェス」が開かれ、12日間で約55万人を動員しました。
じつに55万人です・・・

そして8月には初の地方都市となる新潟市で開催します。
肉は集客イベントのテーマとしても引っ張りだこです

その中でも数年前よりワインと肉の組み合わせる肉バル店が多く出店して、女性同士で肉を食べるシーンが広がっています。

この気になる肉バル業態について、今日は徹底解剖いたします。

出店が加速する肉バル店

肉バルという成長マーケットにおいて圧倒的な集客力を誇っているが(株)味和居ダイニングが運営する「ニクバルダカラ」(名古屋市)です。

(株)味和居ダイニングが運営する「ニクバルダカラ」(名古屋市)
(株)味和居ダイニングが運営する「ニクバルダカラ」(名古屋市)

噂の肉バルのお店です!
このお店、25坪で月商1000万円!
なんと営業利益率20%をあげています。
実に坪売りが40万円です!

通常飲食店では坪売り20万円で繁盛店、30万円越えれば大繁盛店と言われていますので、40万円がいかにスゴイのかわかると思います。

いま和牛焼肉屋を経営している企業が焼肉店の出店を抑え、肉バル業態の出店を増やしています。

和牛焼肉屋が肉バルを出店するメリットとは、

  1. 今まで焼肉屋では出店できなかった小さな物件で出店できるようになる
  2. 初期投資が焼肉業態の6割で済む
  3. 焼肉業態にくらべ競合数が少ない
  4. 競合店に勝る商品力
  5. 焼肉業態の端材を利益に変えられる
  6. 利益率が圧倒的に高い
  7. 女性客の集客が可能になる

と言った点が挙げられます。

これらは和牛焼肉屋を経営しているからこそのメリットなのです。

全国に肉バルのお店がたしかに広がっていますが、ほとんどが熟成肉や1ポンド売りといった輸入肉を使用した業態のため、比較的に参入障壁は低いのです。
つまり和牛をお値打ちに提供している肉バル店はまだ少ないのです

和牛の焼肉屋が肉バル店を出店すると参入障壁は高くなります。
なぜでしょうか?

その理由が“仕入れ価格”です。

ニクバルダカラの場合、黒毛和牛ランプステーキ980円/100gは、最大の強みです。
居酒屋を経営する会社では考えられない値付けです。

だからこそお客様の満足度も非常に高くなります。

和牛の仕入れは焼肉屋と居酒屋だと圧倒的な差があるのです。
和牛の焼肉屋が始めるからこそ、差別化要因を作りやすくなるということです。

投資が焼肉業態の6割で済む

次に焼肉店が肉バルを出店するメリットは、焼肉業態に比べて低投資出店できることです。出店に関してはダクトがいらない分、安くなります。

焼肉業態出店の場合、コストを抑えるためにどうしても焼肉店の居抜き物件を優先的に探さなければなりません。

さらに、最低でも50坪前後の大きさでないと旨味の少ない出店になってしまいます。
この条件で探すとなるとかなりの制約がかかりますので、良い物件が見つかるのに時間がかかります。

しかし、肉バルだと20坪~30坪で十分な利益を得られる出店が可能になります。
だからこそ、一気に出店することができるのです。

つまり今まで焼肉業態の出店ではスルーしていた物件情報が、オセロがひっくり返したようにお宝物件に変わっていくのです。

肉バルは、客単価が3500円~4000円と高めの業態なので、小さな坪数でも十分採算が取れます。

人口減少していく国内市場において、客数よりも客単価を重視した業態が今後増えていくことは間違いありません。
坪数が小さいため、投資も2000万円以内で十分出店可能です。

肉バル業態の原価率はF32%前後

次の焼肉店が肉バルを出店するメリットは、焼肉業態に比べてFLコスト(食材費+人件費)が低く抑えられる点です。

仕入れメリットを活かしたメニューづくりを進めればFLコストは55%まで抑えることができます。

事実、肉バル業態の平均原価率はF32%前後です!この数字は焼肉業態より低くなります。

なぜ原価が抑えられるのか?

