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吉田松陰式 リーダーの育て方

吉田松陰式 リーダーの育て方
  • 発売日:2015/6/27
  • 加納聖士 (著)

吉田松陰。
幕末に、今の山口県萩市に松下村塾という学校を開き92人の若者の心に火をつけたメンターです。
私の定義するメンターとは、仕事上(または 人生)の指導者、助言者の意味です。

その門下生には高杉晋作、久坂玄瑞、伊藤博文、山縣有朋という明治の元老がいます。
この中から総理大臣も2人出ています。

松陰が凄かったのは、意図的に優秀な子供たちを集めたわけではなく、志の高い地元の若者を指導しただけ…という点です。
いったい、2年4ヵ月という短い期間で、吉田松陰は彼らに何を教えたのでしょう?

本書は、吉田松陰が彼らに何をどう教えていったのかという「指導方法」にフォーカスを当て、その人材育成法をまとめたものです。
また、その指導法の原点となる、「松陰の思考がどのように形成されていったのか」についても触れています。

松陰はどのようにして門下生の心に火をつけたのか?
その答えは、現代の若者たちにも十分に通じる指導法です。
あなたにそれを知っていただき、今後のリーダーとしてのビジネス・ライフにお役に立てていただければ幸いです。

【序章】

2015年NHK大河ドラマは吉田松陰の妹「文」を主人公とした『花燃ゆ』が放映されています。
そのため、昨年から吉田松陰にスポットが当たり、松陰先生のファンである私にとっては大変喜ばしいかぎりです。

そんなこともあり、最近は人と話をするときに、よく吉田松陰の話題を出しています。

ところが…。
その時、ショックを受けることが多々あります。

理由は簡単。
吉田松陰という人物について、名前を知っていても、「何をした人なのかよく分からない」という人が圧倒的に多いのです!

歴史好きではなければ、わざわざ「吉田松陰」のことを学ばないか…。

そう痛感した私は、松陰先生の大ファンとして、「松陰についての本を書きたい!」という衝動にかられるようになりました。

テーマは、松陰の「指導法」です。
人を教える立場の人(=経営者・起業家・教師・主婦)を想定読者に、彼の指導法に特化した内容の1冊。

ビジネス書のジャンルとしては、「リーダー育成術」の本を書くことに決めました。

そこでまず、まえがきに変えて、吉田松陰を身近に感じてもらうために、彼が今の時代の指導者として生まれ変わったとするなら、どのような経営者になるか。

彼の歴史上のエピソードからその人物像に迫ってみたいと思います。

【目次】

序章  ~吉田松陰が、今の時代の経営者として生まれ変わったなら~

1.吉田松陰は、どのようなものに刺激され思考形成されたのか
(1)孔子は自らの思想を実現するために、「修己治人」という理想を掲げた
(2)人民重視の政治が、孟子の主張する王道政治である
(3)陽明学は実践を重んじる行動哲学である
(4)松陰は歴史書を読んで、古人の実践活動をみて自らの志を励ました

2.松下村塾の門下生は、松陰のどの部分に影響を受け、どう思考形成されたか
(1)野山獄の勉学の場
(2)至誠にして動かざるもの、未だ之れあらざるなり
(3)幕末の尊王思想家・吉田松陰の著作中、「講孟余話」は質量とも第一の主著である
(4)神の啓示と受け止め、「二十一回猛士」という号を使い始めた
(5)「士規七則」という武士の心得7か条

3.松下村塾では、どのように教育が実施されたのか
(1)松下村塾は、単に学問をするための塾ではなく、人間性を磨き合う人間道場だった
(2)教育の意義は「立志」に極まる
(3)「対話」というのは、教育の原点、あるいは基本
(4)松陰が自己啓発を促す上でもっとも重視したのは、弟子たちの討議であった
(5)実践を重んじようとしたら、現実から目を離してはいけない
(6)松下村塾の学風は、皆で学び、考える、実用教育にその特徴があった
(7)画一的な教育ではなく、個性を伸ばす教育を!
(8)才能はその人物の中に秘められていて、放置しておいては、表に現れることはない
(9)自らの学問を活かし、変革精神を培う
(10)東洋の「儒学」を政治の支柱として、西洋の進歩した「技術」を取り入れていく

4.吉田松陰の”人となり“がわかるエピソード
(1)吉田松陰という男の人となり
(2)吉田松陰は不屈の精神の人であった
(3)今日の読書こそ、真の学問である

あとがき