その理由は2つあります。

まずは焼肉屋で出る端材を活用することで、原価率の低い商品開発が可能になります。

肉バルのメインステーキはももステーキです。
焼肉店では売りにくいもも肉ですが、中をレアに焼き上げることで価値を高めた商品になり、焼肉店よりも高い値付けで売れるのです。

またブリスケ(前バラ・肩バラ)やカッパ(牛の前腹の皮と脂身の間にある赤いスジ肉)、切り落としなども調理を加えることでハンバーグや煮込み料理などといった利益率の高い商品開発が可能になります。

2点目は、ワイン業態は客単価が高くなります

業界の平均は3500円~4000円が目安です。
肉バル業態になりますとまずはアルコール比率が高くなります。

ほとんどのお店がアルコールの売上構成比40%を達します。
さらにボトルワインの比率はドリンク売上に対して30%にもなり、単価があがりやすくなります。

また、ボトルが出る事でホールオペレーションも効率化することが可能になります。

そして和牛焼肉屋ならば和牛を安く仕入れられますので、競合店とくらべ品質を保ちながら原価を抑えることができるのです。

女性客でも気軽にお肉を楽しめる

次に焼肉店が肉バルを出店するメリットは、既存業態では集客できなかった新たな客層=新たなマーケットを獲得できることです。

つまり同じ牛肉を売りにしている店舗でも業態が変わると利用するシチュレーションが変わるのです。

肉バルを利用するシチュレーションを分かりやすく伝えると“カッコよくお肉を食べる”という事です。

なので、焼肉店では集客しづらかった、OLや若年層を獲得することができます。

お肉を食べたいが、焼肉に行くほどではない・・・」「焼肉だと臭いが気になる」など、女性ならではの心理がありますが、
それを解消しているのも肉バルが繁盛する理由の一つなのです。

女性客でも気軽においしいお肉を楽しめるというのがニーズとマッチしているのです。
つまり女性の集客が増えることで新たなニーズを掘り起こしたのです。

「原価高騰」と「人材不足」の深刻化

焼肉業態の売上はもちろん好調に推移しています。

ではなぜ今、焼肉屋は肉バル業態の出店を行っているのでしょうか?
その理由が「原価高騰」と「人材不足」の深刻化です。

まずは「原価高騰」からです。
2012年末の安倍政権発足以降、外部環境の変換により焼肉業界は右肩あがりの成長が続いています。

これは景気がよくなる、または景気がよくなる予感がすると肉業態の調子があがる傾向があるのです。
つまりお肉は人を元気にさせ、明日への活力がでるからなのでしょうね。

そのため輸入肉をはじめ、和牛、国産牛も同様に急激な値上がりをしている状況です。

多くの焼肉店が値上げに踏み切っていますが、ここ数ヶ月でも値上げりは止まらず、値上げをしてもまかない切れない状態となっています。
だから焼肉店よりも原価を抑えられる肉バル店に移行しているのです。

次に「人材不足」についてです。

現在、都内の飲食店では採用広告を出しても、まったく電話がならないという状況であり、既存のスタッフの負担が増えている実情です。

人を集めるために時給アップや労働環境改善のための人件費アップにより、利益が圧迫されている状態です。

そんな中、注目を浴びているのが肉バル業態なのです。

現在、人集めに成功している店舗は、業界や業態を問わず以下の2つの要素があります。

一つは「オシャレ」・・・

もう一つが「専門性」です!

つまり飲食業界ではバル業態か、カフェ業態しか人が集まらない状態になっているのです。だからバル業態に移行することで、これら2大問題をも同時にクリアするのです。

最後に・・・

これらのことにより、2017年4月に予定されている消費税10%への対策は、計画的に実施する必要があります。

今の飲食業界のトレンドは人がますます集まらなくなるということと、原価はこのまま高騰していくことはたしかです。
そのタイミングで消費税が8%から10%に増税されたとき、何が起こるのでしょうか?

これらを踏まえて今から会社全体として利益アップの構造をつくりあげておく必要があるのです。

今回は飲食店における事例でしたが、皆さんのそれぞれにおけるビジネスのヒントにしてください。


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ハラル後進国の日本!世界人口の約2割になったムスリムにどう対応していくか?

世界のマーケットはもはや、イスラム教徒(ムスリム)抜きに語れなくなってきました。
なぜならムスリムの人口は2010年に約16億人に達したからです。
これは世界人口に対して約2割です!

日本にとって “近くて遠い”“遠くて近い” そんなムスリム。

しかしこれから先の時代は私たち日本人との関わりはより深くなっていくことでしょう!

今回はムスリムの訪日観光客をいかにビジネスに繋げていくかについて私の見解を述べていきます。

世界人口の2割はイスラム教徒

ムスリムはアジアだけでも10億人いると言われています。
とくに東南アジアはムスリムが多いです。

東南アジア諸国の経済成長が著しいことから、未開発市場としてイスラム市場に注目が集まっています。

豊かになったムスリムの富裕層が、海外に旅行にいくケースが増えています。
2011年、イスラム圏47ヶ国の旅行者が海外で使ったお金は約10兆円、2020年には20兆円に倍増すると言われています。

これに伴い、日本でも2002年頃からインバウンド観光(訪日外国人旅行者)の受け入れは、減少が見込まれる”国内観光需要の補完”に加えて、
外貨の獲得”や“地域の雇用機会創出”にも繋がるとして、国や地域にとっての重要産業として位置づけられてきました。

その成果もあり2013年、日本を訪れる外国人旅行者ははじめて1000万人を突破することができました。

政府は、成長戦略として東京オリンピック開催(2020年)までに2000万人まで倍増させる目標です。

皆さんもご存知の通り、

  1. アベノミクスによる円高の緩和による訪日旅行の割安感の浸透
  2. 2013年7月、東南アジア5ヶ国の観光ビザ発給要件が緩和
  3. 2020年の東京オリンピックの招致成功
  4. ユネスコにおける富士山の世界遺産登録
  5. 「明治日本の産業革命遺産」を世界遺産への登録
  6. 世界的な和食ブーム
  7. ハラル対応

など、訪日外国人を増やすための大切な施策です。
そして、私が一番伝えたいことは、この施策達成のキーマンとなるがムスリムなのです。

2030年には世界人口の26%がムスリムになる

ムスリムはこれからも増え続けていくと予想されています。
2030年には世界人口の26%がムスリムになるというデータもあります。

あと15年で世界人口の4人に1人がムスリムになり、その半分近くが日本に近い東南アジアのムスリムだとすると、
日本経済の明暗はまさに彼らが握っているといっても過言ではないでしょう。

そんな近未来が予想されている中で、皆さんはムスリムのことをどのくらい知っていますか?

ムスリムを知ることは大きなビジネスチャンスになります。
ハラルのことはどうですか?

ハラルとは何か?

『ハラル(Halal)』とはイスラム教の教えで「合法なもの」「許されたもの」という意味するアラビア語です。

ハラル対応『ハラル』の反対を『ハラム』とか『ノンハラル(Nom Halal)』と言い、イスラム教の教えでは「非合法なもの」「許されないもの」とされます。

イスラム教徒にとって禁じられている代表的なノンハラルは、豚肉やアルコールを使った食品・料理を食べること!
だからこそムスリムが日本に来て一番困ることが食事だと言います。

なぜなら日本の食品は、ハラルであることを証明したマークがないため”ノンハラル扱い”だということと、ハラル認証レストランが少ないからです。

なぜハラル認定の食品や、ハラル認証のレストランが少ないのでしょうか?

それは審査基準が厳しく、さらに企業にとってコスト高だからです!

では飲食店におけるハラル認証の基準はどの程度のものか列記してみます。

  • 原材料はすべてハラルでなければいけない
  • ハラル専用の食器を使用なければならない
  • 物流からハラルとノンハラルをわけなければいけない
  • すべての従業員はハラル専用のものしか対応できない
  • ムスリムオーナーまたはムスリムシェフがいなければならない
  • ムスリムがハラル管理を行わなければならない
  • すべての調理ラインをハラル専用にしなければいけない
  • アルコール飲料の提供ができない、などです。

原材料の基準をもう少し細かくしますと

  • 料理時に豚やアルコールを含んだ調味料はNG
  • アルコールが添付された醤油、みそ、みりんはNG
  • 天ぷらなどの揚げ物の場合、使用する油が野菜や魚介類ならばOK
  • とんかつや唐揚げなどと一緒の油を使っていればNG
  • 調理器具や食器は、豚を調理したことあるものはNG
  • アルコール消毒した食器やカトラリーの使用はNG
  • 使用する食材などは、豚肉と一緒に輸送・保管することはNG、などです。

さらに鶏肉や牛肉については、

  • イスラムの教えに従って解体・処理されたものはOK

ここまではハラル認定レストランの場合ですが、食品の会社の場合、さらに以下の基準が加わります。

  • 製造ライン、品質管理、倉庫、配送に至るまで、HASPP(ハサップ)、ISO9000、GMP(適正製造規定)の基準をクリアしなければならない

です。

どうでしょうか?

これらを知ったとき、私はため息がでるほど厳しいなと思いました。
これらのこともあり需要があるとわかっていてもなかなか国内でハラル産業を増やすことができなかったのです。

しかし前回の投稿でもお伝えしましたが、2030年には世界の4人に1人がムスリムになるということを考えますと、難しい・厳しいでは終われないのです。

ムスリムフレンドリーとは?

ムスリムが日本に来て一番困ることが食事です。
だからこそ難しいハラル認証を所得できれば他社に対して大きく差別化することができます。

でも難しいものは難しい・・・
そういうみなさんに知ってほしいことは「ムスリムフレンドリー」という言葉です。

つまり、日本に旅行に来られるムスリムの方は最初から日本のレストランですべてハラル対応できるとは考えていないということです。
要するに、海外旅行期間中のハラル基準については各自の判断が尊重されるのです。

そのためハラルに対して厳格な解釈を持つムスリムの方は、最初からハラル後進国である日本に旅行しようなどとは思っていないのです。

もし仮にそうだとするばらば、たとえば、

  • 豚肉やアルコールが入っていなければ問題ない
  • 料理酒程度であれば煮切っていれば問題ない

と思うムスリムの方もいるのです。
この考えこそ『ムスリムフレンドリー』だと私は思うのです。

ムスリムフレンドリーとは、ハラル認証は取得してはいませんが、ムスリムの方に向けて出来るかぎりの範囲で配慮・おもてなしさせていただくと言うものです。

具体的に飲食店ならば、

  1. ハラル認証は所得していないことを店頭に明示する
  2. 豚やアルコールを使ったメニューを出さない
  3. メニューの原材料を表記する
  4. レシピを表記する
  5. メニューを英語で表記する

などです。

ムスリムフレンドリー基準は日本国内で明確に統一されていませんが、ハラル認証に比べればやってやれないことはないと思います。

具体的には、

  • 原材料はすべてハラルでないといけない
  • ハラル専用の食器を使用しなければいけない

ここまでは、ハラル認証と同様ですが、ここから先は

  • 一部の従業員はハラル専用のものしか対応できないが、他の従業員はノンハラルのものに対応できる
  • ムスリムの従業員は存在しなくてもいいが、日本人で適切なトレーニングを積んだハラル管理者をおく
  • 調理場の一部はノンハラル専用にして、もう一部をハラル専用にする
  • アルコール飲料はメニューにしっかりアルコールを表記して提供する

などです。

もちろんこれらを全てやらなくても大丈夫です。

あくまでも大切なことは、

  • ムスリムの方に対して友好的ですよ
  • ムスリムの方を受け入れていますよ

という姿勢を伝えることなのです。

飲食店であれば、どのような配慮でどのような対応を実施しているかをホームページに掲載するといいでしょう!
繰り返しますが、ハラル対応レベルは、利用する側のムスリムの方が判断します。

嘘偽りなく、出来る範囲からはじめていくといいと思います。

身の丈に合ったやり方で十分なのです。


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